五島・福江島に来て雨だった…そんな時は、地元に住む私が教える!福江島雨の日の観光スポットや自由研究におススメの五島観光歴史資料館をご紹介します!重要文化財や遺跡、教会、五島藩の資料も

福江城の正面、本丸跡には県立五島高校があり、北の丸跡には五島観光歴史資料館がある事をご存知の方も多いと思います。先日、自宅で地元の五島ラジオを聴いていたところ、隣接している旧五島市図書館の建物が老朽化につき、7月6日に取り壊されるとのニュースが流れました。これは、写真を撮っておかねば!と服を着替えてリトルカブを走らせました。現場まで5分足らずで到着。業者が工事の準備を始めていましたが、建物にシートなどをまだ被せておらず、写真は無事に撮ることができました。この建物の前身は1959年に建てられた「翠仙閣」という宿泊施設で、1991年五島市が改築し「福江図書館」として開館、それから30年の月日が流れました。筆者がお世話になったのは僅か半年ほどでしたが、本を借りたり雑誌を読んだり、暑いときに涼んだりするために何回も足を運び、季節を感じ、思い入れのある建物でした。心のなかで「これまでお疲れさまでした・・」とつぶやきつつ、横のお堀を眺めると、フィナーレを飾るかのような沢山の蓮の花が!見事に咲き誇っていました。まさに今が見頃のようです。8月位まで見られるそうなので、ぜひ鑑賞しに行ってみてくださいね。

今まで気になっていた資料館に初めて行ってみた。入場料は?

旧五島市立図書館のお隣にある、五島観光歴史資料館にはいつか入ってみようと思いつつ先延ばしになっていました。これもいい機会だと思い、入館してみました。建物内に入るとお迎えしてくれるのは漫画チックなカッパの絵。子どもと背比べが出来るようなレイアウトとなっています。そういえば、カッパ伝説は五島の各地にあると聞いていました。例えばですけど、夏休みなどに子ども向けに地元のお年寄りに昔話とかを生で聞けるイベントなどあれば面白そうですね。そのまま進んでいくと男女群島沖で獲れた、樹齢五千年の立派な桃色珊瑚もお出迎えしてくれています。1階の企画・パネル展や、福江島を紹介した20分程度のプロモーションビデオを無料で観ることもできるので、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょう。2階と3階は有料の展示物があり、値段は一般300円、小中高の学生は100円。撮影は禁止されているので、メモを取ることにしました。

伝統行事のコーナーで重要文化財を発見

エレベータに乗り、3階に入ってすぐ展示されているのが、下崎山地区のへトマトと呼ばれる民族行事に使われる大草履と藁玉。大草履は大きさは3メートル、重さは300キロもあり迫力満点です。毎年この大きさのものを住民自ら手作りしているとは驚きます。へトマトといえば長崎のローカルテレビで毎回取材されています。若い女性を捕まえては大草履に乗せて胴上げし、顔に「ヘグラ」とよばれる炭を塗られる・・奇祭として有名ですが、れっきとした国指定重要文化財なんです。テレビではパフォーマンス的なところしか紹介されてませんが、古くから白浜神社での奉納相撲に始まり、新婚女性の子孫繁栄を祈願しての「羽根つき」、藁玉を奪いあう「玉せせり」、青年団と消防団に別れての「綱引き」のあと、「大草履」で胴上げを行い、最後は山城神社へ奉納するという流れになっていることを初めて知りました。「へトマト」は全国から見学にくるそうです。毎年1月の第3日曜に開催されているので、興味のある方はこの時に合わせて観光予定を組んでみては如何でしょう。

すぐお隣には、お盆の念仏踊り「チャンココ」の衣装が展示されています。五島では初盆を迎えた家で、地元の若者たちが踊って供養する風習があります。名前の語源は「チャン」が鉦(かね)の音、「ココ」が太鼓の縁をたたく音と云われ伝承によると、文治3年(1187)以前より始まるといいます。死者の魂を弔う念仏踊りとされていますが、昔は豊年踊りとして、豊作をお祈りするためだったようです。福江地区では「チャンココ」といいますが、富江地区では「オネオンデ」、三井楽では「オーモンデー」と呼び方は変わります。頭の飾りや衣装も地区ごとに特色があります。これまでお盆は、実家のある長崎市のほうにいつも帰省していましたが、今年は五島に残り「チャンココ」を生で観てみたいと思っています。3階には他にも昔の農具や(かんころをスライスする道具は今使っているものと同じでした)、鯨漁の歴史や当時使用していた漁具などの展示などがありました。

五島の遺跡コーナーに貴重な天然石

2階には、また壮大なスケールの展示が続きます。2万年あまり前から人が住むようになったと言われている五島の遺跡からは、縄文・弥生・古墳時代の石器、土器、自然遺物が多く発見され、遺跡はなんと150か所余りあるそうです。これまた同僚パート仲間に、遺跡発掘のアルバイトの経験者がいて「体験してみたい!」とみんなで羨ましがっていました。しかし、発掘作業があるのは大抵なぜか夏場。相当の体力が必要でしょうね。すみません、ただ思ってみただけです。他に展示物として印象的だったのは、奈留島の「双子水晶」。ご存知の方は鉱物好きとお見受けします。双子水晶は日本では山梨県と奈留島の2ヶ所でしか獲れない貴重な天然石なのです。天然記念物として今では採掘禁止となっています。以前雑誌で知り、こうして実物を見ることができて感動しました。ただ・・正直、展示の仕方がもったいないです。出来ればもう少し立体的に展示したほうが見やすいし、双子水晶の輝きも伝わるのではと思いました。

五島を観光する前にぜひ立ち寄ってもらいたい場所です

他にも、伊能忠敬にまつわるものや、五島藩の形成、五島の教会群等、紹介しきれないものがまだまだありました。筆者は伝統芸能や、縄文土器など古いものに興味があるので、かなり見応えがありました。企画で五島の昔の写真展などもやっているようです。もうすぐ梅雨も明けそうな五島ですが、観光で雨の日などの時は、うってつけです。興味のある方はぜひ見学してみて下さいね。

五島観光歴史資料館
〒853-0018 長崎県五島市池田町1-4
TEL.0959-74-2300
入館時間:1月から5月:9時から17時(入館は16時30分まで)、6月から9月:9時から18時(入館は17時30分まで)、10月から12月:9時から17時(入館は16時30分まで)
休館日:12月29日から1月3日
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