お砂糖要らずでも甘くて美味しいさつまいも。焼き芋やふかし芋をはじめ芋団子や干し芋にしたりと、古くからおやつとしても愛されてきました。その優しい甘さと味わいは洋菓子の本場であるフランスの料理やお菓子に使っても美味しくいただけます。今回は、さつまいもを使ったダイエットレシピ・フレンチ編をお届けします。
フランスのさつまいも事情
冒頭からさつまいもはフレンチにも合うというお話をしましたが、実は本場ではさつまいもはそこまで普及していません。それではさっきの話は嘘だったのか！と怒られそうですが、そんなことはなく、日本のさつまいもを使って作った場合の話です。そもそもフランスを含むヨーロッパでは全体的にさつまいもは普及していません。これだけ美味しいさつまいもが美食の地で流行らない理由には気候とさつまいもの性質が関係していると考えられます。
さつまいもは温暖な気候を好みますが、ヨーロッパは気温が低いのでさつまいもの育つ環境にあまり適していません。さつまいもの産地の世界ランキング上位はアフリカ諸国が占めていることを考えると納得いくのではないでしょうか。対するじゃがいもは、逆に寒い気候でも育ちやすい性質からヨーロッパでもよく食されています。寒いというイメージのあるロシアの料理にもよくじゃがいもが使われていたり、欧風カレーにもじゃがいもが添えられていますよね。そんな風景を見る度に、さつまいもを知っていたら、シェフたちのレシピのレパートリーもきっと変わるのだろうなと思いますが、手に入らないものは仕方ないですね。
フランスのさつまいもはにんじんの味？
フランス人はさつまいもを知らないのか？といえばそんなことはなく、フランス語では「Patate douce」と言われており、フランスのスーパーでも売られてはいます。ひとまず存在があって良かった！しかし、外側の見た目こそ似ているものの、味も食感も日本のさつまいもと大違いだそう。じゃがいもに比べて甘みはありますが、さつまいもの甘みではなく、例えていうのであればにんじんのような甘みだそうです。
切ったときの色も、オレンジ色で人参に近い色をしています。ヨーロッパだけでなく、アメリカのさつまいももPatate douceが多く出回っているようなので、欧米の人にとってはさつまいもといえばじんじん風味の味わいなのでしょう。このPatate douceもフランスで収穫されたものは殆ど存在せず、インドなど他国からの輸入品だそうです。輸入するのであれば、日本のさつまいもにしてくれたら良いのに何故この品種なのでしょうか・・・。オランダはさつまいもの本拠地の長崎と昔から貿易をしていたはずなのになぁと勝手ながら少し残念に思いますが、さつまいも好きの皆様にはこの気持ち、分かっていただけますでしょうか。
ダイエットフレンチのポイント
フランス料理は料理にしてもお菓子にしてもバターを多く使う傾向があります。同様に生クリームもよく使用されますが、両方とも高カロリー、高脂質のため、いかに使用量を抑えるかが鍵となります。バターや生クリームは滑らかな触感や濃厚な風味をもたらしますが、これらの働きを代用出来るのがさつまいもです。さつまいもを柔らかく加熱してペースト状にすると、料理に滑らかさや濃厚さを与えることができます。グラタンのソースにしたり、カスタードクリームに混ぜたりすると、甘みも栄養価もプラスされ、カロリー、脂質のダウンに繋がります。今回は一例としてさつまいもの中でも甘みが引き出された焼き芋を使ったクレームブリュレのレシピをお届けします。
焼き芋のクレームブリュレ
＜材料・２人分＞
- 焼き芋(皮無し)・・・60g
- 卵黄・・・1個
- 牛乳・・・100ml
- グラニュー糖・・・20g
- 水・・・40m
＜作り方＞
- 焼き芋をゴムベラなどで滑らかに潰し、卵黄を少しずつ加えて馴染ませる。
- 沸騰直前まで温めた牛乳を１に少しずつ加え、均一になるように混ぜる。
- 2をココットに入れて、蒸し器で１０分程度蒸す。蒸し器が無い場合はフライパンにココットの1/3程度の高さに水を入れて沸騰させ、ココットを直接入れて蓋をして１０分程度蒸す。
- 鍋にグラニュー糖と水20mlを入れて中火にかける。色がカラメル色になってきたら残りの水を加えて、色が均一になるように鍋をゆする。これをクッキングシートにココットの直径と同じ大きさの円形に出す。
- 3の粗熱がとれたら、固まった4を上に乗せる。
焼き芋であれば裏ごしもお砂糖も要らずとっても簡単に作ることが出来ます！焼き芋が手に入りやすい旬の今こそ是非お試し下さい。
