小さいサイズのさつまいもはお得？美味しい？さつまいものサイズとは？

寒い季節、甘い焼き芋が恋しくなる瞬間はありませんか？特に小ぶりのさつまいも、Sサイズや2Sサイズがお得感があるとして人気を集めています。この小さめサイズ、実は調理の際に味がギュッと濃縮され、さつまいもの甘みが際立つと言われています。しかし、「本当においしいの？」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか？実際、青果のプロや農家に話を聞いてみると、さつまいもの品種によっては小さいサイズのほうが美味しくなるものもあるそうです。加えて、小ぶりなサイズは焼き芋や調理にも適しており、熱が通りやすいため、よりしっとりねっとりとした食感が楽しめます。この記事では、紫芋の新品種「ふくむらさき」を例に、2Sサイズという小さめのさつまいもを焼き芋からグラッセ、ジャムに変化を加える調理方法を紹介します。最後まで読むことで、小さなさつまいもの新しい味わい方や小さなサイズならではの魅力を発見できるはずですよ。

焼き芋や料理に向いていると言われている小さなさつまいもは皆さん、どんな感じに調理していますか？よく通販で見かけるS、2Sサイズ。お手頃価格で販売されていることが多いのですが、実際にどんな風に調理をしたら良いのか？悩む方も多いのでは？このS、2Sサイズで真っ先に思い出すのは「みかん」。以前に青果物に詳しい方に聞いたことがありますが、「みかん」のS、2Sサイズの小粒みかんは、小さいみかんの中に味が凝縮されていることが多いので通常サイズのMやLサイズより美味しいことが多いので好んで購入される方が多いとのこと。さつまいもはどうなのでしょうか？さつまいもも「みかん」のように味が凝縮されている！？のでしょうか？実際にさつまいもを作っている農家、さつまいもに詳しい青果業界の方へ聞いたり、色々と調べてみました。

さつまいものS、2Sは通常サイズのM、Lと比べて味が濃縮されていて美味しいのか？ですが、一概に全てがそうでは無いとのことでした。しかし、同じ品種のさつまいもで大きなサイズと小さなサイズを比較する場合は、小さいサイズのさつまいもの方が、味が凝縮されて甘いとのことでした。また、料理や焼き芋にするには大きいサイズのさつまいもより小さめサイズのほうが熱伝導がしやすいことで特に焼き芋に関しては美味しく仕上がるとのこと。ということでS、2Sサイズはネット通販では通常サイズよりお安く入手することが出来る為、実際にS、2Sサイズのさつまいもを購入して調理をしてみました。今回は、紫芋の新星ともいえる「ふくむらさき」です。

ふくむらさきは、紫芋（さつまいも）の新品種です。高糖度で食味に優れる九系255と、紫芋品種「パープルスイートロード」を交配して作られ、2021年に品種登録されました。今までの紫芋よりも紫色が濃いのが特徴で、アントシアニン含有量も今までの紫芋よりも高くなっています。今までの紫芋はホクホク食感で甘さも弱かったのですが、ふくむらさきは、糖度も生芋の状態でも約22度と高めで焼き芋にすると安納芋や紅はるかのような糖度になります。食感は、しっとりねっとりとした蜜芋のような食感になります。ふくむらさきは、焼き芋やふかし芋にすると糖度が高くねっとりしっとりとした食感が楽しめますが、従来の紫芋のように鮮やかな紫色が魅力を引き出すスイーツ等の加工品にも使用されることが多い品種です。

通販でもよく見かけるさつまいもを含め青果物のサイズ。皆さんはどこまで理解して買ってますか？野菜やフルーツを買う時にスーパーやコンビニ、八百屋や道の駅等の場所では、手に取って見れたりするので全く関係ないかと思うのですが、通販で買おうとする場合、当たり前ですが手に取って見れません。その際、商品を販売しているページに記載されている重量やサイズで選ぶと思うのですが、どこまでご存じですか？よく知ってますという方も多いと思うのですが、私みたいになんとなくこれくらいの大きさだろうと想像をして買うという方も少なからずいらっしゃるのではないかと思い、今回、さつまいものサイズとして平均のサイズ表をまとめてみました。是非、参考にしてみてください。

さつまいもサイズ	グラム数
2Lサイズ	450g以上
Lサイズ	350～449g
Mサイズ	150～349g
Sサイズ	100～149g
2Sサイズ	50～99g

※さつまいもの品種によりサイズは変わる場合があります。

さつまいもの栄養価で一番気になる？のは糖質と食物繊維ではないでしょうか？実はさつまいもは糖質は比較的高いのです。食物繊維は、腸活に効果があると言われている栄養素です。因みにさつまいものの生、皮なしの状態で100g中に含まれる糖質は29.6g、食物繊維は2.3gです。そして焼き芋にした場合は品種によって多少変わりますが糖質は約34.5g、食物繊維は約3.5gです。さつまいもは焼き芋にすることで食物繊維の量が若干増えます。これは加熱することによってさつまいものの水分が蒸発し、食物繊維の割合が増えるからです。ということで以下、サイズ毎にさつまいも、焼き芋の糖質と食物繊維をまとめてみました。

さつまいもサイズ	グラム数	さつまいも（生）糖質	さつまいも（生）食物繊維	焼き芋-糖質	焼き芋-食物繊維
2L	450g	133.2g	10.4g	155.3g	15.8g
L	350g	103.6g	8.1g	120.8g	12.3g
M	150g	44.4g	3.5g	51.8g	5.3g
S	100g	29.6g	2.3g	34.5g	3.5g
2S	50g	14.8g	1.2g	17.3g	1.8g

さつまいもダイエット、焼き芋ダイエットには150g程度のさつまいもの大きさが適しているとされています。さつまいものサイズで言えば小さめのMサイズ1個、Sサイズ1～2個、2Sサイズで2～4個という感じになります。さつまいもダイエット、焼き芋ダイエットという視点で考えると2Sサイズのさつまいもは「沢山、食べた」と思う事が出来るのでさつまいもダイエット、焼き芋ダイエット向きではないかと思えます。

さつまいもの品種が同じであれば大きめサイズより小さめサイズのほうが味が濃縮して甘いと言われるさつまいも。焼き芋や調理に向いているサイズとも言われる2Sサイズのさつまいも。今回は、紫芋の新星で、糖度は紅はるかに匹敵すると言われ、食感もねっとりしっとりとしている甘い紫芋「ふくむらさき」の2Sサイズに絞って色々と調理をしてみました。王道の焼き芋から紫芋の色が美しいことからグラッセやジャム。小さめサイズだから調理も比較的、楽でした。では行ってみましょう！

小さめサイズのふくむらさきを焼き芋にしてみました。サイズが小さいのでアルミホイルで全体を包む時、いつもの感じの大きさのアルミホイルでは、ぐるぐる巻きになってしまうので小さめサイズにカット。ふくむらさきを一回りするくらいにしました。まずは、ふくむらさきの両端をカットして30分間、水に浸し、アク抜きを行い、その後、アルミホイルでひと巻きし、140℃のオーブンで60分。その後、オーブンを止め、予熱で30分。その後、もう一度、140℃に温度上げながら40分で完成。出来上がったふくむらさきの焼き芋はこんな感じです。蜜もたっぷりと出ており、アルミホイルにも蜜がついている感じでした。

小さいサイズのため、元々果皮が薄いふくむらさきですが、更に薄くなっており皮ごと食べても「あ！皮だ」と思う事はないくらいです。先の項でも説明があったように小さい分、熱伝導が効率よく、しっとりねっとりとした食感はよりパワフルになっていました。もしかするともう少し短い焼き時間でも大丈夫だったかもしれません。焼き芋で試しましたが電子レンジでふかし芋を作る時もいつも作っている時間より短い時間で十分なはずです。これが小さいが故の熱伝導良さなのかもしれません。

ふくむらさきの大きさが小さいので炊飯器にも入る大きさのため、自宅で手軽に調理がしやすい炊飯器を使用して作ってみました。

洋食の付け合わせとしてよく見る「グラッセ」。グラッセ（Glace）は、フランス語で「つやを出す」、「艶を付ける」という意味を持つ料理の技法です。グラッセは、主に砂糖やバター、シロップなどで食材に光沢を持たせ、艶やかに仕上げます。にんじんや栗などを使ったグラッセが有名ですよね。今回は切ったふくむらさきを砂糖、水、はちみつ、洋酒（自宅にあるもの）で炊飯器を使用して煮て、光沢のある甘い味付けにします。ふくむらさきの濃厚な甘さとねっとりした食感がさらに際立つのではないか？と思います。デザートだけではなく付け合わせでもいかがですか？あとは…小腹が空いた時のもぐもぐタイムには良いかもしれません。

材料

まずは小さめサイズのふくむらさきを洗います。

ふくむらさきを乱切りにして炊飯器の中へ入れます。その際に、水200g、砂糖大さじ1、はちみつ大さじ1、洋酒（自宅にあるもの）大さじ1も一緒に入れます。全て入れ終わったら「炊飯モード」でセットします。

炊飯モードで60分放置したら出来上がり！出来上がるとこんな感じの紫色が濃く艶が出ている状態になります。洋酒は炊飯モードで加熱する為、アルコールは全て無くなり、香りだけがつく感じです。

ふくむらさきのねっとりは炊飯器の底でも分かるようにこんな感じになっていました。

完成！こんな感じのふくむらさき（さつまいも）グラッセです！

そしてふくむらさきが大好きなエンジニアさんからのリクエストでさつまいもジャムも作ってみました。紫色の美しさが出るようにこちらも炊飯器を利用して作っていきます。

材料

上の材料を炊飯器でグラッセと同じように炊飯モードで作ります。

出来上がったものに

を足して混ぜて行きます。コツはいきなりバターや生クリーム、砂糖を全て入れて混ぜないことです。一つ一つ材料を入れながら撹拌するとキレイに混ざって行きます。

まずはバターを混ぜていきます。

次に生クリームを混ぜていきます。

最後に砂糖を混ぜていきます。

ふくむらさきは水分量が多いので混ぜて来るとちょっとゆるいかも…と不安になるかもしれませんが、そのまま撹拌していきます。

数分、撹拌をしましたら自宅にある瓶に詰めていきます。ジャムの温度が高くなっていますので火傷に注意してください。ふくむらさきのジャムを瓶に詰めて一晩、冷蔵庫で冷やせば翌朝には食べごろになっています。

完成！こんな感じの甘～いふくむらさきのジャムが朝から食べれる幸せをかみしめてください。美味しかったですよ！

※少し固めになっている場合は、生クリームや牛乳等で調整をしてください。

今回、小さめサイズのさつまいもであるS・2Sサイズが焼き芋や料理に向いている理由や、小さなサイズの紫芋「ふくむらさき」の調理方法について紹介しました。同じ品種であれば小さいサイズの方が味が凝縮しやすく、焼き芋にすると熱が効率的に伝わり、しっとりとした甘みが引き立つという特長があります。特に「ふくむらさき」はその糖度の高さと濃厚な紫色が魅力で、グラッセやジャムとしても楽しめます。更に、今回は、炊飯器を使う手軽な調理法に変えて紹介しました。炊飯モードでセットして待つだけ…。こんな簡単な調理方法なので家庭でもさまざまな料理を試すことができますよね？。小さめサイズならではの調理のしやすさと凝縮した味わいを、ぜひ一度お試しください！