五島弁がブームになるのか!?NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」は長崎県五島に住んでいる人が見ても納得の方言!その使い方とは?

さつまいも出荷の朝の風景はこんな感じで1日が始まります!今回は、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」のネタからスタートです。リアルな長崎県五島列島のことが少しでもご理解いただければと思います。では、はじまりはじまり。

パートさんのある日の会話

A:おはよう、今日もはやかねー。
B:およ~、今朝もはよ~目がさめたっち。ばってんなんもすっこともなかけん、
はよ家ばでたとたい。
A:今日もびっしゃ出荷あるけん、はりきとっかっち思ったばい。
B:そんなびっしゃあっとな?。今日ははよ帰らんば孫のお迎えに間に合わんとけ~。
どがんすっかねー。
A:あがんとこの孫はみじょかもんねー。今日は人が多かけん、大丈夫ばい。(さつまいもが)こんまかサイズばっかりやけん詰めやすかし。
B:そげんとね。今日もぎばろうかね~。

さて…皆さんどのくらい内容がわかったでしょうか?。標準語に直した「答え」は、今回の記事の最後に書きます。少し考えてみてくださいね。

五島弁「およ」とは?あのNHK連続テレビ小説「舞い上がれ!」でも連発!

これは日常会話でよう(よく)使う言葉ばかりなので、長崎県五島列島出身の人はすぐわかります。特に「およ~」は10月3日から始まったNHK連続テレビ小説「舞い上がれ!」でも高畑淳子演じる主人公舞の祖母・祥子が五島のシーンでよく使っています。2話で舞と永作博美演じる母親のめぐみが五島にきて初めて発したぶっきらぼうな祥子のたった一言の言葉が、「およ~」で、五島弁が日本中に!と、テンションが上がったのは、私だけでしょうか(笑)この「およ~」は基本形は「およ」で、伸ばしたり活用しだいで、気持ちのニュアンスが変化します。「およ」は、返事をするときに使います。まあね~とか、親しい人に向かって使います。「およさー」と、「本当にねそうだよねー」と相槌する時にも使います。最初はぎこちなかった高畑さんの五島弁も、4話目にはあっという間に、地元顔負けの五島弁になってきて、心地よく聞いております(^^)ちなみにドラマの方言指導は、自ら教師役で出演している、新上五島町出身の永井郷(きょう)さんがしているそうです。

五島の人が見ても納得のNHK朝の連続テレビ小説「舞い上がれ!」

永作博美さんは東大阪のシーンでは大阪弁、五島に久しぶりに帰ってきた設定にも関わらず、五島弁が勝手に言葉に出てきていて、その演技の切り替えがまたすごいなぁと感心します。でも実際に、県外から久しぶりに実家に帰省した人ってこんな感じで地元の言葉が自然にでるもんですよね。

方言ってだからいいんですよね。あたたかい気持ちになるんですよね。私は宮崎に4年住んでたことがあるのですが、たまに五島弁が口にでてしまうことがあり、その時、友達に「五島弁てかわいいね」といわれ、それをポジティブに受け止め、褒められたような気がして嬉しかったし、調子にのってよく五島弁を使ってたのを思い出します。大学には新上五島出身の後輩もいて、五島弁の会話で盛り上がってました。

「みじょかー」は最高の褒め言葉

第3話では哀川翔さんや、五島出身で新幹線開通でも大使を務めた長濱ねるさんの登場で、豪華キャストが揃い、さらに面白くなってきました。哀川さん演じる船大工の木戸(この苗字は岐宿町でよく耳にします)が初めて会う舞に対して、「みじょかねー」と驚くシーンがあります。祥子が舞に説明してましたが、「可愛い」という意味です。

男の子、女の子問わず、犬や猫にも使います。私も幼い頃よく「みじょかねー」といわれていました(笑)五島の人はあんまりお世辞を言わないし、心がこもっている言葉なので、これは最高の褒め言葉だといえます。舞ちゃんは本当にみじょかとです。五島福江島の商店街にあるヒロシという衣料品店には「美女華」(みじょか)Tシャツ販売中。

ヒロシ商店
〒853-0005 長崎県五島市末広町1-12
Tel:0959-72-2835

ちなみに、みじょかの反対言葉は「びっつんなか」で「不細工」という意味です。形が悪いことを表すときにも使われ、「こん(この)お芋はびっつんなか~」というふうに使われます。ヒロシには「美女無」(びっつんなし)Tシャツも販売してます。かなりの当て字です。意味を知らずに買っているのか、あえてそのTシャツを買ったのか?っていう人が島を歩いているかもしれませんね。アグリの期待の新人、金子君は「美女華」Tシャツを愛用中です。生地もしっかりして着やすいです。(ネット販売はしてるんだろうか)

ドラマは方言再興の起爆剤に

ドラマに限らず、長崎県五島列島では、子供たちに五島弁に親しんでもらおうという動きがここ数年でてきています。ながさき国体が開催される1年前から五島弁に似た長崎弁バージョンのラジオ体操が流行り、さだまさしさんの声にのって保育園や小学校でこどもたちが踊っていました。また、最近では五島弁かるたが発売された。福江の商店街の文房具店光洋社にて販売中。

(有)光洋社
〒853-0005 長崎県五島市末広町1-13
TEL:0959-72-4141
公式通販サイトはこちら

五島弁を授業にも取り入れたり、五島弁の研究紙も注目されたりしています。同じ五島で地区によってさまざまだし、60代以上の会話を聞いていると全く何を話しているのかわからない現象もしばしば。方言は伝承していかなければどんどん消滅していくのです。ドラマをぜひ家族皆で見て、こどもたちには五島弁をどんどん使って愛郷心が芽生えてほしいです。また、全国で五島弁が流行したらさらに嬉しい。

五島弁のLINEスタンプ、「方言うさぎ五島弁編」もあるのでぜひ使ってみてください。ただ、「びっつんなか」は使う相手をまちがわないように気をつけてくださいね。

最後に解答です

記事の最初にあった五島弁の会話を標準語に直すとこんな感じになります。分かったかな?

A:おはよう、今日も早い出勤だねー。
B:そうなのよ、今朝も早く目が覚めたの。だけど何もすることもないから、
早く家を出たよ。
A:今日もたくさん出荷があるから、はりきっているのかと思ったよ。
B:そんなにたくさんあるの?。今日は早く帰らないと孫のお迎えに間に合わないのに~。
どうしよう。
A:あなたの孫は可愛いよね。今日は人が多いから、大丈夫だよ。(さつまいもが)小さいサイズばっかりだから詰めやすいし。
B:そうなんだね。今日も頑張ろうかね~。