五島市の崎山地区は漁業と農業が盛んな土地柄で、普段はのんびりとのどかです。ところが毎年1月に行われる「ヘトマト祭り」は、国指定重要無形民俗文化財に指定されている、長崎県内はもとより祭り好きには全国区で知られているという立派な奇祭なのです!
福江島へ来る理由
テレビ局や新聞社も必ず取材に訪れますし、これまで「ゆるキャラ」の生みの親、イラストレータのみうらじゅん氏や俳優の井浦新氏など有名人も多数訪れるから驚きです。飛行機や船でないと五島には辿りつきませんから、そこまでしても観たい!と思わせる魅力と吸引力があるのでしょう。白濱神社へ向かう途中に、「白濱貝塚」の立て看板が。ええ?こんな住居の隣の原っぱみたいなところにあるとは思っていなかったので驚きました。じっくり説明書きを読みたかったのですが、神社のほうから賑やかな声援が聞こえてくるので後から読むことにしました。
へトマト祭り
ヘトマト祭りのスタートはお昼過ぎからです。白濱神社の境内の奉納相撲から始まり、玉せせり、羽付き、綱引きにメインのわら草履奉納と次々と進んでいきます。
白濱神社の境内で行われる奉納相撲では、大相撲の巡業の時の「ショッキリ」よろしく笑いを誘うパフォーマンスに会場も大ウケしていました。五島FMラジオのパーソナリティでもある人気者バビちゃんの立ち会い前の塩まきも、普通は空中や相手に向けて、撒いたりするのですが…おっとりと塩を自分の身体にすり込んでいて…さらに身体の柔らかさを活かし、おもむろにゆっくりと前屈、それを3回繰り返すマイペースぶりに女性達から「かわいい〜」と声援が飛んでいました。こういう面白い土俵入り見たことありますか?
その他にも崎山婦人部による美味しいぜんざいの振る舞いもありましたよ。こんなに用意してくださるなんて…身体と心に沁みる美味しさでした。その後は会場が変わるので、白濱神社を下り、三叉路とよばれる広い道路のほうへ皆でぞろぞろと歩いていきます。歩くと言ってもほんの1、2分ほどの距離です。思ったよりも観客は多く、熱気はどんどん高まっていきます。聞いた話しによると昨年の観客よりも3倍はいるのではないかとの事でした。
「玉せせり」という、藁で編んだ大きな玉のようなものを赤いハチマチと白いハチマキの人らが、投げたり奪いあったりしていまして、面白いんですが一体どういうルールでやっているのか判りませんでした。
綱引きも同じく、真剣にスタートしたはずなのに途中から観客も次々と参加し綱を引き始めて。そうか〜ルールとかそういう枠を取っ払って楽しむのが祭り本来の原点なのかもね…と勝手に解釈しましたけれども、どなたか正解を教えてください。
巨大なわら草履
そしていよいよ最後のメインは、やはり3メートルもの「わら草履」。全長3メートルもあり、さらに2枚重ねてあります。この立派なわら草履は地元の人々が毎年イチから手作りするのですよ。どのくらい時間をかけるのか想像もつきません。すごい事だと思います。重さは300kgもあります。持ち上げるだけで肩にきそうなビッグサイズにまたまた驚くばかり。それをフンドシ姿の男衆が持ち上げ、さらに若い女性を上に乗せて、わっしょいと担ぎ上げるのです。この派手なパフォーマンスは盛り上がらないはずありません!その担がれている女性のなかに行きつけの古本屋さん、本処てるてるの橋本美幸さんの姿も!!すかさずスマホでパシャリと激写!さっそく写真をメールで送信しようとしたら、こちらの姿を先に撮って送られていました。知り合いにすぐ会えるのも、五島のあるあるのようですね。
魔除け
もう一つの盛り上がりは、ヘグラというススを男衆が観客のだれかれとなく顔に塗りつけていくのです。これは、魔除けといわれるのでホントは有り難いことなのですが…みなさん「やめて〜」と抵抗しますけど、ほぼ掴まって塗られます。子どもは異様な空気を察知して大泣きし、現場はさながらカオス状態に…そして祭りの崎山には黒いススをつけられたヘンテコな人だらけ(笑)こんな面白くてエンタメ性の高いお祭りだというのに、地元に長く住んでいても未だ行ったことないという声も聞いたことがあります。お祭りの時期が他の地区のイベントと被っていることもあるのかも知れませんね。思えば、五島博物資料館でこの大きなわら草履の実物が展示されているのを見た時から「ヘトマト祭り」を生でライブで観てみたいと思っていました。それがこうして実現し、なんだか夢心地のようです。
観光客の皆さんも、この時期を狙ってくるのも楽しいと思いますよ。崎山の関係者の皆さん、今日はお疲れさまでした。そしてありがとうございます。今年も沢山の人で賑わって大盛況でしたね。崎山のヘトマト祭り、最高でした。筆者はこのコラムの執筆以外にもプライベートで「GOTOPAPER」という五島を紹介する本の編集にも携わっています。このような五島のお祭りや歴史や自然などを未来に伝える為に、紙の媒体でも残していきたいと思っています。
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地元の人、旅行で福江島へ訪れる人、出張で福江島へ訪れる人、夕食と同じくらい昼食、ランチを食べるのに…福江島のランチ情報まとめがない。「五島商店 佐藤の芋屋」の「福江島のこと」の記事の中にも多数のランチ、ディナー情報の記事があります。この「福江島のこと」の「ランチ情報」だけ抜き出してスピンアウトしたのが、「福江島ランチーズ」なのです。
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