かんころ餅とは?かんころ餅の美味しい食べ方と簡単な作り方

「かんころ餅」を知っていますか?「かんころ餅」は、長崎県五島列島の特産品として人気の餅菓子です。その優しい甘さと独特のもちもち食感は、一度食べると忘れられない味わいです。しかし、作り方や食べ方に関してはあまり知られていないかもしれません。この記事では、かんころ餅の作り方と美味しい食べ方を詳しく解説します。自宅で簡単に作れる方法や、さらに美味しく味わうためのコツを知ることで、かんころ餅の魅力を最大限に引き出せます。少々、長めの記事ですが最後までお付き合いください。私が最初、かんころ餅を食べた時の感動もお伝えできればと思います。

かんころとは?

かんころ餅-かんころ

関東に住む人間にとって「かんころ」という言葉は、聞きなれない言葉でした。かんころ?どういう意味?さつまいものこと?そんな感じで、最初に「かんころ」と聞いたときに聞き直したくらいでした。ちなみに「かんころ」とは、蒸して乾燥させたさつまいものこと。ん?これは干し芋と同じ?干し芋のことを「かんころ」と言うのです。しかし、私たちよーく知っている(特に関東方面にお住まいの方)干し芋とは、大きく異なります。茨城県という干し芋王国で製造されている干し芋と長崎県五島市(五島列島)で製造されている干し芋は、水分の入り方が異なり、私たちがコンビニやスーパーで目にする干し芋は、半生と言いますが?水分がたっぷりとしていて手で持つとふにゃ~とするような干し芋ですが、長崎県・五島列島の干し芋(かんころ)は、カチンコチンで干し芋どおしで叩くとカンカンと音がするくらい水分が抜けきっているものとなります。昔ながらの干し芋というのが正しいのかもしれません。今回は、この「かんころ」を使用した「かんころ餅」について書いてみたいと思います。一度、食べるとハマる…私がそうでした。価格は少々高めかもしれませんが、この美味しさを知れば納得。この手間を知れば納得。そのような感じになるはずです。

かんころ餅とは?

かんころ餅-イメージ

かんころ餅とは、長崎県・五島列島(もちろん福江島も入ります)の特産品でお土産でも大人気の餅菓子です。五島つばき空港のお土産売り場でも販売していますし、長崎空港でも販売しています。東京で言えば、「日本橋 長崎館」という長崎の食文化、観光情報を発信している長崎県のアンテナショップでも色々な種類のかんころ餅を購入することができます。かんころ餅の主な材料は「さつまいも」と「もち米」。このさつまいもは、蒸して干して乾燥させた「かんころ」と呼ばれるものを使用します。さつまいもの皮を剥いて薄く切り、釜茹でした後に天日に干します。ラボ長に聞いたところ…長崎県・五島列島では、かんころ(干し芋)を作るのは、10月中旬~翌年3月までの期間とのことで、その理由は、北風が強く吹く時期だけなのだそうです。北風により、干したさつまいもの水分を抜いて行かないとダメとも話していました。その事で、長崎・五島列島のかんころはカチカチというのか?カラカラというのか?水分がかなり抜けた状態のものになります。この「かんころ」を餅と一緒に搗いて出来上がったのが「かんころ餅」となります。さつまいもの優しい甘さと香りたっぷりの伝統的なお菓子です。この工程の中で、砂糖や塩を入れて味の調整するものもあります。何種類か食べましたが、砂糖が入ったものは、配合というのか?バランスというのか?この調整の仕方で全く味が異なってしまうのが、シンプルなお菓子の難しいところなのかもしれません。

かんころ餅文化

かんころ餅-包丁を入れる

シンプルな味のなかにさつまいもの際立つ美味しさともちもちとした食感がたまらない「かんころ餅」ですが、この「かんころ餅」は、今では五島列島の伝統的な餅菓子としてお土産にも重宝されていますが、五島列島は祈りの島と言われる背景もここにもあります。長崎本土から弾圧により逃げてきたキリシタンは、当時、さつまいもを主食としていたという記録が残っています。さつまいもは栄養価が高く、もち米と組み合わせることで冬の寒い時期のエネルギー補給を効率的にできました。もともとさつまいもは、冬でもしっかりとした場所や温度で保管しないと腐りやすいため、干して保存食として利用していた背景もあり、貴重で当時高価だったもち米にさつまいも、干したかんころを混ぜることにより量が増やすことができることから生まれたものとも言われています。

かんころ餅の作り方

この五島商店 佐藤の芋屋の記事中でも少し触れていますが、かんころ餅の五島での昔ながらの作り方を説明します。まずは、かんころですが、朝晩が少し冷え込む時期、今は温暖化で少し後ろに倒れてしまいますが11月上旬頃に、かんころ作りの準備に入ります。昔は、実家で作った「かんころ餅」を親戚や地元にいない子供たちに送ることがどの家庭でも行っていたそうで、「かんころ餅」作りは盛んだったようです。さつまいもを薄く切り、窯で茹でて天日干しにします。

かんころ餅-天日で干す

五島列島・福江島は、南国のイメージを持っている人も多いみたいなのですが、冬になると北風が強く、その風は冷たく、先程もラボ長から聞いた話を書いた通り、かんころを干すには最適な場所なのです。天日に干すと水分が抜け、カラカラになったもの(これが保存食として重宝されていた状態)を一度、水に浸して戻します。その戻したものを、もち米を加えて蒸します。上手に蒸しあがったら、餅つき機等で搗いていくと、だんだんと滑らかな形になってきます。

かんころ餅-自宅で作るかんころ餅

それが「かんころ餅」です。この餅つき機等で搗く時に、砂糖や塩を入れて味を調えたりすることもあります。この工程の中で一番難しいのは、かんころ餅に使用するかんころを作る工程です。茹でる時間が足りないと天日に干した後に、色が黒ずんだりして、見た目にも美味しそうには見えない状態…逆に茹ですぎるとさつまいもの甘さや香りが全部お湯に出てしまい、味が極端に薄いものになり、干すときに柔らかすぎて上手に干せなかったりします。すべてが経験によって覚える丁度良いタイミングと時間のようです。因みに、地元(長崎県・五島列島)の人が作る場合は、砂糖多め、水飴も入れて作るそうです。それは、さつまいもは個体差が大きく、甘くないものがあったりするからと懐かしそうにラボ長が話してくれました。今、ラボ長の家でも、かんころ餅は、祖母くらいしか作らなくなっているそうで、どちらかというと購入するほうが多くなったそうです。

かんころ餅に砂糖を入れる理由

かんころ餅-砂糖を入れる理由

かんころ餅に砂糖や塩を入れる理由は味の調整だけではありません。かんころ餅は、さつまいもの甘みと美味しさを味わえる餅菓子です。味の調整のために砂糖や塩を入れて調整することもあります。しかし、砂糖は味の調整だけではなく、もち米で作った餅の柔らかさを維持させ、長持ちさせるためにも使用されます。もともと保存食として根付いた「かんころ餅」製造の知恵なのかもしれません。先程も書いた通り、地元(長崎県・五島列島)の方が作る場合は、砂糖多めとのことです。

かんころ餅の美味しい食べ方

かんころ餅-食べ方

かんころ餅は、さつまいもの自然の甘さと味を感じられるもちもちとした食感が続く餅菓子です。素朴な味わいを楽しむなら、そのまま薄めに包丁でカットして食べるというのが一番、かんころ餅の味わいをダイレクトに感じることができる食べ方です。

かんころ餅-トースターで焼く

ここからは「かんころ餅」の美味しい食べ方を書いて行きたいと思います。私は、最初、かんころ餅の食べ方を詳しく知らず…袋から取り出し、包丁でカットをしてそのまま食べた経緯があります。これはこれで「な~るほどね」となるような感じの美味しさなのですが、かんころ餅は、ひと手間…と言ってもそこまでのひと手間ではありませんが、火を通すだけで、「えっ!?」となる美味しさに変わるのです。特に、かんころ餅を知らない、名前、商品は知っているけど食べたことが無い、初めて食べるという方は、このおすすめの食べ方を是非!やってみてください!おすすめの食べ方としては、トースターやフライパンで5分程度、軽く焼き色がつく程度に焼くとかんころ餅の周り(外側)は、若干カリッとした歯ごたえがあり、中は熱々でもちもちとした食感が楽しめます。

かんころ餅-バターを乗せて焼く

甘さをもう少し足したいという場合は、はちみつ等を焼き上げた熱々の状態の時にかけたり、バターを乗せてみるのも美味しかったです。因みに「かんころ餅」メーカーとして有名な真鳥餅店(マトリモチテン)の真鳥社長に話を伺う機会がありました….いや、真鳥社長が焼いていただいたかんころ餅も食べさせていただきました。

かんころ餅-紫芋のかんころ餅

まずは、焼いていただいたかんころ餅(紫芋バージョン)はこんな感じ。

かんころ餅-表面が少し浮くくらいがベスト

表面がうっすらと膨らむ感じがベストのことだそうです。そして、真鳥餅店の真鳥社長がおすすめのかんころ餅の美味しい食べ方は…やはり火を入れることのようでした。かんころ餅を1~2cmくらいの厚さでカットをして、フライパンやトースターで弱火もしくは中火で軽く焦げ目がつくくらいに焼く。これが基本のようです。

かんころ餅-かんころ餅は1~2cmくらいにカット

その応用編として試しても見ましたが、かんころ餅を同じように1cmくらいの厚さでカットしたものをフライパンにバターを伸ばしたものの中に入れます。弱火で、周りがカリッとするくらい…2分くらいでしょうか?それくらいの時間で焼き上げたものがこちら。

かんころ餅-フライパンにバターを引いて

このままでも食べてみましたが、これは、もう洋菓子です。熱々のスイートポテトのような感じでバターの香りとさつまいもの香り、甘さ、そして餅のねっとりとした食感がたまりません。

かんころ餅-はちみつと醤油のみたらし

そして、ハチミツと醤油で作ったみたらし風タレを上からかけるとこんな感じ…。

かんころ餅-みたらしをかけたかんころ餅

かんころ餅-みたらしかんころ餅の断面

みたらし風のタレと先程のバターたっぷりの感じのかんころ餅は合わないわけがありません。これは、一度試してみたほうが良い味かと思います。

かんころ餅-かんころ餅の素揚げ

そして、もうひとつ。かんころ餅をサイコロ状にカットをして油で揚げる「素揚げ」タイプの食べ方です。中火くらいの温度で約20秒。出来上がったのがこちら。

かんころ餅-かんころ餅の素揚げ断面

このまま食べてもかんころ餅の表面はパリッ、カリッとして中はさつまいもの香りとねっとりした食感…これはスイーツでも良いですがビールにも合いそうな感じです。スイーツとして楽しむのであれば、バニラアイス等をトッピングするのも良いみたいです。因みに…真鳥餅店の催事では、生かんころ餅というものを販売しているようで、これが真っ先に完売してしまう人気商品みたいです。気になる方は、真鳥餅店の催事情報をチェックして会場へ行ってみてください。この生かんころ餅レポートは、次回、催事がある時に行って確認&レビューをしてみたいと思っていますのでお楽しみに

かんころ餅まとめ

かんころ餅-外はかりかり中はもちもち

かんころ餅は、長崎県五島列島の特産品として人気の餅菓子です。このお菓子の主な材料は、蒸して乾燥させたさつまいも「かんころ」ともち米です。さつまいもを薄く切り、釜茹でした後に天日に干し、水分を程よく抜いた状態にしたものが「かんころ」であり、これをもち米と一緒に搗いて作られます。かんころ餅は、さつまいもの優しい甘さと香りを楽しめる伝統的なお菓子であり、砂糖や塩で味を調整することもありますが、そのシンプルさゆえに調整が難しく、製造には経験が必要です。これだけ手間をかけ、時間をかけ作られる「かんころ餅」は、五島の伝統的な餅菓子として販売されていますが、それだけにしておくのは勿体ない!食べ方で色々と味が…美味しさが膨らむことが分かりました。

かんころ餅-かんころ餅の断面

某高級スーパーが大量に仕入れているということも不動の人気のさつまいも菓子であること。定番商品であること。そして、リピートのお客様が沢山いるということ。お土産、特産品としてだけではなく色々と広がりそうなかんころ餅ではないかと思いました。まだ、少し残っているので、素揚げにしてみようと思います。