秋と言えば、さつまいもの美味しい季節です。一言でさつまいもと言っても、いろんな種類がありますが、その中でも「シルクスイート」や「紅はるか」と並んで大人気なのが、「安納芋(あんのういも)」です。今や安納芋は、さつまいもの代名詞と言っても過言ではないほど愛されていますね。この記事では、安納芋の特徴とおいしい食べ方、おすすめレシピをご紹介していきます。ぜひ参考に、おいしいさつまいもの季節を堪能してください。
安納芋の特徴と選び方
安納芋は、種子島の安納地域で栽培が始まったことから、安納芋と呼ばれるようになりました。第二次世界大戦後に、スマトラ島北部のセルタンという地域から帰還した兵士が持ちかえった芋が、起源と言われています。当時から、日本で栽培されていたサツマイモとは比べ物にならないほど甘かったそうですが、種子島のミネラル豊富な土壌と気候によって、さらに甘くて濃厚な現在の安納芋になりました。
特徴
安納芋は、ころんとした丸みのある形が特徴のサツマイモです。甘味が強く、生の状態でも糖度はおよそ16度もあります。時間をかけて焼くことで、糖度は40度近くになるものもあり、ねっとりとしていて、クリーミーな味わいで非常に人気があります。
旬
安納芋の収穫時期は9月~12月です。収穫後、2~3週間置いてから出荷されるのが一般的です。数日置くことで、でんぷん質が糖に変わるため、甘みが増しおいしい安納芋になります。10月中旬~1月頃にお店に並ぶものが食べごろでしょう。
おいしい安納芋の選び方
おいしい安納芋の選び方の基準は以下を参考にしてみてください。
- ずっしりと重みがある
- 表面にハリがある
- 芋の両端に蜜が出ている
- 凸凹が少ない
大きすぎず、小さすぎない、中くらいのサイズのものを選びましょう。細い芋より丸みのあるものがおすすめです。
保存方法
安納芋の保存は、13~15度が適温です。冷蔵庫での保管はやめましょう。適温より低いと傷み始めるので、新聞紙などに巻いてから13度以上の場所で保存してください。また、長期保存したい場合は、焼いてからラップに包んで、冷凍しておくこともできます。
安納芋の特徴を生かした基本的な食べ方
安納芋の特徴を生かした基本的な食べ方は、「焼く」と「蒸す」です。何も手を加えなくても、シンプルな調理で驚くほどおいしく食べられます。それぞれの食べ方の手順をご紹介しますね。
焼く
- 安納芋をよく洗い、水が付いたままアルミホイルに包む。
- 220度~250度に温めたオーブンで40分以上かけて焼く。(グリルなら弱火で40分程度)
- 焼けたら30分くらいそのまま蒸らす。
工程は少ないですが、低めの温度でじっくり焼くのがコツです。蒸らすことで甘みが全体にいきわたり、よりおいしくいただけます。
蒸す
- 洗って水気を切った安納芋を、蒸し器の上の段に乗せる。
- 蒸し器の湯を沸かし、蓋をして中火で35分程度蒸す。
- 竹串がスッと入れば蒸しあがりです。
蒸し器が無くても、深めのフライパンや鍋に、底が平らな耐熱皿などを逆さに置いて台座を作れば代用できます。
絶対NGな食べ方
レンジでの調理はNGです。急激な加熱は、せっかくの安納芋の甘味や風味を損ないます。安納芋をおいしく食べるポイントは、じっくり時間をかけることです。面倒でも時間をかけた分、出来上がりが段違いですよ。
安納芋を使った簡単おすすめレシピ
ここからは、安納芋を使った簡単に作れるおすすめレシピをご紹介します。
安納芋の羊羹
【材料】
- 安納芋 中1本(約120g)
- 牛乳 大さじ5
- 砂糖 20g
- 粉寒天 2g
【作り方】
- 安納芋を柔らかくなるまで蒸す。(シリコンスチーマーでも可)
- 芋の荒熱が取れたら皮をむき、一口大にカットする。
- 鍋に牛乳、砂糖、粉寒天を入れ1~2分火にかけ煮溶かす。
- 煮溶かしたものと芋を、フードプロセッサーに入れてペースト状にする。
- 水をくぐらせた容器にペーストを入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
安納芋の大学芋
【材料】
- 安納芋 大1本
- 砂糖 大さじ2~3
- いりごま 小さじ1/2
- 揚げ油
【作り方】
- よく洗った安納芋を乱切りにし、10分程度水にさらす。
- フライパンに油、砂糖を振り入れ、水気を切った芋を平らに並べて蓋をし、点火する。
- 中温で加熱し、パチパチという音が激しくなったら火を弱め、約10分加熱する。
- 竹串がスッと入るくらいになったら、砂糖が絡むまで炒る。
- 表面がカリっとしたら皿に盛り、ゴマをふりかける。
炊き込みご飯
【材料】(3人分)
- 安納芋 100g
- 油あげ 1枚
- クコの実 大さじ1~
- 米 2合
- 酒 10㏄
- 薄口しょうゆ 大さじ1/2
- 昆布 5×5cm
【作り方】
- 安納芋はよく洗って、小さめの一口大に切る。油揚げは短冊切りにする。
- 炊飯器にお米を洗って入れ、酒、薄口しょうゆを加えてから、通常の量まで水を入れる。
- 安納芋と油揚げを均等に入れ、昆布を乗せて普通に炊く。
- 炊きあがったラクコの実を加え10分蒸らす。
お味噌汁やてんぷら
特別な料理でなくとも、お味噌汁に入れたりてんぷらにしたり、サラダにしてもおいしく食べられます。ぜひいろんなレシピに挑戦してみてください。
まとめ
安納芋は、さつまいも好きにはたまらない品種のお芋です。これからの季節、お店に並ぶことも増えるので、食べるのが楽しみになりますね。じっくり焼いたり蒸したりするだけで、スイーツのような味わいの安納芋。今回ご紹介した調理法やレシピを参考に、ぜひ安納芋のおいしい季節を楽しんでくださいね。