「種子島紫」と「パープルスイートロード」の違いとは?産地、歴史、特徴、おすすめレシピや購入できる場所まで徹底解説!焼き芋、蒸かし芋に向いているのはどっち?

毎年秋になると、カフェチェーン店などでも紫芋を使ったスイーツが販売されます。しかし、紫芋を使ったスイーツはよく見かけても、加工されていない紫芋を食べる機会はあまりないですよね。紫芋は、中身が黄色いサツマイモに比べると甘みが控えめです。

しかし、紫色の色素であるアントシアニンを含んでおり、抗酸化作用や眼精疲労予防などの嬉しい効果が期待できるのです。今回の記事では、紫芋の中でも甘みがあっておいしいと言われている「種子島紫」と「パープルスイートロード」を比較しながら解説していきます。

種子島紫は種子島が産地の紫芋

種子島紫は「たねがしまむらさき」と読みます。名前のとおり、鹿児島県の種子島を産地とする紫芋の品種です。まずは種子島紫について、詳しく見ていきましょう。

種子島紫の歴史や産地

種子島紫は、安納芋などと共に古くから種子島で栽培されていたサツマイモです。かつては防疫上の理由で島外への出荷が制限されていましたが、2000年に解禁されると、その美味しさが話題になりました。現在では種子島以外の地域でも栽培されていますが、生産量は多くないため市場に出回る量は多くありません。また、種子島紫から品種選抜して作られた品種に「種子島ゴールド」と「種子島ロマン」があります。種子島ゴールドを種子島紫と表記するケースもあるようです。

種子島紫の見た目の特徴

種子島紫は、皮が白っぽいことが特徴です。中身は薄紫色をしており、加熱することで鮮やかな紫色になります。形はずんぐりした短紡錘形です。

種子島紫は甘くない?おすすめの食べ方を紹介

紫芋全般として見ると、中身の黄色いサツマイモに比べて甘さ控えめです。そんな紫芋の中で比べると、種子島紫は甘みが強く味が良いことで知られています。蒸したり焼いたりするシンプルな調理法でも、ほくほくした食感と甘みを楽しむことができるでしょう。また、みそ汁やてんぷらなどの料理にも活用できるほか、ペースト状にしてスイートポテトやモンブランなど、お菓子の材料にするのも向いています。

パープルスイートロードは「紫芋の王様」

パープルスイートロードは、おいしさや見た目のよさを追求して品種改良された比較的新しい品種の紫芋です。

パープルスイートロードの歴史や産地

パープルスイートロードは、外観品質や食味、病気害虫抵抗性に優れたサツマイモの育成を目的として作られ、2004年に登録された新品種です。「九州119号」を母体として、「関東85号」「関東99号」「関東103号」「九州105号」「ベニオトメ」を交配しています。パープルスイートロードの「ロード(lord)」とは、英語で「主、君主、卿」という意味。パープルスイートロードという名前には、「紫芋の王様」という意味が込められているのですね。主な産地は千葉県、茨城県、九州の一部地域などです。千葉県では、奨励品種に指定されています。

パープルスイートロードの見た目の特徴

パープルスイートロードの見た目は、皮が赤く、果肉は淡い紫色です。果肉は加熱することで深い紫色に変化します。形は紡錘形で、形の揃いも良いのが特徴です。

パープルスイートロードは甘くない?おすすめレシピを紹介

パープルスイートロードも種子島紫と同様、紫芋の中でも甘みが強く食感がよいことで知られています。糖度は14度で、焼き芋で人気の「紅あずま」と同じくらいです。甘みがあるので、焼き芋にしてホクホク感を楽しんだり、ペースト状にして和菓子や洋菓子に利用したりするのもおすすめです。もちろん、みそ汁やてんぷら、芋ご飯などの料理に使っても、味と鮮やかな色を楽しむことができます。

紫芋が購入できる場所

料理にもお菓子にも使える、種子島紫とパープルスイートロード。機会があれば一度食べてみたいですよね。紫芋はスーパーなどではあまり見かけませんが、どこで購入できるのでしょうか。

紫芋はスーパーでも購入できる?

基本的に青果としての紫芋は、スーパーなどで手に入りにくいです。生産地周辺の直売所などでは目にする機会があるかもしれません。パウダー状になったものは、お菓子の材料として、ネットショップや大型スーパーの製菓コーナーなどで見つけることができます。

紫芋の販売時期

種子島紫やパープルスイートロードなど紫芋の収穫時期は、9月から11月初旬ごろです。収穫後2~3週間程度寝かせることで甘みが増すため、出荷時期は秋の終わりから冬にかけてピークになります。

種子島紫はどこで買える?

種子島紫は、肥料や土壌の管理がほかのサツマイモに比べて難しい品種です。そのため、市場に出回っている量はあまり多くありません。楽天市場などECサイトでも購入できますが、数が多くないため、販売のタイミングを逃すと売り切れてしまいます。ECサイト以外では、種子島紫を栽培している農園の公式サイトなどから注文が可能です。

パープルスイートロードはどこで買える?

パープルスイートロードは病気に強く、比較的育てやすい品種のため、種子島紫と比べるとECサイトで購入しやすい印象です。また、ふるさと納税の返礼品として選択可能な自治体もあります。主な生産地である千葉県周辺では、出荷時期に直売所などで見かける機会があるかもしれません。九州でも栽培されていますが、焼酎などに加工に使われることが多く、市場に出回る機会は少ないようです。

まとめ

種子島紫もパープルスイートロードも、紫芋の中では甘みがあって美味しい品種です。焼き芋やふかし芋のほか、料理やお菓子作りなど幅広く利用することができます。どちらもスーパーでは見かける機会が少ないですが、入手しやすさで言えばパープルスイートロードの方がやや上。楽天などのECサイトやふるさと納税の返礼品としても購入可能なので、気になる方はぜひ試してみてください。