就職で東京から五島・福江島へやってきた!入社2年目のカネゴンこと金子君に東京と福江島との違い、仕事のこと、会社のこと、全て聞いてみた!急成長する農業ベンチャーは彼の目にはどう映ってる?

漫画「ばらかもん」で長崎県五島市(福江島)。五島列島に興味を持ち、将来は五島へ行きたい!五島で仕事をしたい!と密かに想い、それを実現させたカネゴンこと金子君は、東京出身。まだ19歳(今年20歳)の若々しい彼に率直に東京と五島の違い。就職、移住について聞いてみた。漫画「ばらかもん」のように東京出身の若者(漫画では書道家)が五島列島(福江島)へやってきて福江島の人々との交流を描いているまさに漫画のとおりの状況なのだ。

福江島へ来る前と来た後ではイメージ違った?

東京にいる時と比べ、生活が変わりました。東京では、交通で困ることがほとんどなかったのですが、入社して6月(入社は4月)までは車がありませんでした。移動は、自転車か?バスでしたので…

例えば、朝、家を自転車で出て、シティーモールという場所へ行くのですが、到着するのが昼くらいに。帰りも同じ時間をかけて戻るのですけど、きつかったですね(笑)。バスも東京のバスとは異なり、移動距離によって料金が上がっていくので…。

東京のバスは200円ちょっとで料金変わらずで移動ができるので(バスで移動すると片道約1,000円程度)。そういうこともあり、食品の買い物は、家の近所の三井楽で済ますことが多かったです。コンビニも東京では徒歩圏内に数店舗ある感じですが、福江島の場合、自宅からコンビニ(ローソンポプラ)まで車で15分くらい。近所のスーパーは20時で閉店してしまうので仕事が遅くなった時は、コンビニへ行っていました。居酒屋やレストラン(ファミリーレストラン)も多くは無いので、大抵は自炊しています。

でも、そういう苦労以上に得られるものが大きくて。今まで自分が見たことがない景色が日常的に見えること。それがすぐそこにあるわけなのです。自然がたっぷりという言葉は、五島を表すときによく使われる言葉ですが、その言葉以上の景色が目の前に現れて来る。

そして、わざわざ出かけるという感じではない普通に車に乗っていたりして、見ることがすごく良いです。例えば、田植え前に水を張っている田んぼに景色が反射して移ったりするのが物凄く美しかったりします。それと街灯があまり無いので想像以上に星空がキレイです。

天の川もはっきりと見えたりします。東京にいた頃は、興味があった天体観測でしたが、ご存じのように東京では星空、夜空を眺めることがなかったし、東京に住んでいると星空を見ることがなかなかできないので東京ではいかせない趣味だったかもしれません。

それが五島では普通に夜空…満天の星空が見えるので。それと、交通渋滞がほぼ無いというのは車通勤していたり、どこかへ外出してもストレスが無いです。

仕事についてはどうですか?

農業高校を卒業してアグリ・コーポレーションへ入社しましたが、農業高校で学んだ知識が、あまり役にたたなかったというのがあります。農業高校では、広く浅く野菜や果樹の栽培や知識を学ぶのですが、学んだことがあまり生かせなかったかもしれません。現場と学びは全く違うということをアグリ・コーポレーションへ入社してよくわかりました。東京にいると新社会人は、研修等で過ごすことが多いかと思いますが、いきなり現場に入り、先輩や上司といった上長の指示を受けて色々とやっていくのですが、先にも話しましたが学んだ知識があまり役にたたなかったというもどかしさがあったりと…でも自分は、もともと決められた事、決められたものをトライ&エラーを繰り返し、作り上げていくのが好きなので職場、仕事環境は合っていてやりがいは沢山あります。

入社して2年目だけど成長できましたか?

1年で何が成長できた?か?と言えば全部です。仕事に対しての姿勢は、1年前に福江島へ来た時とは断然違うと思います。作業ということで言えば、東京にいる時は、ほぼ乗ることがなかった軽トラックの運転なのですが、こちら、最初は、おぼつかない感じで自分でも大丈夫かな?という感じでしたが、今では全く問題なく運転も出来ますし(笑)軽トラに乗れるって小さいことですが…。今、楽しいです。今後は、自分ができること、やらせてもらえることは、自分のできる範囲で全てやりたいと思っています。1年前に福江島へ来たときとは、そういうことは考えもしなかったので(笑)

時折、笑顔を見せながら約1時間。東京へいた頃の話。五島(福江島)へ来たときの話。そして、東京と五島の違い。アグリ・コーポレーションでの仕事についてを聞いてみた。

取材をしてみて

私が金子君に最初にあったのは昨年2022年9月。アグリ・コーポレーションの佐藤社長に会いに来た時だったように記憶している。金子君にしてみれば入社して半年が経った頃だったのではないだろうか?その頃、会話したことは覚えてないが、挨拶も恥ずかしそうに挨拶するという感じだったと思う。しかし、その半年後にここまでちゃんと話が出来て、自分の思っていること、感じていることを包み隠さず話ができるという成長ぶりに驚いたのだ。東京で、新入社員が入ってくると大手企業では研修という感じで色々な部署を回ったり(新型コロナウィルス感染症で少し変わったかもしれないが)して半年なんてあっ!という間に過ぎ去ってしまう。また、ベンチャー企業に入社すれば、いきなり現場もあるかもしれないが、会社のイズムや雰囲気に慣れない、ちょっと違う?ということから離職をしてしまう時期がこの半年なのかもしれない。

私がまず金子君と話して思ったのは別人ではないか?と感じるくらいになっていた事。たった1年でここまで変わるのか?と思えるくらいなのだ。慣れ親しんだ東京から五島へ。きっかけは漫画だったのかもしれないが、今ではすっかり有機農業の魅力、会社の魅力を自分目線で語れるまでになっている。農業高校で学んだことが、あまり役にたたなかった。現場と学びは違うと笑いながら話していた金子君だが、学んだことが現場では通じないというのは、彼自身、かなりショックだったのではないかと思う。その現場では通じないというギャップから現場では、諸先輩、上司からかなりもまれた事で、大きく成長したのではないか?と思う。2年目の社会人生活。大変そうだが頑張れそうでなんとも楽しそうな感じだった。五島で農業。これは人間を大きく成長させるものなのかもしれない。