五島市岐宿の伝統を継承する岐宿っ子祭り!そして初開催の「山内ごろっと祭り」は大盛況!初めてのお祭り開催での課題も

11月の振り返り

11月は、コロナ禍で3年ぶりの開催となった岐宿小学校の「岐宿っ子祭り」と、閉校した山内小学校のグラウンドで、初めての試みである「山内ごろっと祭り」と岐宿町のイベントが2つもありました。それについて紹介したいと思います!

岐宿の伝統を継承する岐宿っ子祭り

五島市立岐宿小学校は6年前に岐宿小、川原小、山内小、3つの小学校が合併し新しい校舎に生まれ変わりました。11月にそれぞれの学校で行われていた地域の方たちとのふれあい祭りを融合し、岐宿っ子祭りが行われるようになりました。ずっと中止だったため2回目の岐宿っ子祭りが行われた当時の先生は全員転勤していたため、先生方は前任の先生方にいろいろ教えてもらいながらの準備で大変だったようです。祭りは食育と岐宿に対する愛郷心を育むための活動を目的としています。1・2年生は芋植えから収穫まで、3・4年生は竹細工、5年生は田植えから収穫までやり、当日は餅つき、6年生は岐宿の伝統料理のぞろ作りをします。地域の方を講師として招き、保護者も全員協力して、全校生徒分のもちとぞろを作ります。

私の息子はもち作り担当でした。11月1日、私も収穫のお手伝いに行ってきました!学校の近くの田んぼを貸していただいた山下さんの話を聞いてから子供達は鎌で手作業で稲を刈りました。1時間、子どもたちの集中力は凄かったです。ほとんどの子が自分の家や祖父母の家でお米を作っているので、慣れた手つきで、島外から転勤してきた担任の先生や校長先生もびっくりしてました(笑)さすが岐宿っ子!保護者は翌日筋肉痛でしたが…。

そうして気持ちを込めてつくった!もち米でついたお餅は本当に美味しかったです。杵と臼でつく時も本当に楽しそうでした!

6年生は岐宿町の中心部岐宿地区に伝わるぞろ作りに挑戦。ぞろはうどんのことで、漁業の盛んな岐宿地区では米よりも麦を多く生産していたため、年越しに、そばではなく短くてちぎれやすい自家製うどんを食べるのが風習でした。塩と水を混ぜ、よくこねてから30分ねかせる。

そして、生地をビニール袋にいれて、足でひたすら踏む。この作業が重労働のようでした。いつもはだしも作って、お餅と一緒にみんなでぞろを食べ、体育館で出し物を見るのですが、今年は感染対策のためカットし、茹でた麺を持ち帰り、各家庭で食べました。

しかし、地域の方々は子供たちと久しぶりに触れ合うことができて、本当に喜んでました。5月開催の運動会も保護者の来場しか認められなかったからです。岐宿っ子祭りは、自分の孫のように子どもたちを見守り、いろいろ教えてくださる地域の方に感謝する日でもあります。

初開催の「山内ごろっと祭り」は大盛況

私が住んでいる岐宿町山内地区は福江島のちょうど中心部にある盆地で、豊かな川の水と寒暖の差で、美味しいお米ができる米どころとして有名です。また、ハウス栽培も盛んで、イチゴやメロン、アスパラなど、美味しいものがたくさんあります。しかし、どこを見渡しても…田んぼしかなく、お店も少なく、これといった観光資源もない山内でお祭りをすると聞いたときは、「うまくいくんだろうか?」という不安のほうが大きかったです。出店希望は最初4店舗だけで開催も危うかったですが、実行委員会のメンバーの呼びかけで40店舗近い出店者が集いました!「何でも売ってよかっちたい」「それじゃ、我が家で作っている米を売ろう」「畑で作っている大根、食べきれんけん売ってみようかな」そう、ほとんどの人が地元からの出店者であり、同時に初めてお店を出す人も多かったため、公民館で行われた説明会はたくさんの人でごったがえし、とても賑やかでした。みんな知っている者ばかりだけどコロナ禍であまり会うこともなかったので本当に久しぶりに人が集まった気がします。皆気持ちは同じ、山内のお祭りを盛り上げたい!という気持ちがありました。山内小学校は子どもたちが年々減少し6年前に閉校し、さらに保育園も閉鎖され、取り壊されました。子どもたちはスクールバスで登校するため、子どもの姿をあまり見ることもなくなり、山内地区の人のつながりも少なくなりつつありました。

そんな中、声をあげたのは、五島市地域おこし協力隊の方の一声でした。「岐宿のお祭りはいつも岐宿地区ばっかりやけん、たまには山内でしましょう!福江島のど真ん中なんだから人が来やすい!こんな良い立地はないでしょう?」その声にいち早く反応したのが、岐宿町の役場で集落支援員をしている泉井さんでした。泉井さんの義理の兄は、今は無き「いきいき五島」を起ち上げた黒川さんです。山内で祭りをすることは、ずっと岐宿の祭りの実行委員会の委員長を務めていた、黒川さんの願いでもありました。黒川さんは関西から、山内にUターンしてきてたくさんの種類の野菜を作り直売所「いきいき五島」を作り、五島市の給食も支えていた人です。「いつか、山内で祭りをしたいな。その時は仁田さんも盛り上げてな」といっていた黒川さんは、まだ若かったのに、末期のガンが見つかり、医者の余命宣告のとおり…亡くなり多くの人にその死を惜しまれました。

山内でのお祭りは初めてで課題もありました。

まず運営。お祭りの主催は五島市ではなく、岐宿町町づくり協議会山内支部独自で。地区長、民生員、育成協など、代表者を集め、今回は時間がなかったため実行委員会を担ってもらうことにした。低予算で、出店料は500円のみ、経費削減のためテントと販売台は出店者が準備することにしました。祭りの1週間前、実行委員会のおかげで、草で荒れ果てた山内小学校のグラウンドがきれいになりました。

次に、会場内の駐車場が少ないという問題がありました。50台しか止められないため出店者は軽トラ市風に、車を出店スペースに停めてお客さんを優先して駐車できるようにしました。また、少し歩くことになりますが、近くの公民館の駐車場、保育園跡地、近隣住民に許可をいただき、駐車スペースを確保できるようにし、初めて来る人にもわかるようSNSで案内しました。

さらに、もう1つ、大きな問題がありました。同じ岐宿町のぎょうが崎公園で、移住者や若者中心のクリスマスマーケットという、なんともオシャンティーなイベントがなんと同じ日の同じ時間帯に開催されるということで集客が厳しい状態。ぎょうが崎はNHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」のロケ地で眺めも良いし駐車場も広く、こちらには不利な状況。そこで、急遽、岐宿小のフットサル部の子どもたちと保護者に呼びかけし、こども縁日を準備しました。少年ソフトボールクラブはうどんとチョコバナナを出店してくれました。畜産農家は五島牛焼き肉のふるまいをし、会場の中央では、五島開拓集団という若者の団体が、もちつきと薪割り体験を企画してくれ、SNSや、当日はYouTubeで発信してくれました。また、地元の中学生がゆるキャラの着ぐるみの中に入って協力してくれることになりました。

そのような中、迎えた当日は朝から雨。雨天時は体育館開催となっていたのですが、あんまりお客さん来ないだろうなぁと思いながら、私は諦めモードで少しゆっくり家を出ました。しかし、会場に着くとなんと、強行突破で外で準備していたのです!さすが、山内の決断力!そして小雨にも関わらず、10時の開場とともにあっという間にグラウンドが人で埋め尽くされました!その後は、昼ご飯を食べるどころか他の店を回る予定がなかったほど、縁日のお店が忙しかったです。射的は大人気でした!うどんや山内そばや軽食は12時前に完売したそうです。その後は吉川農園のや山内産業の紅はるかの焼き芋が大きくてめちゃくちゃ美味しく、大人気でした!干しいもの天ぷらもあったそうですが、写真を撮れませんでした(;_;)/~~~残念!

初めての山内のお祭りは大成功で、クリスマスマーケットより人が多く訪れたそうです!早くも2回目の開催が決まりそうです!山内小の卒業生もたくさんきて、久しぶりの活気に喜んでいました。