入社4年目の私が思うベトナムからの農業実習生の素晴らしさと海外から農業実習ってどういう仕組みで来る?ちょっぴり解説してみた

入社してもう4年

私は、アグリ・コーポレーションに入社して4年が過ぎました。以前は、別の職場で仕事をしていて夏だけ仕事がない会社だったので3ヵ月だけ短期アルバイトで入りました。何年かそのような感じの短期アルバイトをさせていただき、本格的に、アグリ・コーポレーションへ入ったのが平成30年6月からでした。

入社した後、家庭の事情やケガのため、約1年間休んでしまい、迷惑ばかりかけていたので、退職しようと考えていましたが「会社の籍は、そのままにしているから、来れるときに来てください」とアグリ・コーポレーションの社長に言われ、現在に至っています。

私の実家は、農業じゃなく父は大工をしていました。農業を行うようになったのは、五島市富江町の方と結婚してからです。農業は、いままで触ったことも行ったこともなかったので、最初は、どうして良いのか?全くわかりませんでした。農業を少しづつ始めて、作業を行っていくうちに、少しずつですが、農業にも慣れてきましたが、14~15年くらいで家の農業の手伝いを辞め、他所で仕事をするようになりました。

アグリ・コーポレーションの特徴のひとつ

話をアグリ・コーポレーションへ戻すと、アグリ・コーポレーションは、さつまいもを植えるまでに色々と準備があります。さつまいもを植えても、夏場は草取りとの闘いがあります。そして、収穫が始まり、あっという間に1年が過ぎ去ってしまいます。さつまいもは、ご存じの通り、栄養豊富で、昔から五島の人にとって欠かせないものでした。昔はさつまいもの島と言われていたこともあります。そのさつまいもを作っている会社(アグリ・コーポレーション)で働けて、嬉しい限りです。

アグリ・コーポレーションの特徴の一つに海外から実習生を受け入れているという点です。遠くベトナムから実習に来る若い人も沢山います。ベトナムの実習生は、みんなやさしく、気がきいていて、色々と自分から進んで手伝ってくれます。こういう部分は、今の日本には失っている部分ではないか?と思っています。ぜひとも日本の若者たちにも見習ってほしいと思っています。ベトナムの実習生には、本当に、いつも有難う。と言いたいくらい頑張ってくれています。でも実習生ということなので、時間が経過し、実習期間が終了するとアグリ・コーポレーションを、日本を離れて行ってしまうので、その点だけが寂しく感じます。

ベトナムの農業実習生

農業ベンチャーブログの記事で頻繁に登場するベトナム農業実習生を今回は、より詳しく紹介しようと思っています。彼たちは「長崎県ごとう人材確保・育成協同組合」から派遣されてきます。アグリ・コーポレーションの佐藤社長が、現地のベトナムまで行き、日本での就労希望者と直接面接、面談を重ねて決定します。ここ数年は、新型コロナウィルス感染症蔓延からオンラインで行っているようです。

そして、実習が決まるとベトナムからの出国、日本での生活、基本的な日本語が話せる・わかるようにする研修を「長崎県ごとう人材確保・育成協同組合」が担い、その後、アグリ・コーポレーションが引き継ぐ形となっています。アグリ・コーポレーションは、実習生の住居や住むための家具、生活必需品等、全て用意をします。現在、1期生から4期生まで10名(男性7名、女性3名)のベトナム実習生がおり、年齢も18~33歳までと若手ばかりです。これは、アグリ・コーポレーションのスタッフ平均年齢を大きく下げる重要な人材でもあります(笑)

それぞれ、アグリ・コーポレーションが借り受けている職場に近い一軒家をシェアハウスとして住んでいます。日々の買い物も商店街が近いので徒歩で行けてとても便利のようです。1期生以外は、まだ日本語があまり話せないようですが、農業という職業特有なのか?体を動かす仕事なので、日本語が話せないということで困ることは、ほぼありません。ただ、生活をしていく上で出てくる「病気」や「ケガ」をしたときもあるので、その場合の緊急対応がアグリ・コーポレーションのスタッフで手助けをします。アグリ・コーポレーションのスタッフは、みんな自分の息子や娘みたいな感覚で、ベトナム実習生と接しているようで、休日は、車でドライブやショッピングに一緒に行ったり、料理や野菜、魚、お菓子まで差し入れたりとほのぼのとした感じなのです。

ただ、彼らは、アグリ・コーポレーションでの仕事(実習)は、人生の一部。人生の通過点で、各々、夢をもってたり、給与をベトナムの家族に仕送りしたりしています。いずれは、日本、あるいはベトナムで起業をしたいという人もいます。日本で働いている間に、特定技能の資格を取得するために、試験を長崎に受けに行ったりもします。その時は、唯一、島外へ出るので、見ているととても嬉しそうです。五島(福江島)では、売っていない「ベトナムの食材」「ベトナムの調味料」を沢山購入して戻ってきます。ベトナム実習生、全ての人に言えるのは、一生懸命働き、礼儀も正しく、料理も自分たちで作り(自炊)、節約して家族の為に、そして自分の夢の為に、頑張っています。その頑張っている姿をみると、私たちもエネルギーをもらって元気が出てくる感じがします。

五島列島は外国人労働者が多い島

五島は、高校を卒業後、進学、就職で島外に出るのが当たり前になっています。そのまま、出て行った先で就職、結婚をすることが多く、深刻な「少子高齢化問題」を抱えている島です。「若者がいないから商売が成り立たない」「若者が買い物を出来る店が無いから、仕事がないから」様々な理由で都会に憧れ、島を出て行ってしまうという悪循環が生じているのです。そのような環境の中、製造業がいち早く、中国人を雇い始め、最近では、農業、漁業といった一次産業が、カンボジア、ベトナムの人たちを雇うようになりました。五島の若者が苦手、毛嫌いする3K(きつい、きたない、きけん)は、若い外国人が補っていただき、外国人がいないと成り立たなくなってきているのです。

そのような中、五島市は、3年前に「日本語学校」を作りました。日本語学校の建物は、もともと高校の寮を改築したもので活用しています。昼間は、それぞれ飲食店やコンビニエンスストアでアルバイトをし、働きながら日本語を学ぶという環境です。新型コロナウィルス感染症蔓延している中での開校だったので、スタート時は、大変だったようですが、順調に入学希望者も増え、今は順調な感じみたいです。日本語学校に入学する外国人の子供たちは、ある程度、日本語を勉強してきているので、とても日本語がうまく、上達も早いみたいです。

そんなこともあり、スーパーに行くと外国人の若い人たちの集団が少しでも安く美味しい食材を求めてショッピングに来ているので、観光で五島へ来た観光客は、少し驚くかもしれません。アグリ・コーポレーションの実習生たちも「どこのスーパーはお米が安い」「野菜はこのスーパーが安い」そんな地元の人たちの会話のような感じ話しており、地元顔負けで色々と詳しいのです。五島市三井楽町は、農業だけではなく、漁業も盛んで、定置網船ではカンボジアの人たちが働いています。地元の成人式に参加させてもらったり、交流も深めているみたいなので五島を第二の故郷と思ってもらえる外国人が増えてくればうれしいかぎりです。