さつまいもはパン市場でも人気者
スイートポテトを筆頭にデザートにもよく使用されているさつまいも。ケーキ屋さんでもコンビニスイーツや市販のお菓子でもすっかりお馴染みの味となりました。さつまいもの甘みはおやつとしても美味しいですよね!このさつまいもが誇る甘みが生かされているのはデザートだけではありません。パンにもとてもよく合います。さつまいもを入れるだけで、食パンやテーブルロールといったシンプルなパンも美味しさ、食べごたえ、そして栄養価もぐんとアップ!見た目の面からも、さつまいもの皮の美しい紫色がとても良いアクセントになります。さつまいもはブレッド業界でも欠かせない存在なのです。
パンをヘルシーに変身させるさつまいも
パンを作るためは小麦粉、油、イースト、砂糖、塩、水が最低限必要です。ここに卵、牛乳、バターも加えて作られるものも一般的です。どれもパンを作る過程で欠かせないものですが、不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維の含有量は残念ながら決して多くはありません。しかし、さつまいもを加えると、これらの足りない成分を見事に補うことが出来ます。つまり、さつまいもを加えると美味しさはそのまま、いや、今まで以上にパンが健康的に早変わりするということです。更に有難いことに、パン自体は血糖値が上がりやすい食品ですが、さつまいもに含まれる豊富な食物繊維が血糖値の上昇を緩やかにしてくれるといったメリットもあります。
焼いても逃げない有効成分
さつまいもには美肌に欠かせないビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、さつまいもに含まれているビタミンCはデンプンに守られて壊れにくいといわれています。また、さつまいも特有の成分で整腸作用を持つヤラピンも加熱しても含有量は殆ど変わらないとみられています。パンの仕上げにはオーブンでの加熱や揚げる、茹でるといった高温を伴う工程が欠かせませんが、さつまいもの持つ健康・美容効果はそのまま仕上げることが出来るのです。
作ってみよう!さつまいもパン
焼きたてのパンはやっぱり格別の美味しさですよね!ちょっとハードルが高いと思われがちなパン作りですが、実はとっても簡単。むしろ捏ねる感触がやみつきになる人が続出しています。自宅で手作りなら、いつでも焼きたてのパンが食べられます!ここでは初心者でも挑戦しやすい配合のさつまいもパンをご紹介していきます。
はちみつおさつブレッド
〈材料〉
- さつまいも・・・100g
- はちみつ・・・大さじ2
- 強力粉・・・150g
- 薄力粉・・・50g
- 牛乳・・・140ml
- バター・・・15g
- 砂糖・・・小さじ2
- ドライイースト・・・小さじ1
- 塩・・・小さじ1/2
- 黒ごま・・・適量
- 溶き卵・・・適量
〈下準備〉
- 牛乳を40℃程度に温めておく。
- バターは室温に戻しておく。
〈作り方〉
- さつまいもは皮付きのまま1cm角に切り、水にさらす。
- 1のさつまいもの水気を切って鍋に入れ、かぶる程度の水とはちみつを入れ、よく混ぜてから火にかける。煮立ったら弱火に落とし、水気が無くなるまで煮詰める。
- ボウルに強力粉、薄力粉、卵、砂糖、ドライイースト、塩を合わせる。温めた牛乳を加え、全体をよく混ぜる。塊状になってきたら台に取り出し、バターを加えて生地を台の上で伸ばすようによく捏ねる。
- 生地を伸ばした時に、生地が途中で切れず、手を離した時に自然と縮むようになれば捏ねあがり。生地を丸めてボウルに入れ、上からラップをかけて40℃のオーブンに25分入れて発酵にかける。
- ボウルから生地を取り出し、手で軽く押してガス抜きをする。4分割にしてもう一度丸めなおし、ラップをかけて10分おいて生地を休ませる。
- 生地を楕円形に伸ばし、真ん中にさつまいものはちみつ煮を乗せ、ラグビーボール型に包む。閉じ目を下にしてクッキングシートを敷いた鉄板に乗せ、上から濡れ布巾、ラップの順にかける。40℃のオーブンに25分入れて二次発酵にかける。
- ラップと濡れ布巾を取り外し、生地の表面に刷毛で溶き卵を塗る。(なければスプーンでも可)キッチンバサミで表面に斜めの切り込みを3~4本入れ、最後に黒ゴマをまぶす。210℃に予熱したオーブンで12分焼く。
発酵時間をかけずに作りたいという方にはベーキングパウダーを使ったパンがオススメ。ベーキングパウダーであれば発酵時間は必要ありません。手軽に出来立ての美味しさが楽しめますよ!
さつまいもドーナツ
〈材料〉
- 薄力粉・・・120g
- さつまいも・・・50g
- 砂糖・・・40g
- 無塩バター・・・20g
- 卵・・・1個
- 牛乳・・・大さじ2
- ベーキングパウダー・・・小さじ1
- 揚げ油・・・適量
- 薄力粉(打ち粉)・・・適量
〈下準備〉
- 無塩バターは電子レンジで溶かしておく。
- 薄力粉はふるっておく。
- 卵は溶いておく。
〈作り方〉
- さつまいもは蒸して皮を除き裏ごし、ボウルに入れて砂糖を加えてよく混ぜる。粗熱を冷ます。
- 1のボウルに牛乳を少しずつ加えて伸ばし、卵、無塩バターも加えてよく混ぜる。薄力粉、ベーキングパウダーを加えてさっくりと混ぜ、ラップで包み冷蔵庫で20分冷す。
- 台に打ち粉をうすく広げ、生地を6等分にする。表面全体に打ち粉をまぶし、ドーナツ型に入れて成型する。
- 揚げ油を160℃に熱し、3を入れて表面がきつね色に色づき、ふっくらしてきたら、ひっくり返し、裏面も色づいたら油をしっかり切って取りだす。
おやつにもごはんにも美味しい!さつまいもを使ったパン
焼き芋はパン作りに最強の食材
さつまいもはどの種類でもパンとの相性は抜群ですが、中でもパン作りに最適なさつまいもがあります。それが焼き芋です。なぜ焼き芋がオススメなのかというと「楽で美味しいから」です。通常は、さつまいもを使用したパンを作る際には、生地作りとは別に、さつまいも餡、さつまいもペースト、さつまいもの甘露煮などを作る作業が必要です。この工程こそがさつまいもパンの美味しさを左右するポイントでもある反面、蒸したり、裏ごししたりと時間や手間がかかる過程でもあります。しかし、焼き芋は何か手を加えなくても十分に甘くて柔らかいので、ただ潰すだけ、切って入れるだけで十分美味しいさつまいもパンを作ることが出来ます。当然、焼き芋そのままであれば無駄な糖類や脂質の添加も無いので、とてもヘルシーです。簡単なのに健康的とはまさに良いこと尽くめですよね。
焼き芋といえば、一昔前までは秋口から冬にかけての一時期にだけ移動販売の焼き芋屋さんから買うことしか出来ませんでしたが、近年はスーパーやコンビニでも年間を通して販売されるようになり、いつでも購入できるようになりました。冷凍食品としても売られています。さつまいもを使ったパンはおやつとしてだけでなく、食事としてもよく合います。初めての方や手間を減らしたいという方も焼き芋を使えば手軽に美味しいさつまいもパンが作れます。
焼き芋あんぱん
〈材料〉
- 強力粉・・・180g
- 牛乳・・・120ml
- 無塩バター・・・15g
- 砂糖・・・大さじ2
- ドライイースト・・・小さじ1
- 塩・・・小さじ1/4
- 焼き芋・・・125g
〈作り方〉
- ボウルに強力粉、砂糖、ドライイースト、塩を合わせる。
- 牛乳を40℃程度に温め、1に加えてよく混ぜる。ボウルの中で大きな塊状になってきたら、台に取り出し、無塩バターを加えてよく捏ねる。
- 生地を伸ばした時に、生地が切れず、手を離した時に縮むようになったら、一つに丸めてボウルに戻し、ラップをかけて40℃のオーブンに30分入れ、一次発酵させる。
- 一次発酵の間に焼き芋を皮付きのまま潰しておく。
- 生地を取り出し、軽く押してガス抜きをする。6等分にし、それぞれを丸めなおしてラップをかけ、10分おいて生地を休ませる。
- 生地を手のひら位の大きさに広げ、真ん中に4の焼き芋をのせて包む。とじ目を下にしてクッキングシートを敷いた鉄板に乗せ、上から濡れ布巾、ラップの順にかけて40℃のオーブンに20分入れて二次発酵させる。
- 210℃に予熱したオーブンで12分焼く。
全国で買える!美味しいベーカリーのさつまいもパン
さつまいもとパンの相性の良さはベーカリー業界でも定評です。その証にパン屋さんにもさつまいもを使ったパンが沢山並んでいます。手作りも良いですが、パン屋さんのパンの美味しさは格別ですよね。今日はゆっくりランチを取る時間が無い!という日でも、さつまいもパンなら腹持ち良く、自然と様々なビタミン・ミネラル・食物繊維が摂取出来ます。お子様のおやつにも健康的でお勧めです。ケーキ類と異なり、溶けたりすることなく持ち運び出来るの点も嬉しいところ。真夏の手土産にもぴったりです。最後に全国で買えるオススメのさつまいもパンをご紹介致します。
メゾンカイザー|さつまいものパン
どのパンも生地の上品な甘さが美味しく、パン好きからも人気の高いメゾンカイザー。さつまいもの甘露煮が程よい加減で練り込まれた食事にも合わせやすいさつまいもパンです。外側のカリっと感と内側のモチモチ感のコンビネーションがやみつきになります。
リトルマーメイド|〈人魚姫の宝もの〉さつまいも蒸しケーキ
生地には紫芋、トッピングにはなると金時と1つで2種のさつまいもの風味が楽しめます。優しい甘みが健康的です。色味が綺麗でお土産に持っていくと喜ばれます。こちらは個包装になっているので持ち運びにもとても便利です。
ポンパドウル|おいもパン
ごろごろ入ったさつまいもを楽しみたい方にはこちら。もちもち生地の中に大きめなカットのさつまいもがたっぷり包まれた芋好きも納得のさつまいもパンです。最近は「さつまいもジャム」や「さつまいもバター」といった商品も売られています。こういった商品を食パンに乗せるだけでもご自宅で手軽にさつまいもパンを楽しむことが出来ます。