全国から太公望が集う「釣り人の聖地」五島列島の圧倒的なポテンシャル
長崎県の西の果て、東シナ海に浮かぶ大小140あまりの島々からなる五島列島。 コバルトブルーの海や世界遺産の教会群など、観光地としての魅力に溢れる五島ですが、日本全国の釣り愛好家たちにとっては、一生に一度は訪れてみたいと願う「釣り人の聖地」としてその名をとどろかせています。
なぜ五島列島がそれほどまでに釣り人を惹きつけるのでしょうか。 その最大の理由は、対馬海流(暖流)が直接ぶつかる複雑な地形が生み出す、「魚種の豊富さ」と「魚影の圧倒的な濃さ」にあります。 潮通しが抜群に良い五島の海は、一年を通して多種多様な魚の回遊ルートとなっており、季節に合わせて多種多様な釣りを楽しむことができます。防波堤からのんびりとアジやカサゴを狙うファミリーフィッシングから、荒磯に渡って大型のイシダイやクロ(メジナ)を狙う本格的な磯釣り、さらには船に乗って沖へ出れば、ヒラマサやブリ、さらには巨大なマグロ(クロマグロ)を狙うことすら可能な、まさに世界トップクラスのポテンシャルを秘めた海なのです。
私も、この大自然の恩恵を受ける五島列島・福江島に住み、幼い頃から釣りを生きがいとしてきた根っからの釣り人です。 島に住んでいるからこそ分かる潮の動き、季節の移ろい、そして観光ガイドブックには絶対に載っていない「とっておきの場所」があります。 今回は、数ある五島列島の釣り場の中から、私が足繁く通うおすすめの釣りスポットを2ヶ所厳選してご紹介します。雄大な自然を満喫しながら、極上の釣り体験を味わってみませんか?
地元民がこっそり教える釣り場①:絶景と大物の宝庫「嵯峨島(さがのしま)」

まず1つ目にご紹介するのは、福江島の北西部、三井楽(みいらく)半島の沖合に浮かぶ小さな離島「嵯峨島(さがのしま)」です。
嵯峨島は、南北約3.3キロ、東西約2.3キロという非常にコンパクトな島ですが、その周囲は荒々しい断崖絶壁と豊かな磯に囲まれており、釣り人にとってはまさに宝島のような場所です。
リーズナブルで気軽に行ける「離島の中の離島」
「福江島からさらに船に乗って離島に行くなんて、ハードルが高いのでは?」と思うかもしれませんが、実は非常にアクセスが良いのが嵯峨島の魅力です。
三井楽町にある「貝津(かいつ)漁港」から、定期船の「さがのしま丸」に乗れば、わずか10分から15分程度の短い船旅で到着します。しかも、船賃は片道たったの460円(※料金は変動する場合があります)と非常にリーズナブル。
福江島から日帰りで、しかもお財布に優しく「離島のさらに奥の秘境」へと足を踏み入れることができるのです。
名磯「千畳敷」でイシダイとメジナを狙う

嵯峨島に到着して向かうのは、島の西側に広がる「千畳敷(せんじょうじき)」と呼ばれるスポットです。 ここは、火山活動によって流れ出た溶岩が波に浸食されてできた、広大で平らな岩場が続く景勝地です。観光客が雄大な景色を楽しむ場所でもありますが、実はここが、地元のベテラン釣り師たちがこぞって集まる「超穴場」の釣りスポットなのです。
千畳敷の目の前に広がる海は、潮通しが極めて良く、海底の起伏も激しいため、大型の魚が居着きやすい環境が整っています。 ここでのメインの狙い目は、なんといっても磯の王者と呼ばれる「イシダイ」です。ウニやサザエをエサにした底物狙いの仕掛けを投げ込むと、強烈なアタリとともに竿が海面に向かって突き刺さるような、スリリングなファイトを楽しむことができます。
そこの千畳敷という場所が釣り人が集まる穴場となっています。イシダイを釣るもよし、フカセ釣りでメジナを狙うもよしのたくさんの楽しみ方をすることが出来ます。私は、保育園の頃から祖父に連れられよく千畳敷に訪れていました。また、潮の動きを読みながらコマセ(撒き餌)を打って魚を寄せる「フカセ釣り」も大人気です。
五島では「クロ」と呼ばれるメジナがメインターゲットとなり、冬場の寒グレの時期には、丸々と太った脂の乗った大型のクロが面白いように竿を曲げてくれます。足場が比較的良いため、磯釣り初心者でも本格的なフカセ釣りに挑戦しやすいのが千畳敷の素晴らしいところです。
釣りと思い出、そして山の恵み「ツワブキ」

私にとって嵯峨島は、釣りの釣果以上の「特別な思い出」が詰まった場所です。 保育園の頃から、休みのたびに釣り好きの祖父に手を引かれ、この千畳敷へ通っていました。小学生の夏休みともなれば、朝早くから船に乗って真っ黒に日焼けするまで千畳敷で竿を振り、帰りの船の小さなテレビで甲子園の高校野球の中継を見るのが、私にとっての夏の日課であり最高の贅沢でした。
嵯峨島の海は、信じられないほど青く澄み渡り、背後には火山・男岳と女岳の緑豊かな大自然が広がっています。ただ釣り糸を垂らして魚を釣るだけでなく、波の音を聞き、吹き抜ける海風を感じながら絶景を眺めているだけで、心がスッと和んでいくのが分かります。
さらに、嵯峨島での釣りの合間のもう一つの楽しみが「山の恵み」です。 嵯峨島には、とても大きく立派な「ツワブキ(島ではツワと呼びます)」があちこちに自生しています。釣り場へ向かう道中や観光の途中でこのツワブキを見つけたら、ぜひ少しだけ採取してみてください。 家に持ち帰り、しっかりとアク抜きをしてから醤油と砂糖、みりんで煮詰めた「ツワブキの佃煮」は、島民が愛する最高のおかずです。シャキシャキとした独特の心地よい歯ごたえと、フキに似た爽やかな香りが口いっぱいに広がり、炊きたての真っ白な白米と一緒に食べると、ご飯が何杯でも進んでしまうほどの美味しさです。海と山の両方の幸を一度に楽しめるのも、大自然に抱かれた嵯峨島ならではの魅力です。
嵯峨ノ島
住所:〒853-0611 長崎県五島市三井楽町嵯峨島
アクセス:三井楽町の貝津漁港から定期船で約10〜15分
地元民がこっそり教える釣り場②:アオリイカのメッカ「丹奈(たんな)漁港」

2ヶ所目にご紹介する私のおすすめ釣り場は、福江島の南西部、玉之浦(たまのうら)町にある「丹奈(たんな)漁港」です。 ここは魚を狙うのも良いですが、私としては絶対に「イカ釣り」のスポットとして強くおすすめしたい場所です。五島列島は全国有数のアオリイカ(島では水イカと呼びます)の産地であり、この丹奈漁港はその中でも特に魚影が濃い「アオリイカのメッカ」なのです。
エギングとヤエン釣りで狙う巨大アオリイカ

イカの釣り方にはいくつか種類がありますが、丹奈漁港ではルアーを使った手軽な「エギング」と、生きたアジを泳がせて狙う本格的な「ヤエン釣り」の両方で、驚くような大物のイカを大量に狙える可能性があります。
エギングは、エビの形をしたルアー(エギ)を海に投げ、竿をシャクってイカを誘うゲーム性の高い釣りです。防波堤の上からでも手軽に狙うことができ、特に秋口の数釣りシーズンには、小ぶりながらも甘くて美味しいアオリイカが面白いように釣れます。
しかし、春の産卵期に向けて深場からやってくる「モンスター級の巨大アオリイカ」を狙うなら、やはり生きたアジをエサにする「ヤエン釣り」に分があります。 アジを泳がせておき、イカが抱きついてアジを夢中で食べている最中に、糸伝いにヤエン(掛け針)を滑り下ろしてイカに引っ掛けるという、非常にスリリングで駆け引きが求められる伝統的な釣法です。 丹奈漁港の潮通しの良さと、海底に広がる豊かな藻場(イカの産卵場所)は、巨大アオリイカを育む最高の環境です。実は私も過去に、この丹奈漁港でヤエン釣りをし、自己最高記録となる「4.5キロ」という規格外のモンスターアオリイカを釣り上げた経験があります。水面に浮いてきたイカのジェット噴射のような引きと、エイかと思うような巨大なシルエットを見た時の興奮は、今でも昨日のことのように鮮明に覚えています。
潮の満ち引きを利用した「1日中楽しめる」完全攻略法
丹奈漁港のもう一つの魅力は、潮の満ち引き(タイドグラフ)に合わせて、釣りをするポイントを変えながら1日中飽きずに楽しめるという点です。
例えば、潮が満ちている時間帯は、足場が良くて安全な「堤防の上」からエギングで広範囲を探ります。 そして、大きく潮が引いてくると、堤防の奥にある普段は海に沈んでいる「地磯(じいそ)」へと歩いて渡ることができるようになります。潮が引いたタイミングを見計らってこの磯場にエントリーし、今度はヤエン釣りで警戒心の薄い大物をじっくりと狙い撃つ…。
このように、「潮が引くまでは堤防でエギング、潮が引いたら磯へ渡ってヤエン釣り」という戦略を立てることで、ポイントや釣り方を変えながら、朝から晩まで丸1日イカ釣りに没頭することができます。釣り人にとって、これほど贅沢な環境はなかなかありません。
丹奈漁港
住所:〒853-0504 長崎県五島市玉之浦町丹奈
アクセス:福江港ターミナルから車で約50分
釣った後のお楽しみ!五島の海の幸と食の魅力
釣りを存分に楽しんだ後は、五島列島の豊かな自然が育んだ「食」を堪能する時間です。

五島近海で獲れた魚介類は、どれも信じられないほど新鮮で、臭みが全くありません。 自分で釣り上げたイシダイやメジナ、アオリイカをその日のうちに捌いて刺身でいただくのは、釣り人だけに許された最高の特権です。コリコリとした身の弾力と、噛むほどに溢れ出す強烈な甘みと旨味は、都会のスーパーで買う魚とは完全に別次元の食べ物です。 アオリイカは、お刺身はもちろん、ゲソを天ぷらにしたり、バター醤油でサッと炒めたりしても絶品です。
もし自分で釣れなかった日でも、心配は無用です。 五島・福江島の島内には、地元の漁師から直接仕入れた新鮮な海産物や、五島牛、五島豚といった山の幸を使った絶品料理を提供するご飯屋さん、居酒屋、割烹料理店がたくさんあります。 分厚く切られた新鮮な刺身の盛り合わせを、五島特産の甘口醤油につけていただき、島で造られた麦焼酎(五島麦)で喉を潤す。これ以上の幸せはありません。 五島列島を訪れた際は、釣りというアクティビティだけでなく、ぜひ五島の新鮮な食材が織りなす「食の感動」も心ゆくまで味わい尽くしてください。
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深刻なゴミ問題。美しい五島の海を未来へ残すために

ここまで、五島列島の釣りの素晴らしさと大自然の魅力について熱く語ってきました。こんなにも良いことづくめの五島ですが、長年この島で釣りをし、島を愛して生きている私には、最近どうしても見過ごすことができず、深く問題視していることがあります。
それは、「海や山、釣り場周辺、そして道路などに捨てられているゴミの多さ」です。
先ほどご紹介した千畳敷のような素晴らしい磯場や、アクセスの良い堤防に行くと、心無い釣り人が捨てていったであろう仕掛けのパッケージ、絡まった釣り糸、空き缶、ペットボトル、さらにはコマセ(撒き餌)の悪臭を放つゴミ袋などが、そのまま岩陰に放置されているのを度々目にするようになりました。
「自分一人くらい、これくらいのゴミなら置いていってもいいだろう」 そのほんの少しの甘い考えとポイ捨てが積み重なり、美しい景観と自然環境を確実に破壊しています。 釣り針が刺さったゴミや、放置された釣り糸は、海鳥やウミガメなどの野生生物に絡まり、命を奪う危険性もあります。また、撒き餌の放置による悪臭が原因で、近隣住民とのトラブルに発展し、これまで自由に入れた釣り場が「立ち入り禁止」「釣り禁止」になってしまうという悲しい事例も、全国各地で後を絶ちません。
どんなに透き通った青い海も、雄大な断崖絶壁も、そこにたった一つプラスチックのゴミが落ちているだけで、風景の持つ美しさは脆くも崩れ去ってしまいます。
いつまでもこの自然豊かで魚影の濃い五島列島の海を守り、次の世代の子供たちにも「釣り人の聖地」として引き継いでいくためには、島民だけでなく、観光や遠征で訪れるすべての方々の協力が絶対に不可欠です。 もし五島へ観光や釣りに訪れた際には、海や草原などに絶対にポイ捨てをしないよう、強く心がけてください。「自分が出したゴミは必ず持ち帰る」「釣り場は来た時よりも綺麗にして帰る」。これは、釣りを楽しむ者として最低限の、そして絶対のルールです。
私も一人の釣り人として、そして五島列島に住む島民として、私生活の中で道端や海辺でゴミを見つけた時には進んで拾うなど、美しい島を守るためのクリーン活動を積極的に行っていきたいと強く決意しています。
まとめ:マナーを守って、五島列島で最高の釣り体験を

五島列島・福江島が「釣り人の聖地」と呼ばれる理由と、地元民が愛する穴場の釣りスポットについてご紹介しました。
- 短い船旅で絶景と大物を狙える、三井楽町の「嵯峨島(千畳敷)」
- 潮の満ち引きでエギングもヤエンも楽しめるアオリイカのメッカ、玉之浦町の「丹奈漁港」
潮の香りを感じ、大自然の懐に抱かれながら、まだ見ぬ大物との駆け引きを楽しむ。そして釣った後は、五島ならではの最高の食材に舌鼓を打つ。釣り人にとって、五島列島での日々は夢のような時間です。しかし、その夢の舞台は、私たちのモラルとマナーの上に成り立っています。 この素晴らしい海と自然環境を失わないよう、全員で「ゴミの持ち帰り」を徹底し、自然への感謝を忘れないようにしましょう。
ルールとマナーをしっかりと守った上で、ぜひあなたも五島列島へ竿を持って訪れてみてください。圧倒的なスケールの海と、想像を超えるような大物たちが、あなたの挑戦を待っていますよ!
編集部が実際に見て、食べて、飲んで!美味しかったものを厳選!ばらかもん、舞いあがれ!の聖地として有名になった五島市のふるさと納税返礼品のオススメはズバリこれ!
地元の人、旅行で福江島へ訪れる人、出張で福江島へ訪れる人、夕食と同じくらい昼食、ランチを食べるのに…福江島のランチ情報まとめがない。「五島商店 佐藤の芋屋」の「福江島のこと」の記事の中にも多数のランチ、ディナー情報の記事があります。この「福江島のこと」の「ランチ情報」だけ抜き出してスピンアウトしたのが、「福江島ランチーズ」なのです。
アグリ・コーポレーションでは、現在、事業拡大につき新しい仲間を探しています。地元(長崎県五島市)の方をはじめ、地元以外の移住者、移住を検討されてる方、未経験者、大歓迎です。募集職種、ご応募時の問い合わせFAQ等、詳しくは専用ページにて掲載しています。お問い合わせや質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。











