2024年の大晦日、毎年恒例の「最後の夕陽鑑賞会」が、福江島の最西端・玉之浦地区の大瀬崎で行われました。この夕陽鑑賞会は、九州最西端(日本最西端と言いたいところですが、それは沖縄・与那国島)に沈む、一年の最後の夕陽をみんなで観る、というまさに年の締めくくりを盛り上げる粋な企画。しかしそれだけではなく、この会ではお蕎麦や炊き込みご飯の振る舞いがあったり、豪華景品の当たる抽選会があるなど、ウキウキ、ワクワクの会でもあるのです!
2024年最後の夕陽鑑賞会とは?
私が前回参加したのは2022年の大晦日。その時は最高の夕陽を見ることが出来、写真の技術がないにも関わらずスマホでうっとりするほど美しい写真が撮れた上、抽選会では大きなイサキ2本が当たるなど、大変ラッキーな年末でした。当時の抽選会の1等賞は「福江―福岡 往復航空券」、そして2等賞は「福江―長崎 ジェットフォイル往復券」、また五島牛や鮮魚、お米などの島の特産品が当たるという大変ゴージャズなもの。私が当たった「大型イサキ2本」は確か5等だったと思いますが、翌日・元旦の早朝に島外に出る用件があったため、泣く泣くそれを近くに住む知人に譲らざるを得ませんでした。
抽選会や振る舞い料理で盛り上がる年の締めくくり
今回は、ここのところひと月ばかり続いた曇り空が吹っ切れたような晴天、夕陽を見ることのできる確率が高かったのと、「また抽選で当たったりして、、(わくわく)。今年は年末年始、島内なので生物(なまもの)でも大丈夫!」というまさに“捕らぬ狸の皮算用”気分で大瀬崎に向かいました。
大瀬山への登り道。途中で実行委員会の人が、抽選番号の書いてあるカードを渡してくれます。しかし!雑用により少し出遅れてしまったのと、制限速度50kmの道(当然1車線)を、40km以下で走る車に何度も阻まれ、到着したのは日没の20分前。良い場所は既に黒山の人集り、振る舞いのお蕎麦を受け取る長い行列、そして抽選は半ば終わりかけていました。
振る舞いの列に並ぶ人たちと、この時の夕陽
それでもお蕎麦を食べようと、行列の末尾に並ぶこと15分。やっと手にしたお蕎麦はやはり美味しく、500食以上もの準備をして下さった商工会の方達に感謝をしながらいただき、その後は抽選会で当たった場合、賞品を受け取り損ねることがないような夕陽の撮影ポイントを探すという欲深さからウロウロと。
蕎麦を振る舞ってくださる商工会の方々と、アツアツの出来立て蕎麦。
美味しく、身体がほかほかと温まりました。そうこうしているうちに大型観光バスが到着し、そこからも夕陽を見るお客様がたくさん降りてきて、ますます人が増えてきました。抽選に外れたのをしかと確認し(泣)、大急ぎで展望デッキの裏にある丘に駆け登り、やっと落ち着いて“最後の夕陽”を見ましたが、先程から水平線のあたりにかかり出した雲が幅を広げ始め、直前の夕陽は美しかったものの、結局海に沈む夕陽を見ることは叶いませんでした。
2024年最後の夕陽
今年最後の夕陽
それでも水平線上の空は、深い青からオレンジ、黄色、白へとグラデーションを描き、暮れ沈む間際の淡く静かな表情をしばらくの間、見せてくれました。これをずーっと見つめている人も数人、展望台に残っていたのですが、何とも穏やかな気持ちになり、一年が静かに過ぎようとしているのを感じるひと時でした。
年の終わりの夕陽をみんなで見る会やお蕎麦の振る舞い、ときめく抽選会など、五島のおおらかさ、島の人たちの懐の深さを実感する本当に素敵な催し。今年の年末はぜひ玉之浦へ、「最後の夕陽」を見に、ぜひお越しください。
今年、2025年が穏やかな良い年となりますよう、そして皆さまにとって健やかな楽しい一年になりますよう!