焼き芋ブームの今だから徹底的に選びたい!自分の好みに合わせた焼き芋を選ぶには?焼き芋はねっとり派?ほくほく派?焼き方では変わらない!自分好みの焼き芋を選ぶなら品種を選ぼう!

焼き芋といえば、ほくほくとした食感とやさしい自然の甘みがおいしいもの、というのは昔の話。今ではねっとりとした食感の焼き芋も登場し、アイスクリームのように冷やして食べる焼き芋も、ブームになっています。さて、その違いとはどんなものなのでしょうか。おいしさの理由や、品種の違いについてご紹介します。

手軽に買えるようになった焼き芋、昔とはひと味もふた味も違う?

昔は、トラックの荷台に専用の機械を乗せた移動販売車でさつまいもを焼き、「石焼き芋」として売っていた焼き芋。少し焦げ目の付いた皮はパリパリと香ばしく、ポキンと折れば、ほくほくの黄色くて甘い実が楽しめることから、昔は人気のおやつのひとつでした。独特の節が付いた「石焼き芋~」という呼び声が聞こえてくると、あちこちの住まいから焼き芋を買いに出てくる人がいたのも、今は昔の話です。今ではスーパーマーケットの店先で売られ、その香りでお客さんを誘ったり、八百屋さんの店先で売っていたり、中には焼き方に工夫のある小さな専門店も登場して、いろいろなところで手軽に購入できるようになりました。焼き芋は、移動販売車から一般のお店で買えるようになっただけでなく、近年ではさらに大きな変化が出ているのをご存知でしょうか。焼き芋はほくほくしたもの、というのは昔の話。今では、ねっとりした食感がおいしい焼き芋がポピュラーになっているのです。しかもそのねっとり食感の焼き芋は、冷やして食べるとおいしいといった声も。昔とは、ひと味もふた味も違った焼き芋が楽しめるようになったというわけです。

あなたの好みの焼き芋はねっとり系?それともほくほく系?

そんなバラエティ豊かな焼き芋にハマってしまうと、どんな品種のものを焼き芋にするとどうなるのか、気になるようになります。しかし、さつまいもの品種はとても多いのです。登録された品種だけでも60種類ほどあるので、それをすべて食べるのはそう簡単なことではありません。それなら食べる前に、その品種がどんな味わいの焼き芋になるのか、知っておきたいものですよね。実際、焼き芋の食感は、品種によって「ねっとり系」と「ほくほく系」に分かれ、さらに甘さがあっさりしたものと濃厚なものに分かれます。

ほくほく系の焼き芋が好きな人は、王道の鳴門金時や紅あずまを

おいしいさつまいもとして、とてもポピュラーな鳴門金時や紅あずま、西日本なら高系14号という品種は、昔ながらのほくほく系の中でも、甘みの強いタイプの品種になります。甘みが強いものになると、まるで芋ようかんを食べているような、濃厚な甘みを楽しむことが出来ます。昔は、焼き芋といえばこのほくほく系が一般的でした。栗などと近い、でんぷん質が多く身が詰まった感じのおいしさは、昔も今もさつまいもの王道といえ、多くの人たちに好まれています。

ねっとり系の焼き芋といえば、安納芋や紅はるかが人気

焼き芋が、昔はほくほく系のみだったのにはちゃんと理由があります。昔はねっとり系のさつまいもは「水芋」と呼ばれ、水分が多く好まれなかったのだそうです。貯蔵性も考えると、水分の多いさつまいもは、冬の間ずっと楽しむのには向いていなかったともいえるでしょう。ですが、甘みが濃厚なことで知られ、「蜜芋」の別名を持つ安納芋が、その常識を覆したのです。
安納芋はねっとりとした食感で、とても濃厚な甘みがあり、焼き芋にすると蜜が出てくるほど糖度が高いのが特徴です。それに続けとばかりに、ねっとり系のさつまいもの品種が現れ、人気を博すようになっていきました。特に、紅はるかやシルクスイートといったさつまいもは、安納芋とはまた違った甘みや香りを持ち、「焼いてから冷やして食べる」という、これまでになかった焼き芋の食べ方を一般的にした立役者にもなりました。まるでスイートポテトのような舌触りの焼き芋は、焼きたてアツアツにアイスクリームを添えて食べてもおいしく、洋菓子のような感覚で食べることが出来ます。

あっさりした甘みの焼き芋が好みの人は、紫芋系がおすすめ

中には甘いものがあまり得意ではなくて、焼き芋のあっさりした甘みが好みという方もいるかもしれません。そうした人におすすめなのが、種子島紫や、アヤムラサキといった紫芋系の品種です。比較的さらりとした甘みであっさりしており、くどくないので食べやすいといえます。もちろん、紫芋系にもねっとり系とほくほく系があり、ねっとり系で甘さあっさりのものが食べたかったらムラサキホマレ、ほくほく系なら種子島紫やパープルスイートロードなどがおすすめです。

ポピュラーなものから珍しいものまで、さまざまな品種のあるさつまいもですが、焼き芋にしたときどんな食感かを考えながら購入して、おうちで焼きたてを食べるのも楽しいものです。
ぜひ好みの品種を見つけて、焼き芋を楽しんでみてくださいね。