ほくほくとした食感がおいしいさつまいも。ほどよい甘みがあり、小腹がすいたときにもおすすめの食材ですよね。さつまいもの良さは、それだけではありません。栄養はもちろん、痩せ地で育つ丈夫さも特徴です。この記事では、さつまいもの魅力的な特徴を、3つご紹介します。良いさつまいもの見分け方についても解説。読み終わる頃には、栄養がぎっしり詰まった、おいしいさつまいもを食べられます。
さつまいもの魅力的な特徴は3つ
さつまいもは、熱帯アメリカが原産地とされ、ヒルガオ科サツマイモ属の多年草植物です。琉球(現-沖縄県)から、薩摩(現-鹿児島県)に伝わったのがきっかけとなり、全国各地へ普及します。
甘藷(かんしょ)や、唐芋(からいも)などの別名がありますが、薩摩から来たイモなので「さつまいも」と呼ばれるようになりました。そんなさつまいもの、魅力的な特徴を3つご紹介しましょう。
体にうれしい栄養が豊富
さつまいもには、体にうれしい栄養が豊富に含まれています。注目すべき栄養は、ヤラピンと呼ばれる成分です。ヤラピンには、腸のぜん動運動を促進したり、便をやわらかくして、お通じを良くしたりする働きがあります。ぜん動運動とは、腸が伸びたり縮んだりして、消化した食べ物を体外へ排出させる働きです。切り口から出る白い汁がヤラピンで、イモ類では、さつまいもにのみ含まれる成分、と言われています。ヤラピンは、皮に多く含まれているため、皮ごと食べるとよいでしょう。
また、ビタミンCの含有量は、イモ類の中でトップクラス。通常、ビタミンCは水に溶けやすい性質のため、加熱すると栄養が外へ流れ出てしまいます。さつまいもに含まれるビタミンCは、デンプンの作用により、加熱しても栄養が失われないのです。さらに、胃の中に入ると、水分を吸収して、何倍にも膨れ上がる性質をもっているため、満腹になりやすい上、GI値は55。
GI値とは、食後の血糖値が上昇する度合いを表しており、55以下が低GI値の目安です。つまり、さつまいもは低GI食品のため、肥満予防にも効果的とされています。さつまいもには、健康や美容によい栄養がたくさん含まれているので積極的に食べましょう。
痩せ地でも育つ丈夫な野菜
熱帯地域が原産地のさつまいもは、高温や乾燥に強く、痩せ地でも育つ丈夫な野菜です。気象災害にも強く、手間がかからないため、比較的育てやすいともいわれています。収穫期間が長いうえに収穫量も多く、飢饉や食料難のときには、非常食として利用されました。さつまいもは、作物が育ちにくい土地でも育つうえ、台風などの気象災害にも負けない、丈夫さを持っています。
さまざま食材に利用できる
おかずやスイーツをはじめ、さまざまな食材にさつまいもは利用されています。さつまいものデンプンも、身近な食べものに使われているのです。
さつまいもが使用されている食材例を、ご紹介しましょう。
デンプン | 春雨・和菓子・クエン酸・清涼飲料の甘味料など |
菓子類 | 干しイモ・スイートポテト・アイスクリームなど |
惣菜 | 大学イモ・サラダ・甘露煮など |
酒類 | イモ焼酎・ビール・ワイン・リキュールなど |
一次加工品 | ペースト・フレーク・ジュースなど |
紫イモ | 色素原料(清涼飲料水・キャンディ・ゼリー・ガム・調味料など) |
さつまいもは、おかずの他に、お酒や色素原料としても使われています。
さつまいもの特徴を種類別に解説
さつまいもの主要品種は、約60品種あるといわれています。(2019年時点)品種によって、味わいが異なるさつまいも。さつまいもの特徴を、種類別に解説します。
天ぷらや煮物におすすめ!ほくほく系
ほくほくとした食感と、ほどよい甘味をもつさつまいも。昔ながらの味わいで、崩れにくい特徴をもつことから、天ぷらや煮物などにおすすめです。ほくほく系の特徴をもつさつまいもには、以下の品種があります。
- ベニアズマ
- パープルスイートロード
- アマアカリ
- シロユタカ
- なると金時(高系14号)
- 五郎島金時(高系14号)
揚げたときに、ほくほくとした食感がほしいなら、上記の品種を選んでくださいね。
絶品の焼イモを味わうならねっとり系
水分を含み、ねっとりした、粘り気のある食感をもつさつまいもは、焼イモで食べると絶品!見た目からも甘さがにじみ出ており、スイーツ感覚で食べられます。ねっとり系のさつまいもは、甘みが強いため、ペーストにしてパンに塗ったり、アイスクリームにしたりして食べるのが、おすすめです。ねっとり系の特徴をもつさつまいもには、以下の品種があります。
- 安納イモ(安納紅)
- べにはるか
- マロンゴールド
蜜が出るような、甘い焼イモを食べるなら、上記の品種を選びましょう。
スイーツにして食べたい!しっとり系
なめらかな口当たりで、ねっとりした甘さと、ほくほくした食感、2つの良さを取り入れられる、しっとりしたさつまいももあります。甘すぎず、ほどよい食感が欲しいなら、しっとり系のさつまいもはおすすめです。スイートポテトにして食べたら、大満足すること間違いなし。しっとり系のさつまいもには、以下の品種があります。
- 高系14号
- クイックスイート
- 玉乙女
- 紅こがね
- シルクスイート
口当たりの良いさつまいもが食べたいなら、上記の品種を選びましょう。
良いさつまいもを見分けるポイントを紹介
せっかくなら、おいしいさつまいもを食べたいですよね!良いさつまいもを見分けるポイントをご紹介しましょう。
見た目
皮の表面がなめらかで、ツヤのあるものを選びましょう。皮の色が濃く、鮮やかで均一なものほど鮮度が高い証拠。形は紡錘形といって、真ん中がふっくら太っているものがおすすめです。
ひげ根が少ないかチェックするのもポイント!ひげ根が多いものは、筋っぽさが口に残ってしまいます。
切り口
両端部分の切り口に、黒い模様や塊がついているものは、糖度が高い証拠です。黒い模様は、さつまいもから流れ出た蜜が乾いたもの。甘いさつまいもを見分けるポイントになるため、切り口もチェックしましょう。
重さ
持ったときに、ずっしり重みがあるものを選んでください。重いものは、それだけ実がつまっている証拠です。軽いさつまいもは繊維が多く、ボソボソした食感になっている可能性があります。また、表面のでこぼこは少ないものがおすすめ。でこぼこが浅いものは、繊維が少なく、なめらかな食感です。
まとめ
さつまいもは、栄養が豊富な上、丈夫に育ちやすい特徴をもっています。おかずやお菓子をはじめ、お酒などさまざまな食材として利用されているのも、さつまいもの魅力。ほくほく系から、ねっとりとした甘みがあるものまで、品種によって味わいが異なります。見分け方をおさえて、良いさつまいもをおいしく食べましょう。