干し芋を極めた専門店を調べてみた!干し芋はプロの作り方を参考に自宅でも作れます!

スーパーの青果コーナーなどで手軽に購入できる干し芋は、自然な甘さと噛むほどに広がる風味が魅力のおやつです。一口に「干し芋」といっても、その種類はさまざまで、薄くスライスされた平切りタイプや、さつまいもを丸ごと乾燥させた丸干しタイプなどがあります。さらに、品種によって食感や甘みの強さが異なり、それぞれに違った美味しさが楽しめます。この記事では、全国の干し芋専門店5選を徹底調査し、各店舗がこだわるポイントや特徴的な商品を紹介します。伝統的な製法を守り続ける老舗から、独自のアイデアを活かした新感覚の干し芋まで、幅広いラインナップを取り上げました。また、自宅で簡単に作れる干し芋の作り方も詳しく解説。干し芋の魅力をより深く知り、好みに合った一品を見つける参考にしてみてください。

【通販もOK】美味しい干し芋専門店5選

干し芋の専門店では、さまざまな品種のさつまいもを使用して、平切りや丸干しなどの干し芋を製造しています。以下では、干し芋や、干し芋を使用したスイーツを販売するお店を5つを紹介します。

大丸屋


「大丸屋」は明治30年に創業し、120年の歴史を持つ干し芋専門店です。近年では乾燥機を使ってさつまいもの水分を飛ばし、干し芋を作る会社も増えていますが、大丸屋はすだれに並べたさつまいもを天日干しでゆっくりと乾燥させる、昔ながらの製法を守っています。さつまいもは自社栽培しており、原料から一貫した生産体制を築くことで、品質の高い干し芋が製造可能となっています。栽培しているさつまいもの種類は多岐にわたり、以下の品種が干し芋として販売されています。

  • 紅はるか
  • 紅まさり
  • 玉豊
  • ほしキラリ
  • ほしこがね
  • 玉乙女
  • みつき芋
  • シルクスイート
  • いずみ
  • 紅姫
  • 紅橙

また、干し芋の形も平干しや丸干し、厚切り、角切りと、さまざまなタイプが作られています。一般的には、干し芋は蒸したさつまいもを干して作りますが、大丸屋では焼き芋を加工した干し芋も製造しています。

ほしいも専門店 大丸屋
住所:茨城県ひたちなか市釈迦町18-38
電話:029-263-7777
営業時間:平日 10:00~17:00 日・祝日 9:00~17:00
定休日:なし

ほしいもの百貨


「ほしいもの百貨」は、干し芋の製造・販売だけでなく、干し芋スイーツを取り扱ったカフェ運営も行なっている会社です。
干し芋は平切り、角切り、丸干しに加えて、さつまいもをカットした際に出る端の「せっこう」を取り扱っています。干し芋の専門店でも、せっこうを取り扱っている会社は少ないため、干し芋マニアの方にはぜひ味わって欲しい一品です。

取り扱っているさつまいもの品種は以下の通りです。
● 金上黄金
● 紅はるか
● シルクスイート
● いずみ
● ほしあかね

定番のいずみや紅はるかから、安納芋を品種改良した金上黄金(かねあげこがね)といった珍しい品種も扱っています。

干し芋カフェでは、干し芋を使ったさまざまなスイーツを展開しています。
干し芋プリン、干し芋トースト、丸干し芋を包んだパイなどを中心に、干し芋入りガトーショコラや、干し芋いちごババロアなどの季節にあわせたスイーツも販売。ほしいもの百貨のカフェに行けば、干し芋の濃厚な味わいを堪能できるスイーツと出会えますよ。
スイーツのほか、店内では干し芋柄のハンドタオルや、がま口などの雑貨も販売しており、干し芋マニアにはたまらない空間となっています。

HOSHIIMONO 100 Café(ホシイモノヒャッカフェ)【境町本店】
住所:茨城県猿島郡境町1459-1
電話:0280-33-3118
営業時間:10:00~18:00(LO:17:00)
定休日:火曜日

HOSHIIMONO 100 Café(ホシイモノヒャッカフェ)【北千住マルイ店】
住所:東京都足立区千住3-92北千住マルイ1階
電話:03-3870-3588
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし

塚田商店

塚田商店は、茨城県内の契約農家から仕入れた紅はるかのみを使用して干し芋を作っています。
品質にこだわっており、状態によって以下のようなランク付けが行なわれています。

  • 特選品:形、色、味のすべてが整っており、贈答にもおすすめのアイテム
  • 標準:味は特選品と変わりませんが、形や色が少し劣るもの
  • B級:甘みがあっておいしいものの、黒っぽく見た目が悪いもの
  • シロタ:水分が少なく歯ごたえがある

干し芋のほかにも、塚田商店ではスイーツを製造しています。紅はるかの焼き芋ペーストにクリームチーズをあわせたチーズケーキに、干し芋をトッピングした「チーズテリーヌ」は、干し芋のおいしさをぎゅっと詰め込んだ一品です。

塚田商店 ※販売はオンラインのみ
https://t-shoten.jp/
住所:茨城県筑西市野殿1144-1
電話:0296-48-7670
受付時間:平日10:00~16:00

Instagram:https://www.instagram.com/hoshiimo_tsukada/

Amaimo


「Amaimo」の干し芋は土づくりからこだわっており、さつまいもの栽培に化学肥料は使っていません。植物を肥料として土に混ぜて使用しており、海沿いにある畑は海水のミネラルも含んでいます。
豊かな土地で育ったさつまいもから作られた干し芋は絶品です。
オンラインショップがあるため、全国どこからでもAmaimoの干し芋を購入できる一方で、数に限りがあるため、さつまいもの旬を過ぎた春ごろには売り切れてしまうこともあります。

タイプは平干し、丸干し、切り落としで、取り扱っている品種は以下の通りです。

  • 紅はるか
  • いずみ
  • シルクスイート
  • 兼六
  • ほしキラリ
  • ほしこがね

Amaimoは店舗がないため、干し芋はオンラインショップのみでの販売となっています。

まるととづか


「まるととづか」は、自社の農園で魚粕(ぎょかす)を混ぜたオリジナルの肥料を使い、さつまいもを栽培し、干し芋を製造しています。収穫した後、再び土に埋めてキュアリングと呼ばれる処理を施し、収穫時についたキズの回復や糖化の促進を行ないます。キュアリングをしたさつまいもは、収穫直後に比べて甘さが強くなるため、おいしい干し芋の製造にキュアリング処理は欠かせない工程です。

干し芋は平切り、角切り、丸干しのほか、輪切りタイプもあります。取り扱っている品種は以下の通りです。

  • いずみ
  • 安納芋
  • 紅はるか
  • 人参芋

まるととづかでは、通常の干し芋のほか、チョコや抹茶、きなこ味といった、味付き干し芋の開発にも取り組んでおり、干し芋好きなら一度は訪れたいお店です。

まるととづか
住所:静岡県牧之原市白井1889-4
電話:0548-54-1570
営業時間:月~金・祝日9:00~17:00 土9:00~15:00
定休日:日曜日

【プロのコツも紹介】おいしい干し芋の作り方

干し芋は、さつまいもを蒸して皮を剥き、乾燥させるというシンプルな工程で作られます。特別な道具がなくても作れるため、家庭でも気軽に楽しめる保存食のひとつです。甘みが凝縮され、しっとりとした食感や噛むほどに広がる自然な風味が魅力です。ここでは、干し芋農家が実践する製法を参考にしながら、自宅でも美味しく仕上げるためのポイントを詳しく紹介します。

1. さつまいもを蒸す

干し芋の作り方-さつまいもを蒸す

火の通りを均一にするため、さつまいもはできるだけ大きさを揃えて用意すると仕上がりが均一になります。サイズがバラバラだと、加熱にムラが出て一部が硬いまま残ったり、逆に柔らかくなりすぎたりすることがあるため、形や太さが似たものを選ぶのがポイントです。

準備が整ったら、表面についた土をしっかり洗い流します。泥が残っていると蒸した後に取り除くのが難しくなるため、たわしやスポンジを使って丁寧に洗いましょう。きれいになったら蒸し器に並べ、火にかけます。蒸し時間はさつまいもの大きさによって変わりますが、一般的なサイズなら60分前後が目安です。蒸し上がりの確認は、竹串を刺して判断します。軽く押し込んでみて、スッと抵抗なく奥まで通れば中まで火が入っています。まだ硬さを感じる場合は、追加で加熱しながら様子を見ましょう。しっかり蒸し上げることで、甘みが引き出され、干し芋作りに適した状態になります。

2. 皮を処理する

干し芋の作り方-さつまいもの皮を剥く

皮を処理する際には、仕上がりの食感を良くするために2つのポイントを意識しましょう。

1. 端を大きめにカットする

さつまいもの両端には繊維が集中していることが多く、そのまま残しておくと仕上がりが硬くなり、口当たりが悪くなります。特に、根元の部分は繊維が多く、筋っぽさが強いため、思い切って多めにカットするのが理想的です。均一に乾燥させるためにも、形を揃えて切り落としましょう。

2. 皮を厚めに剥く

さつまいもの皮のすぐ下にも筋の多い部分があり、薄く剥いただけでは繊維が残ってしまうことがあります。特に大きめのさつまいもほど皮の内側に硬い部分があるため、包丁やピーラーを使って厚めに剥くのがポイントです。しっかりと皮を取り除くことで、干し芋の口当たりがなめらかになり、甘みも均等に引き出されます。

下処理の段階で繊維をしっかり取り除いておくことで、食感の良い干し芋に仕上がり、噛んだ時に口の中にスジが残る心配もなくなります。丁寧な皮むきが、美味しい干し芋作りの大切な工程のひとつです。

3. スライスして乾燥させる

干し芋の作り方-さつまいもをスライスして乾燥させる

さつまいもの皮を剥いたら、均一な厚さにスライスする作業に移ります。専用のスライサーを使い、ピアノ線で切るようにスライスすると、厚さが揃い、乾燥しやすくなります。スライスしたさつまいもは、風通しの良い網やバットの上に間隔を空けて並べ、重ならないように配置することが大切です。

乾燥方法にはいくつかの選択肢があり、天日干しの場合は約1週間ほどが目安となります。晴れの日が続くタイミングを選び、直射日光が当たりすぎない場所でじっくり乾燥させると、甘みが凝縮されます。乾燥機を使用する場合は、温度を19~20℃程度に設定し、18時間ほどかけて乾燥させると、均一に仕上がりやすくなります。家庭で干し芋を作る際は、干し網を使ってベランダや屋外で天日干しをする方法が一般的です。日中はしっかり風に当て、夜間は湿気を防ぐために室内に取り込むと良い状態を保ちやすくなります。オーブンを活用して低温でじっくり乾燥させる方法や、フードドライヤーを使う方法もあり、それぞれ仕上がりに特徴があります。特にフードドライヤーを使うと、温度や時間を調整しやすく、安定した品質の干し芋が作りやすくなるため、初心者でも扱いやすい乾燥方法のひとつです。

まとめ

干し芋専門店の干し芋イメージ

干し芋専門店では、厳選されたさつまいもを使用し、昔ながらの天日干しや独自の乾燥技術を活かした製法で、風味豊かな干し芋を作っています。平切りや丸干しなど種類が豊富で、品種によって甘みや食感が異なり、それぞれの個性を楽しめるのが魅力です。専門店のこだわりが詰まった干し芋は、ギフトとしても人気があり、オンラインで購入できる店舗も多くあります。また、自宅で干し芋を作る方法も意外と簡単です。さつまいもを均一に蒸し、適切な厚さにスライスして乾燥させることで、甘みが凝縮された仕上がりになります。天日干しやフードドライヤーを活用しながら、好みに合わせた乾燥具合を見極めることが美味しさのポイントです。さつまいもの選び方や下処理を工夫することで、より滑らかな食感に仕上がります。干し芋の専門店を訪れてお気に入りを見つけるのも楽しいですが、手作りならではの風味や食感を楽しむのもおすすめです。干し芋は、栄養価が高く、自然な甘みが魅力ですので自宅でも是非!作ってみてください!ギフトで贈るなら専門店がおすすめです!