焼き芋は日本だけ?焼き芋は海外でも食べられているの?海外で焼き芋を買うとお値段は?海外のさつまいもブームには新型コロナウィルス感染症の影響があった!

秋から冬にかけては、よりいっそうおいしくいただける「焼き芋」。燃やした落ち葉の中に入れたり、トースターで焼いたりと、作り方も様々な焼き芋は、なんとなく日本の食べ物というイメージがあるかもしれません。果たして、焼き芋は海外でも食べられているのでしょうか?食べられているとしたら、一体どのような方法で食べられているのでしょう。今回はそんな焼き芋と海外の関係について、詳しくご紹介していきます。

実はさつまいもの食糧生産量の1位は海外!

「さつまいも=日本」というイメージが強いかもしれませんが、実はさつまいもの食糧生産量の1位は、日本ではありません。日本はなんと17位となっており、1〜3位は以下のようになっています。

さつまいもの食糧生産量
1位:中国 56.5%
2位:マラウイ共和国 6.4%
3位:ナイジェリア 4.5%

上記を見てわかるとおり1位は中国であり、なんと全体の5割以上の生産量を占めています。この数値には家庭菜園分は含まれておりません。さつまいもをはじめとするいも類は自家消費されることも多いため、実際の生産量・消費量は上記の数字よりも多いかもしれませんね。

焼き芋は海外でも愛されている!食べ方は様々

先ほどの数字を見ると、海外でもさつまいもが食べられている、ということがわかるでしょう。さつまいもを食べるということは、当然、皮ごと焼いた「焼き芋」も食べられているのです。実は焼き芋は、世界でも愛される食べ物だった、ということですね。近年の日本では、ねっとり系やしっとり系、ほくほく系などさまざまな種類の焼き芋があり、中身の色も数種類あります。海外では国ごとに好まれる品種が異なっておりますが、おそらく食の好みが関係しているのでしょう。

たとえばアメリカでは、オレンジ系の水分が多いさつまいもが人気です。焼き芋にすると外の皮はパリパリ、中はトロトロ食感が味わえます。なんと、栽培面積の95%以上がオレンジ系のさつまいもだそうですから、アメリカの人々にとっては、「焼き芋(さつまいも)=オレンジ色」ということになるでしょう。

台湾ではアメリカと違い、様々な色のさつまいもが好まれています。王道の黄色やオレンジ色以外に紫色もあり、最も人気なのは、もっちりとした食感の黄色系のさつまいもだそうです。日本では、秋から冬にかけて焼き芋の販売量が増えますが、台湾ではほぼ一年中、焼き芋や蒸し芋が売られています。中にはベトナムのように、焼き芋ではなく、さつまいもの葉を好む国もあるのです。韓国でもさつまいもの葉を使用したキムチがありますから、食べ方は国ごとに異なることがおわかりいただけたでしょう。

日本の焼き芋は海外にニーズがある!2020年度は530トンを出荷

現地で焼き芋を楽しむ国だけでなく、近年は日本の焼き芋を「食べたい!」と言う海外の国が増えてきたのです。中でも需要が高いのは東南アジア。JAによると、2020年度は530トンのさつまいもを出荷しており、今後も倍増する見込みだそうです。もちろん、さつまいもを送るだけでは、日本の焼き芋を再現できません。そこでJAは、現地で日本の焼き芋を楽しめるよう、「焼き芋マニュアル」も用意しているのだそうです。さらには、おいしい焼き芋ができる機械の輸出も行っているということですから、今後は、ますます海外で焼き芋が愛されていくことは間違いないでしょう。

海外の焼き芋の値段はいくらぐらい?

海外のスーパーにも、焼き芋を焼く機械が設置されており、アツアツの状態で購入できるようになっています。そこで気になるのが、「いくらで販売されているのか」かもしれません。日本では、安いと焼き芋1本あたり150円程度の値段で購入できますが、タイのスーパーでは、なんと2本で日本円にして1,000円程度の値段で販売されていました。1本あたり500円ですから、食べ物の中では高級品です。しかも常夏の国タイとなると、「熱いし、高くては買わないのでは?」と思うかもしれませんが、次々と買い物客が手にし、購入しているそう。日本産のさつまいもは高品質で甘く、ねっとりとした食感が人気のため、値段が高くても購入されるのです。このことからも、焼き芋は日本のみならず、海外でも愛されていることがおわかりいただけたでしょう。

海外の焼き芋ブームは新型コロナウィルス感染症の影響もあった!

現在も猛威を振るっている新型の感染症の影響も、海外での焼き芋ブームに影響を与えています。感染症が流行する前は、旅行で日本を訪れれば、いつでも焼き芋を食べられました。しかし、海外旅行が制限されたことにより、気軽に日本の焼き芋を食べられなくなってしまったため、現地で作ったり輸入したりした、高い焼き芋を食べるようになったのです。自分の国で焼き芋が食べられるようになると、今までは日本へ旅行したことがなかった方も、焼き芋を食べるようになります。こうして焼き芋ブームはどんどん拡大されていったのです。このように、日本だけでなく海外でも愛される焼き芋の人気は、今後もおとろえることはないでしょう。