「焼き芋を焼いたけど甘くならなかった…」そんな経験、ありませんか?スーパーで購入したさつまいもを焼いたけど、期待していた甘さが足りず、がっかりした方も多いでしょう。でも、捨てるのはもったいないですよね。そこで今回は、甘さが足りない焼き芋を一気に美味しいスイーツに変えるアレンジレシピをご紹介します。このレシピは、プロのパティシエが考案したもので、自宅でも簡単に作れるのが魅力。さらに、ひと手間加えることで、砂糖をキャラメリゼしたカリッとした表面とバターが染み込んだ濃厚な味わいに仕上がります。この記事を最後まで読むと、焼き芋が甘くなかった場合でも、極上のスイーツに変身させるテクニックが手に入りますよ。
焼き芋を買った!焼いたときに甘くなかった
秋を感じる食べ物と言えば「焼き芋」と答えるくらい人気の焼き芋ですが、ホクホク系と言われる品種の紅あずまやねっとり系と言われる安納芋や紅はるか等、食感の違いで選べたりするのが最近の焼き芋事情だったりします。ねっとり食感で焼き芋にすると糖度40度を超える安納芋。美味しい焼き芋の作り方は、当サイトでも沢山紹介してきています。例えば
結論から申し上げますと、そんなことはありません。確かに昔は焚き火をして、焼かなければならなかったかもしれませんが、オーブンという超優秀な家電が一般化した現代では自宅で、勿論火起こしなどしなくても、キッチンで焼き芋が作れるようになりました。色々な作り方がありますが、今回はとても簡単でアルミホイルなど他の備品もいらない、SNSでも話題の作り方に挑戦してみました。これぞ究極のさつまいもを加熱するだけの料理。早速レシピから失敗も含めた赤裸々制作レポートをお届けします。最後まで見てくださった方は自宅で美味しい焼き立てホクホク焼き芋を食べられること間違い無し!?
〈焼き芋の作り方〉
- 洗ったさつまいもをオーブントレイに濡れたまま隙間をあけて並べ、オーブンで余熱なし160度で60分焼く。焼き上がったら予熱が余熱が冷めるまで庫内で放置しておく。
- 一度取り出し、破裂防止にフォーク等で穴を開ける。
- 再びオーブンで予熱なし160度で60分焼く。
- さつまいもがクニャッと柔らかくなり、蜜がカラメルになっていれば焼き上がり。そのままオーブンの中に予熱が冷めるまで放置する。
さて、早速の試作スタート。まずはおいしくな~れと願いをこめて、さつまいもを洗います。濡れたたままで良いとのことで、いつも水気を除いてから調理することが基本になっているので、オーブンパンに水滴が落ち行く光景に若干抵抗を感じながらも、レシピの通りそのまま並べます。
そして、オーブンといえば予熱をすることが常識、予熱を入れ忘れて時間オーバーした苦い経験を持つ身としては、予熱無しという点も本当かと何回も確認してしまいます。小さなことですが、予熱なしで良いって本当に楽です!
焼き芋に使用したのは「安納芋」。少し小さめのほうが全体に火が回りやすいのではないか?と思い、小さめサイズをチョイス。
軽く洗って…アルミホイルで巻いて…オーブンへ…という感じではなく、今回は、安納芋の両端を少しだけカットをしてアク抜きを行ってみた。
時間は約2時間。鍋に水を張り、その中に安納芋を沈めて待つ。
約2時間かけてアク抜きをした後に、水を変えて塩を少々、入れて更に2時間。塩は食卓塩でも十分かと思ったのだが…
今回は、長崎県五島列島産の「矢堅目(やがため)の塩」を使用した。「矢堅目(やがため)の塩」は、海水塩で、五島列島の海水をじっくりと薪で炊き上げて作った塩。粗い結晶で、口に含んでみるとイガイガとした塩ぽい感じは一切無く、しっかりと味を感じることができ、尚且つ、ほんのり甘味を感じるミネラルたっぷりの塩なのです。
その「矢堅目(やがため)の塩」を目分量で入れて、ここも約2時間、浸す。
このあたりがアクセスの多い記事になります。今回は、美味しく焼き芋を作る!食べるという記事ではなく、スーパーで購入してきたさつまいもを焼き芋にしたら甘くなかった!美味しくなかった!実はこれ、結構多いのではないでしょうか?さつまいもも個体差が大きく当たり、ハズレと言われるような「甘さ」、「香り」が弱いものが少なからずあるはずです。特に、出始めと言われるような時期(9月~10月初旬頃)は、貯蔵期間も短めなものが多いことがある為、個体差が出やすいと言われています。そのような焼き芋にしても美味しくなかった場合、どうしてますか?仕方がないけどそのまま食べるという方が多数ではないでしょうか?今回は、ひと手間かければ焼き芋にして美味しくなかった!甘くなかった焼き芋を大きく変えてしますアレンジレシピを紹介します。
パティシエが考える焼き芋アレンジレシピ
今回の焼き芋にしたら甘くなかった!焼き芋を美味しくするアレンジレシピをお願いしたのはパティシエ。この言葉は良く聞くと思いますが、パティシエとは、主にフランス語で「菓子職人」や「デザート職人」を意味します。洋菓子やケーキ、デザートなどを専門に作る職業の人を指し、特に高級レストランやパティスリー(ケーキ店)などで活躍し、美しいデザインや繊細な味わいを追求する仕事をしている人です。そのようなパティシエが考える焼き芋アレンジレシピとは?ここでひとつだけ注文を出したのが自宅でも簡単に作れることです。
まずは泥付きのさつまいも。今回は安納芋を使用しています。安納芋は焼き芋にすると糖度40度を超えるさつまいも品種だけに甘くないということはなかなか存在しないかもしれません。もう一つの紫芋は新品種とも言える「ふくむらさき」を使用しました。
安納芋とは?
平成から続く、現在の焼き芋ブームのけん引役のさつまいも品種とも言われる安納芋。安納芋は、クリーミーでねっとりとした食感と特徴的な甘さで人気を集めている品種です。特に、焼き芋(焼く)にすると中がトロリとした食感になり、キャラメルのような濃厚な甘みが楽しめることから、「蜜芋」とも呼ばれることがあります。因みに焼き芋にすることで糖度が40度を超えることもあります。果肉はオレンジ色に近い黄色で一般的なさつまいもよりβカロテンが豊富に含まれており、美容にも良いと言われているさつまいも品種です。
ふくむらさきとは?
ふくむらさきは、今までの紫芋の固定観念を変えると言われる紫芋(さつまいも)です。2021年に品種登録されたばかりの新品種とも言える紫芋で、ふくむらさかきの特徴は、名前の通り果肉が鮮やかな紫色をしており、この紫色が濃いほど(黒に近い紫色)美味しいと言われています。ふくむらさきの食感は、紅はるかのようにねっとりと甘く、今までの紫芋のホクホクとした食感は皆無です。栄養成分ではアントシアニンという抗酸化作用のある成分を豊富に含んでおり、美容や健康に良いとされています。ねっとり甘く美容や健康にも効果的という今までには無かったさつまいも(紫芋)です。
焼き芋アレンジレシピ
さつまいもを水で洗います
まずは入念に果皮についた泥を落としていきます。本来はアク抜きを1時間程度、行ったほうがより美味しく食べれます。アク抜きの後に塩水に浸すというのも上の記事であったとおり更に美味しくなります。
オーブンへ入れます
オーブンへ入れる鉄板の上に並べていき、180℃で50分、焼いて行きます。その後、一旦、取り出し、焼き上がり具合をチェックします。さつまいもは個体差が大きい為、焼き上がり時間前後に、火が焼き芋全体にまわっているか?のチェックを行います。その際、火傷に注意してください。
一度、オーブンから取り出します
火や全体にまわっているのを確認した後に、一度、オーブンから取り出し、フォークで焼き芋をさしていきます。三か所くらいで十分かと思います。
再度、オーブンへ入れます
その後、もう一度、オーブンへ焼き芋を入れるのですが、その際、アルミホイルで1個1個を包んだほうが熱が均等にまわりやすく、追い焼きとして糖度が更に上がり、蜜が出て来るようになります。パティスリー(洋菓子店)の厨房には、異物混入を防ぐ観点からアルミホイルは、無い為、アルミ製のボールで代替えします。大きめのアルミ製のボールに焼き芋が全て入るようにします。180℃で50分程度、二度焼きをします。
焼き芋の出来上がり
そして、出来上がってきたのはこのような感じの焼き芋になります。ホークで穴をあけた所々から蜜が溢れてきています。このまま、食べても十分に美味しい安納芋、ふくむらさきですが、今回は、焼き芋を作って甘くなかった時のアレンジレシピですので、ここからひと手間をかけていきます。
焼き芋を半分にカット
まず、焼き芋を半分に切ります。う~ん。安納芋らしいオレンジ色の果肉が出てきます。ふくむらさきは、鮮やかな紫色ですが中心は、ふくむらさきの美味しい基準とも言える黒に近い紫色になっています。
バタースライスを乗せてオーブンへ
焼き芋を半分にカットした上にバターをスライスして置いていきます。この状態で更にオーブンへ入れます。時間で言えば、数分程度で良いと思います。バターが溶けて少し、グツグツと気泡が出て来る状態でオーブンから出します。
焼き芋にバターを置いただけでは、上部だけしかバターが浸み込みませんのでオーブンに入れて全体にバターがまわるようにします。
砂糖を上部にまぶす
その後、オーブンから焼き芋&バターを取り出し、砂糖(グラニュー糖)を焼き芋の上部から焼き芋全体にかかるようにまぶします。焼き芋&バターの予熱で砂糖が少しづつとけてきますが、遠慮せず、まんべんなく砂糖(グラニュー糖)がかかるように何回もかけていきます。多めに砂糖を手にもってかけるように少ない量を手にとり、何回かに分けてかけて行く方がキレイに全体へ砂糖がかかります。
キャラメリゼにする
最後は、このままオーブンへ入れて2~3分程度、置いて砂糖がキャラメリゼ状態になったら終了です。出来れば、オーブンに入れずに、バーナーを使用して焼き芋上部にかかった砂糖をキャラメリゼしていったほうが焼きムラが出来ずにきれいな仕上がりになります。
出来上がったのはこちら。表面はカリカリのキャラメリゼ。バターがじんわり浸み込んでいて焼き芋の甘さと香り、ほんの少しだけ焼き芋の焦げた味と香りが….たまりません。
焼き芋を作って甘くなかった時のアレンジレシピ。普通に甘い焼き芋にしても十分…いやさらに美味しい焼き芋スイーツになるはずです。今年、たっぷり焼き芋を楽しもうと思っている方、このようなアレンジでいつのも焼き芋がスイーツに(焼き芋だけでもスイーツですけど)急なお客様が来た時も簡単!手軽に!熱々で食べれる焼き芋スイーツかもしれません。甘く、美味しかったですよ。是非、お試しください。
パティシエの焼き芋アレンジレシピまとめ
今回ご紹介したアレンジレシピは、甘くならなかった焼き芋を簡単なひと手間で極上のスイーツに変身させる方法です。プロのパティシエが考案したこのレシピは、自宅で手軽に作れるのが魅力。砂糖をキャラメリゼしてカリッとした食感を加え、バターを溶かし込むことで、焼き芋の自然な甘さが引き立ち、濃厚でリッチな味わいが楽しめます。特に、安納芋やふくむらさきなどのさつまいもは、品種ごとの食感や風味を最大限に活かせるため、さらに美味しく仕上がります。
もし、スーパーで買ったさつまいもが甘くなくてがっかりした経験がある方には、ぜひ試していただきたいアレンジ方法です。キャラメリゼの香ばしさと、じんわり染み込んだバターが焼き芋を新たな次元へ引き上げます。甘くない焼き芋でも捨てることなく、美味しいスイーツに変身できるこのレシピは、普段のデザートとしてだけでなく、急な来客時にも重宝すること間違いなし。今年の秋は、焼き芋をただ食べるだけでなく、少しの工夫で特別なスイーツに変えて楽しんでみてください。