海だけじゃない!春の五島列島を彩る「桜」の絶景
長崎県の西に浮かぶ五島列島と聞くと、夏に輝くコバルトブルーの海や、白い砂浜を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、厳しい冬の寒さが和らぎ、柔らかな春風が吹き始める4月。五島列島、特に最大の島である「福江島(ふくえじま)」は、一年で最も華やかで心温まる季節を迎えます。

春の福江島には、島民がこよなく愛する「桜の名所」が何ヶ所も存在します。 新年度を迎え、入学式や入社式が行われるこの時期、週末のみならず平日であっても、家族連れや友人同士、職場の仲間たちとお花見にお出かけする人の数はかなりのものになります。
新型コロナウイルス感染症による厳しい行動制限もすっかり緩やかになり、青空と満開の桜の下で子供たちが元気に走り回る光景が戻ってきました。大人たちはブルーシートの上に座ってのんびりとお酒を飲んだり、手作りのお弁当を広げて語り合ったり、時にはぽかぽか陽気に誘われてお昼寝をしたりと、各々が自由なスタイルで春の訪れを楽しんでいます。
都会の有名なお花見スポットのように、肩がぶつかり合うような大混雑や、早朝からの熾烈な場所取り競争はありません。島ならではのゆったりとした時間が流れる中で、満開の桜を心ゆくまで堪能できるのが、五島列島のお花見の最大の魅力です。
この記事では、「福江島 桜」「五島列島 桜」で検索して春の島旅を計画している方や、週末のお出かけ先を探している地元の方に向けて、福江島で絶対に外せない2つの桜スポットと、島民のリアルなお花見文化をご紹介します。
五島列島の桜の見頃と、島ならではの気候の魅力
福江島のおすすめスポットをご紹介する前に、五島列島の桜の見頃や、島ならではの春の気候について触れておきましょう。

九州の西端に位置する五島列島は、対馬海流(暖流)の影響を強く受けるため、年間を通して比較的温暖な気候に恵まれています。そのため、桜(ソメイヨシノ)の開花時期は長崎県の本土側とほぼ同じか、わずかに早い傾向にあります。 例年、3月下旬から開花が始まり、3月末から4月の上旬にかけて満開の見頃を迎えることが多くなっています。
五島列島の桜の美しさは、なんといっても「雄大な自然とのコントラスト」にあります。 透き通るような青い海、なだらかな緑の山々、そして春の柔らかい日差しを受けて薄ピンク色に輝く桜花。海風に乗ってひらひらと舞い散る花びらは、島でしか見ることのできない風情ある光景を生み出します。

また、島内には空気を汚すような大規模な工場がないため、空気が非常に澄んでいます。青空の「青」が濃いため、桜の「ピンク」がより一層鮮やかに写真に映えるのも、福江島の桜の隠れた魅力と言えるでしょう。
それでは、福江島を代表する素晴らしい桜の名所を詳しく見ていきましょう。
絶景スポット①:空から見ると「桜のドーナツ」!Instagramで話題の『箕岳園地』
今年、「五島で桜の綺麗な場所ってどこだろう?」と検索してみたところ、Instagramで非常に珍しく、目を引く写真を見つけました。
それが、福江島の南東部にある「箕岳園地(みたけえんち)」です。
火山の火口跡に咲き誇る、円状の桜並木

箕岳(みたけ)は、標高144メートルの臼状火山です。福江島には「鬼岳(おんだけ)」をはじめとする火山群がありますが、この箕岳もその一つ。頂上付近には、かつての火山活動の名残であるすり鉢状の火口跡があり、現在はその周囲が美しく整備された公園「箕岳園地」となっています。
この箕岳園地がなぜ桜の名所として話題になっているかというと、火口の縁に沿ってぐるりと円を描くように桜の木が植えられているからです。 ドローンや高い展望台などの高い位置から撮影された画像を見ると、火口のくぼみを取り囲むようにピンク色の桜が連なっており、まるで「巨大な桜色のドーナツ」のような、他では絶対にお目にかかれない奇跡的な絶景が広がっているのです。
見頃を逃さないためのポイントと夜桜ライトアップ
私もこの「桜のドーナツ」を一目見ようと、家族を連れて箕岳園地へ足を運んでみました。 しかし今年は、満開のピークを過ぎてから訪れてしまったこともあり、花びらがだいぶ散って少し葉桜になりかけていました。残念ながら、Instagramで見たような「こんもりと厚みのあるピンク色のドーナツ」のベストショットをカメラに収めることはできませんでした。
桜の命は本当に短く、特に海風が吹き抜ける島では、満開を迎えてから散るまでのスピードが速いことがあります。来年こそは、五島市の観光情報サイトやSNSでこまめに開花状況をチェックし、満開のタイミングを狙ってリベンジしたいと思います。
とはいえ、すり鉢状の地形を囲む桜並木の下を歩くのは非常に心地よく、頂上からは青く広がる五島灘の海を一望することができ、気分は最高にリフレッシュできました。空気が澄んでいる五島だからこその、海と桜のパノラマビューは圧巻です。
さらに、箕岳園地では桜の開花時期に合わせて夜桜のライトアップも行われます。昼間の青空の下で見る爽やかな桜とは一転、暗闇に浮かび上がる幻想的な円状の桜並木は、とてもロマンチックでデートスポットとしても大人気です。
箕岳園地
住所:〒853-0022 五島市向町1548-1
設備:無料駐車場あり、トイレ完備
アクセス:福江港から車で約20分
地元民憩いのスポット②:広大な芝生でピクニック!『白良ヶ浜万葉公園』

次にご紹介するのは、福江島の北西部、三井楽(みいらく)町にある「白良ヶ浜万葉公園(しららがはままんようこうえん)」です。
ここは、遣唐使の時代から万葉集にも詠まれた歴史ある景勝地「白良ヶ浜」に隣接する広大な公園で、地元住民のお花見やピクニックのメッカとして親しまれています。
入社式と歓迎会を兼ねた、大所帯での賑やかなお花見

五島市三井楽町に拠点を置く農業法人「アグリ・コーポレーション」では、毎年4月初旬にこの白良ヶ浜万葉公園で、新入社員の歓迎会を兼ねた盛大なお花見会を開催しています。
今年も4月3日に入社式が行われ、2名の若く元気な新入社員が私たちの仲間に加わりました。会社にまた新しい春の風が吹き込んでくることを実感し、スタッフ一同、期待に胸を膨らませています。 当日は見事に晴れ渡り、絶好のお花見日和となりました。入社式を無事に終えた後、アグリ・コーポレーションから車でわずか2分(徒歩でも行ける距離!)の場所にある白良ヶ浜万葉公園へと移動しました。
公園の広々とした芝生エリアに、巨大なブルーシートを何枚も広げます。シートの上には、普段の業務(赤ちゃん用の歯固め商品などのカット作業)の際に使っている座布団をずらりと並べ、即席の大宴会場を設営しました。 日本人社員やパートさんだけでなく、ベトナムから働きに来ている技能実習生たち、さらには日頃の仕事でお世話になっている取引先の方々もお誘いし、総勢30名以上という大所帯での大宴会です。これだけの大人数でも周囲を気にせずのびのびと場所を使えるのが、敷地が広い白良ヶ浜万葉公園の素晴らしいところです。
ノスタルジックな空気と、国際色豊かな宴

普通、4月上旬のお花見の時期というと、夕方になると急に冷え込んで「花冷え」で震えることも少なくありません。しかし、今年のこの日は気温が本当にちょうど良く、心地よい海風とポカポカとした陽気に包まれていました。 なんだか遥か昔、小学生の頃にワクワクしながら行った春の遠足を思い出すような、少しノスタルジックで温かい気持ちになりました。
お花見の楽しみといえば、やはり食事です。 幹事の社員が用意してくれたクーラーボックスには、ビールやノンアルコール飲料、お茶が氷でキンキンに冷やされていました。配られたお弁当のフタを開けると、手作りの煮物、唐揚げなどの揚げ物、色鮮やかな果物までぎっしりと詰まっていて、ボリューム満点で本当に美味しかったです。 さらに、農作業で体を動かして食欲旺盛な若いスタッフたちのために、山盛りのオードブルも複数用意されていました。
宴会をさらに盛り上げてくれたのが、ベトナムからの実習生たちです。 彼らは、自分たちの好みの味で食事を楽しむために、しっかりと「マイ調味料(甘辛いチリソースのようなもの)」を持参していました。日本の文化であるお花見を心から楽しんでくれているようで、何度も陽気に「hoan hô(ホアン ホー:ベトナム語で乾杯)!」とコールを繰り返し、大きな声で笑い合って大騒ぎしていました。 桜の木の下で、国境や年齢、役職を越えて同じものを食べ、同じ時間を共有する。これこそが、地方の企業ならではの温かい絆の形だと感じました。
白良ヵ浜万葉公園
住所:〒853-0601 長崎県五島市三井楽町浜ノ畔
設備:無料駐車場あり・トイレ完備
アクセス:福江港から車で約40分
五島のお花見名物?白熱の「豪華ビンゴ大会」

美味しいお弁当をひとしきり食べ終わり、桜の美しさにお腹も心も満たされた後には、お花見会のメインイベントとも言える「ビンゴゲーム大会」が待っていました。
私は入社して初めての社内イベント参加だったのですが、「うちの会社のビンゴゲームは、景品が異常に豪華だよ」という噂は、一緒に働いている先輩たちから事前に聞いていました。 いざ始まってみると、その噂は本当でした。なんと、目玉景品である「金一封」が6本も用意されているのです! さらに、毎日食べる美味しいお米や、家計に大助かりな冷凍焼き芋の詰め合わせ、これからの季節のレジャーで大活躍する大容量のクーラーボックス、アウトドア用の折り畳みチェア、スマホの携帯用充電器など、「当たったら絶対に嬉しい」実用的な品物がずらりと並んでいました。

数字が読み上げられるたびに、ブルーシートの上からは「あった!」「またリーチにならない!」と一喜一憂する歓声が上がります。 全員の目が血走って狙っている「金一封」ですが、社長曰く「こういうのは、無欲な人に当たるようになっている」とのこと。確かに、あまりゲームのルールを分かっていないような人がサラッと当ててしまったりして、大爆笑に包まれました。
賞金をゲットして満面の笑みを浮かべる人も、惜しくもリーチ止まりで悔しがる人も、共に満開の桜の下で楽しい時間を共有できた、素晴らしいお花見会でした。 新入社員を歓迎し、スタッフ一同がこれから始まる春の本格的な農作業に向けて、確実に士気が上がった1日になったと思います。
今回のようなスタッフ全員が揃う大規模な宴会は、夏に1回の慰労会、年末の忘年会、そしてこの春のお花見会の、年3回開催されています。季節の節目を大切にし、働く仲間を家族のように労う文化が、五島列島の暮らしには根付いています。次は夏の宴会が今から楽しみです。
まとめ:春の五島列島・福江島で、心に残るお花見を

福江島の桜の魅力と、島民に愛される2つのお花見スポットをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
- 空から見ると巨大な桜のドーナツに見える、火口跡の絶景「箕岳園地」。
- 広い芝生でのびのびとピクニックや宴会が楽しめる「白良ヶ浜万葉公園」。
どちらも、都会の喧騒から離れ、五島の雄大な自然と澄んだ空気の中で春を満喫できる、最高のお花見スポットです。

五島列島の春は、桜だけでなく、椿や菜の花など様々な花が島を彩り、気候も安定していて観光には最も適したベストシーズンの一つです。 「福江島 桜」で検索して旅行を計画されている方は、ぜひ今回ご紹介した名所に足を運んでみてください。そして、ブルーシートを広げて豪快に笑い合う島民たちの温かい姿を見かけたら、五島ならではのゆったりとした「島時間」と「春の喜び」を、お裾分けしてもらってくださいね。
来年の春、美しい桜が咲き誇る福江島で、皆様のお越しをお待ちしております!








