さつまいもの魅力を徹底解説!種類の特徴・選び方・おいしい品種のポイントとは?

ほくほくとした口あたりが恋しくなるさつまいもは、ほどよい甘さがうれしいだけでなく、ゆっくり味わうと素材そのものの魅力がじんわり広がっていきます。小腹がすいたときにも頼りになり、昔から食卓にあると少し気分がほっとする存在ですよね。そんな身近なさつまいもには、味わいだけでは語りきれない魅力がたくさん詰まっています。栄養面の充実ぶりはもちろん、痩せ地でも力強く育つたくましさも特徴のひとつ。知れば知るほど「こんなに奥深い食材だったんだ」と感じられるはずです。ここでは、日常の中でさつまいもをさらにおいしく楽しめるよう、覚えておきたい魅力的なポイントを3つまとめてみました。

あわせて、手に取った瞬間に「これはおいしそう」と思える、上手なさつまいもの選び方にも触れていきます。読み終える頃には、自然の恵みがぎゅっと詰まったさつまいもを味わいたくなる気持ちがふくらみ、次のお買い物が少し楽しくなるはずです。

さつまいもの魅力的な特徴は3つ

さつまいもは、熱帯アメリカを原産とするヒルガオ科サツマイモ属の多年草で、日本には琉球(現在の沖縄県)を経て薩摩(現在の鹿児島県)に伝わったといわれています。そこから全国に広がり、今では食卓でも季節の楽しみとしても欠かせない存在になりました。甘藷(かんしょ)や唐芋(からいも)など地域によってさまざまな呼び名がありますが、薩摩を経由して広まったことから「さつまいも」という名が定着したそうです。名前の由来を知るだけでも、昔から大切にされてきた食材であることが伝わってきますよね。

そして何より、さつまいもが長く愛されてきた理由には、思わず驚くような魅力がいくつもあるからこそ。ここからは、毎日の食卓で役立つさつまいもの魅力を大きく3つにわけて、そっと紐解いていきます。

体にうれしい栄養が豊富

体にうれしい栄養が豊富

さつまいもには、日々のからだをそっと整えてくれる成分がたっぷり含まれており、その豊富な栄養こそがさつまいもの大きな魅力のひとつです。なかでも昔から注目されてきたのがヤラピンという成分。切ったときににじむ白い汁の正体で、イモ類の中でもさつまいもだけに含まれる、少し特別な栄養素といわれています。

ヤラピンは、腸が自然なリズムで動くのを助けたり、便をやわらかく整えてくれたりする働きがあり、毎日のすっきり感にもつながりやすいのが特徴です。皮の部分に多いといわれているため、調理するときは皮ごと楽しむと、その力をいっそう感じられます。さらに、ピンと張りのある肌づくりにも関わるビタミンCが豊富なのも嬉しいポイントです。本来ビタミンCは熱に弱いイメージがありますが、さつまいものビタミンCはデンプンに守られているため、加熱しても損なわれにくいとされています。焼き芋や蒸し芋でもしっかり摂れるのは、ほかの食材にはなかなかない魅力です。

また、さつまいもは水分を吸ってふっくら膨らむ特性があり、ゆっくり食べると自然と満たされやすくなります。加えて、食後の血糖値の上がりやすさを示すGI値は55。目安とされる「55以下の低GI食品」に該当するため、肥満予防を意識したいときにも取り入れやすい食材です。健康面でも美容面でもうれしい働きが重なっているさつまいもは、普段の食事に少し添えるだけでも、日々の調子をやさしく支えてくれる心強い存在と言えそうです。

痩せ地でも育つ丈夫な野菜

痩せ地でも育つ丈夫な野菜

さつまいもが持つ魅力の中でも、昔から頼りにされてきた理由のひとつがとても丈夫に育つことです。熱帯地域が原産のため、高温や乾燥といった条件にも負けにくく、栄養の少ない土地でもしっかり根を張って育つ力があります。過酷な環境でも生き抜くたくましさは、ほかの作物ではなかなか真似できない特徴といえるでしょう。

手間がかかりにくく、比較的育てやすい点も知られており、家庭菜園でも人気がある理由につながっています。さらに、収穫できる期間が長く、収穫量も安定しやすいことから、食料が不足した時代には多くの人を支える存在にもなりました。

作物が育ちにくい土地でもいきいきと生長し、台風などの気象災害にも大きく影響されにくいこの強さは、さつまいもの大きな魅力です。自然の力強さを感じさせるこの特性が、今も昔も変わらず親しまれている理由なのかもしれません。

さまざま食材に利用できる

さつまいもは、そのまま料理に使うだけでなく、驚くほど幅広い食品に姿を変えて活躍しています。おかずやスイーツに加え、加工品や飲料、さらには色づけの原料としても使われることがあり、身近な食卓のあらゆる場面で役立っていることがよくわかります。こうした用途の多さも、さつまいもの魅力として語り継がれてきました。

特にさつまいもに含まれるデンプンは、日常生活で自然と目にするさまざまな食品に利用されています。気づかないうちに私たちの暮らしの中に溶け込んでいるため、改めてその存在に驚く方もいるかもしれません。

ここでは、さつまいもがどのような形で取り入れられているのかを、分かりやすくまとめてみました。

デンプン 春雨・和菓子・クエン酸・清涼飲料の甘味料など
菓子類 干しイモ・スイートポテト・アイスクリームなど
惣菜 大学イモ・サラダ・甘露煮など
酒類 イモ焼酎・ビール・ワイン・リキュールなど
一次加工品 ペースト・フレーク・ジュースなど
紫イモ 色素原料(清涼飲料水・キャンディ・ゼリー・ガム・調味料など)

このように、さつまいもはおかずにもデザートにも加工品にもなる万能な食材で、その活躍の幅はとても広く、食の楽しみ方を豊かにしてくれます。

さつまいもの特徴を種類別に解説

日本で育てられているさつまいもは、2019年の時点でおよそ60品種にも及ぶといわれています。これだけ種類が多いと、同じさつまいもでも味わいや食感に個性が生まれ、選ぶ楽しさがぐっと広がります。ほくほくと軽やかな口あたりのものから、しっとり濃厚な甘みのものまで、ひと口に“さつまいも”といっても表情はさまざまです。

ここでは、代表的なさつまいもをタイプごとに分け、それぞれの特徴をていねいにたどっていきます。焼き芋にしたいとき、料理に使いたいとき、スイーツに仕上げたいときなど、シーンに合わせて選びやすくなるはずです。いつもの食卓をもっと楽しくしてくれる、さつまいもの魅力をゆっくり味わってみましょう。

天ぷらや煮物におすすめ!ほくほく系

天ぷらや煮物におすすめ!ほくほく系

ほくほくとほどけるような食感が魅力のほくほく系さつまいもは、昔から親しまれてきた素朴な甘さが特長です。火を通しても形が崩れにくいため、天ぷらや煮物のように素材の存在感をしっかり残したい料理にぴったり。ひと口食べると、ほのかな甘みがふわっと広がり、どこか懐かしい気持ちにしてくれます。

このほくほくした食感を楽しめる代表的な品種には、次のようなものがあります。

  • ベニアズマ
  • パープルスイートロード
  • アマアカリ
  • シロユタカ
  • なると金時(高系14号)
  • 五郎島金時(高系14号)

軽やかな口あたりをいかした料理を楽しみたいときや、揚げた瞬間のさっくり感を際立たせたいときには、こうした品種を選ぶと仕上がりがぐっと良くなります。昔ながらのほくほくとしたおいしさを堪能したい場面で、ぜひ試してみてください。

絶品の焼き芋を味わうならねっとり系

絶品の焼き芋を味わうならねっとり系

焼き芋を心ゆくまで楽しみたいとき、まず思い浮かぶのがねっとり系のさつまいもです。たっぷりと水分を含んだやわらかな口あたりで、ひと口食べるだけで濃厚な甘みが広がり、まるでスイーツを味わっているかのような贅沢さがあります。割った瞬間にあふれる蜜のような艶も、ねっとり系ならではの魅力です。

甘みがしっかりしているため、焼き芋として楽しむのはもちろんのこと、ペースト状にしてパンに塗ったり、アイスクリームに混ぜ込んだりしても相性ぴったり。やさしい甘さが自然と引き立ち、おやつの幅をぐっと広げてくれます。

ねっとりした食感を持つ代表的な品種には、次のさつまいもがあります。

  • 安納イモ(安納紅)
  • べにはるか
  • マロンゴールド

とろりとした甘い焼き芋を味わいたいときは、こうした品種を選ぶと間違いなく満足感があります。蜜がしみ出すような深い甘さを求める方に、特におすすめのタイプです。

スイーツにして食べたい!しっとり系

スイーツにして食べたい!しっとり系

しっとり系のさつまいもは、ほくほくとした軽やかさと、やわらかく広がる甘みの両方を楽しめるのが魅力です。なめらかな口当たりが印象的で、甘すぎず控えめすぎず、ちょうど良いバランスを求める方にはぴったりのタイプといえます。焼き芋にしてもおいしいですが、スイートポテトのようなスイーツに仕立てると、素材のやさしい甘さがふんわり際立ち、満足感のある一品になります。

しっとりとした食感を持つ代表的な品種には、次のようなさつまいもがあります。

  • 高系14号
  • クイックスイート
  • 玉乙女
  • 紅こがね
  • シルクスイート

口当たりよく味わいたいときや、スイーツ作りに挑戦したいときには、こうした品種が頼もしいパートナーになってくれるはずです。しっとりと甘みのある仕上がりを求める場面で、ぜひ選んでみてください。

良いさつまいもを見分けるポイントを紹介

良いさつまいもを見分けるポイントを紹介

どうせ選ぶなら、思わず笑顔になるようなおいしいさつまいもを手に取りたいですよね。さつまいもは種類によって特徴が異なりますが、共通して覚えておくと便利な「上質なものを選ぶコツ」があります。知っておくと、お店で見かけたときに迷いにくくなり、調理したときの仕上がりもぐっと変わってきます。

ここでは、見た瞬間に「これはおいしそう!」と感じられるさつまいもを選ぶためのポイントを、まとめてご紹介します。

見た目

店頭で手に取ったときは、まず皮の状態を確認してみてください。表面がなめらかでツヤがあり、色が濃く均一なものは、状態が良いと判断しやすくなります。全体の色が整っているものは、しっかり育っている可能性が高いと言われています。形にも注目すると選びやすくなります。一般的には、真ん中がほどよくふくらんだ紡錘形のさつまいもが扱いやすく、調理したときの仕上がりも安定しやすいとされています。

さらに、ひげ根の量も見極めのポイント。ひげ根が多いものは、加熱したときに筋っぽさが気になることがあります。すっきりとした口当たりを楽しみたいときは、ひげ根が少ないものを選ぶと良いでしょう。

切り口

切り口

さつまいもを選ぶときは、両端の切り口も確認してみてください。黒い模様や固まりのようなものが付いている場合は、糖度が高いサインとされています。これは、さつまいもから出た蜜が乾いたもので、甘みがしっかりある品に見られる特徴です。

甘いさつまいもを選びたいときは、皮の状態だけでなく、切り口にも目を向けると判断しやすくなります。

重さ

重さ

手に取ったときの重さも、良いさつまいもを選ぶ目安になります。持った瞬間にしっかりと重みを感じるものは、中身がよく詰まっている可能性が高いとされています。反対に軽いものは、繊維が多く、加熱するとボソついた食感になりやすいことがあります。

あわせて、表面のでこぼこにも目を向けてみてください。凹凸が少なく、全体がなめらかに見えるものは繊維が控えめで、食べたときの口当たりも良くなりやすいといわれています。

触ったときの状態

触ったときの状態

手に持ったときに、表面にしっかりとした張りを感じるものを選んでください。表面がしなびていたり、柔らかくなっているものは、水分が抜けはじめている可能性があります。押したときにへこむようなものは、傷みが進んでいる場合もあるため避けた方が安心です。

鮮度が良いさつまいもは、触った瞬間に適度な硬さがあり、全体にゆるみがありません。

まとめ

さつまいもの魅力まとめ

さつまいもは、栄養が豊富な上、丈夫に育ちやすい特徴をもっています。おかずやお菓子をはじめ、お酒などさまざまな食材として利用されているのも、さつまいもの魅力。ほくほく系から、ねっとりとした甘みがあるものまで、品種によって味わいが異なります。見分け方をおさえて、良いさつまいもをおいしく食べましょう。