私が五島へ移住したきっかけは夫の一言から始まります。「娘も大きくなったし、俺がよく遊びに行っていた五島へ旅行へ行かない?」んん…?五島とは…?聞きなれないワードが出てきて私はスマホを軽快に操作、五島とはなんたるかを漠然と把握した。「海がきれいな所でお刺身が美味しいと。そうね、行こうかな」旅行なんて久しく行ってないし、夫が久しぶりに行ってみたいと行ったのだから、私は二つ返事で旅行を決めた。
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五島に到着
春が、まもなく終わりを迎える五月、私たちは、くだんの島へ来た。天気は快晴、広大な海に囲まれた島は反射光の影響なのか、私には輝いて見えた。
「お父さんが迎えに来てるはずやけん、探そうか」
夫がそういったものの、私は記憶を駆け巡らせて「お父さん」の人物像を思い描く。私から見ればお義父さんだけど、実のところ1度しかお会いしたことがない。ここ、五島は、前述のとおり海に囲まれた島々になっているため、交通手段が船か飛行機しかないのだ。お父さんは、毎年1回程度しか島を離れないため、なかなかお会いする機会もなく、最後にお会いしたのは2年ほど前の事。朧げになりつつある顔だちを思い出しつつ、私もお義父さんを福江島で探した。
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何事もなく再会を果たしたお義父さんと私たちは、挨拶がてらファミレスのジョイフルで昼食をすることに。ド田舎だと聞いていたからジョイフルやコンビニが普通に存在したのは驚きだ。私がイメージしていたド田舎とは少し違った。昼食が終わってからは市内観光。そこからは驚きの連続だった。
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景色、空気、夕食のお刺身、どれも新鮮な体験でとても居心地が良かった。なかでも私が印象的だと思えた場所は、高浜と頓泊海水浴場を一望できる高台。ここは是が非でも訪れてほしいおススメスポット。晴れの日かつ澄んだ空の状態で訪れれば、日本三大絶景にも選ばれるのではないかと思えるほどにエメラルドグリーンの海が姿を現す。
「初めて景色を見て綺麗だと思えたかも」
私がボソッとつぶやいたのは、夫には聞こえてなかっただろうね。観光旅行を終えた私たち、夫はおもむろに衝撃の一言を放った。
「五島に引っ越すのもありかもしれんね」
ン?引っ越し?さすがの私でも目を丸くしていた自信はある。生活水準のレベルは下がるかもしれないけど、安くて美味しいお刺身を好きなだけ食べたり、安い家賃で長期的に過ごしてみればお金も貯まるのではないかと考えていたようだ。
ふむ、一理あるかなと私も思案する。お世辞にも今の生活は良いとは思っていなかった。入ってくるお金に対して出ていくお金が多かったりした月もあり、子供のための貯金も、上手く出来ていなかった。しかし仕事は…?果たしてあの小さな島国に仕事と呼べるものはあるのだろうか?お刺身は安いかもしれないけど、生活していく上ではほかにもっと見るべきポイントがあるのでは?と色々考えたうえで、1回移住の話は保留になったのだった。
引っ越ししようか、という話から2年が経過。変わらずその土地で過ごしている私たちは、いよいよ決断することになる。
「やっぱり引っ越しをしよう、五島に!」
保留にしていた話が再び戻ってきたのだ。夫の言い分も理解できる。あの話から2年が経過し、結局、生活水準は変わらず、貯金も一向に、できないような生活をしていたためだ。
「確かにこのままだと不安だけどね、そんなに簡単に決めていいのかな?五島以外にも選択肢はいっぱいあるじゃない!」と私。
「確かにそうやけどさ、今の状況を変えたいなら飛び込む勇気も必要だと思うよ。今の環境がもっと良くなるのは間違いないわけだしさ」
五島にはお義父さんもいる。娘の面倒を見て可愛がってくれる人もたくさんいる。今の環境では考えられないくらい恵まれているのも分かる。けれど踏ん切りがつかないのは…五島の全容を知ってるわけじゃないからだ。住んでみて初めて気づくことだってあるはずだから。それが私には怖かった。
結局…私は夫に流されるような形で引っ越しを決断した…というのは建前で、私も色々考えたうえで決意したのだ。
誰のせいでもない、自分で決めたコト。
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五島に来てから見えていない部分が色々と見えてきた
まずは住居の問題。なかなか空き家が見つからなかった。お義父さんのお母さん、夫から見たらおばあちゃんの家に居候させて貰う間に家を決めようとしたのだけれど、住める状態の家というのはなかなか見つからなかった。
次にガソリンが高い。これは本土と比較しても20~30円ほど高いのだ。島は狭いかもしれないけど、綺麗な場所は総じて遠いところにあるもの。毎週行っていた五島巡りも、ガソリンのことを考慮したりして、回数が減っていってしまった。そして「夜間の街灯、防犯カメラがとても少ない」。そもそも夜間に出歩くこともないのだけれど、何かあったときに警察は捜査とかできるのだろうか?子ども目線での考えが足りなかった部分は猛省だった。こういう所に税金使って!
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「やはり仕事が少なかった」有資格者とかは別だろうけど私は何も持っていない。仕事を探すも、最低賃金だらけの仕事が多く意欲がわかなかった。でもそんなことは言っていられない。働かなければここへ来た意味もないのだから。「交通マナーが悪い、違反車両が多い」急ブレーキ、信号無視、一時停止無視、ながら運転、ふらふら運転などはこの一年で何度も目撃している。ブレーキランプは両方消灯、片方消灯は日常茶飯事的なレベルでよく見る。もはや警察が機能していない?仕事していない?レベルで違反車両が放置されている。ここは正直命に関わる部分が多いから改善してほしいなと思います。「虫がとてつもなく多い」黒光りのあいつも、それを捕食するアシダカグモ(軍曹ともよばれているらしい)も多い。割合的には1:9で見るかな?私のこぶし並みの軍曹が上から落ちてきたときはさすがに心臓が止まるかと思った…。害虫駆除してくれるから益虫なのは理解できるけど、さすがに多すぎても怖いかな…。
最後に「子供の遊ぶ場所が少ない」これは正直予想外だった。五島は楽しいところってイメージが強かったし、公園もいっぱいあるし、夏は海や山でも遊べる。じゃあ雨が降ったら?冬は?雨が降ったら現状家で引き籠るか、シティ―モールのゲームセンターで遊ばせるくらいしかありません。
昔はボーリング場や映画館もあったみたいですが、どうやらどんどん無くなっているみたいです。テーマパークなどもありません。、また夏休みに楽しさを全振りしている分、冬は何をすればいいか分からなかった。景色が綺麗な所は海風でさらに極寒だし、遊具は冷たくなって娘は遊びたがらない。コロナ禍でカラオケという雰囲気でもない。何もないのだ。
悪いところばかりを書き連ねてしまいましたが、良かったなと思える部分も多々あります。
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引っ越して良かったと思えた部分
- 外出して遊ぶ機会が減った分、貯金できるようになり、無駄使いも減りました。
- 娘と接する時間が増えた。勉強を教える時間も確保できた。
- たまに行く長崎旅行がとても楽しく思える。抑圧されたストレスはここで吹き飛ばす!
- お刺身が美味しいのは本当。お寿司屋さんで出てくるレベルのお刺身がスーパーに。
- お義父さんのサポートがある。困ったことがあったら助けて貰えたりした。
総合的な判断としては、引っ越してきて良かったのかなと考えてます。ただ交通マナーや違反者はしっかり対応して欲しいです。
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アグリ・コーポレーションでは、現在、事業拡大につき新しい仲間を探しています。地元(長崎県五島市)の方をはじめ、地元以外の移住者、移住を検討されてる方、未経験者、大歓迎です。募集職種、ご応募時の問い合わせFAQ等、詳しくは専用ページにて掲載しています。お問い合わせや質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。