『ばらかもん』の風が吹く街、五島列島・福江島(五島市)富江町へ
長崎県の遥か西に浮かぶ、大自然と歴史の島「五島列島」。その中でも最大の面積を持つ福江島(ふくえじま)は、近年、ある大きな盛り上がりを見せています。
それが、五島を舞台に都会育ちの若き書道家と島民たちの温かい交流を描いた人気漫画・アニメ、そしてテレビドラマ化でも大きな話題を呼んだ『ばらかもん』の聖地巡礼ブームです。作中に登場するのどかな風景や、どこか懐かしい島民たちの温かい掛け合いに魅了された多くのファンが、「あの世界観を肌で感じたい」と全国から続々と来島しています。

福江島には数多くのロケ地やゆかりのスポットが点在していますが、中でも作品の空気感を色濃く残しているのが、島の南部に位置する「富江(とみえ)町」です。美しい海とサンゴ漁の歴史を持ち、アウトドアレジャーの拠点としても知られる富江町には、聖地巡礼に訪れたなら絶対に立ち寄ってほしい素晴らしいビーチが存在します。
それが、今回ご紹介する「多郎島(たろうじま)海水浴場」です。
広大なキャンプ場に隣接し、目の前に小さな無人島を望むこのビーチは、ただ泳ぐだけでなく、五島ならではの溶岩地形を活かした磯遊びや、夏の夜を彩るキャンプアクティビティまで、島の魅力をこれでもかと詰め込んだ贅沢なスポットです。今回は、多郎島海水浴場と、併設されている「富江さんさんキャンプ村」の魅力を、実際に現地を訪れたリアルな体験レポートとともに余すところなくお届けします。
多郎島海水浴場とは?目の前に浮かぶ無人島と絶景のパノラマ

福江島の中心部(福江港ターミナル周辺)から、レンタカーを走らせて南へ約20分。アクセスの良い綺麗な道路を進んだ先にある「富江さんさんキャンプ村」の敷地内に、多郎島海水浴場は位置しています。
「キャンプ場の中にあるなら、宿泊手続きをしないと入れないのかな?」と思うかもしれませんが、その心配は無用です。この海水浴場は、キャンプ村の宿泊客でなくても誰でも自由に利用することができ、もちろん駐車場からそのままビーチへ向かって思い切り泳ぐことができます。
近頃は「海へ行っても砂浜で眺めるだけで、実際にはあまり泳がない」という過ごし方をする方も増えているようですが、この多郎島の海を目にすれば、そんな大人でも思わず水に飛び込みたくなるような不思議な魅力に満ちています。
名前の由来となった、わずか100m先の無人島
ビーチに立つと、まず目に飛び込んでくるのが、ほんの100メートルほど先の沖合にぽっかりと浮かぶ緑豊かな小さな無人島です。この島こそが、海水浴場の名前の由来にもなっている「多郎島(たろうじま)」です。
手が届きそうなくらい身近に無人島を望むロケーションは、福江島内にある他の広大な海水浴場(高浜や頓泊など)とはまた一味違った、秘密基地のような独特のワクワク感を演出してくれます。
この日は天気が見事な快晴で、見上げる空はどこまでも真っ青に澄み渡っていました。海の透明度も抜群で、遠くには五島のシンボルであるなだらかな芝生の火山「鬼岳(おんだけ)」の美しいシルエットをくっきりと望むことができました。
青い空、緑の無人島、そして五島の象徴である鬼岳。まさに「島が誇る絶景ポイントをすべて一人占めした」かのような贅沢なパノラマビューが、目の前いっぱいに広がります。そのあまりの心地よさに、今回は大の大人が3人揃って、童心に帰ったようにバシャバシャと海水に足をつけ、大はしゃぎしてしまったほどです。
火山島ならではの魅力。磯遊びと伝統の「すけ漁・灰だこ漁」
多郎島海水浴場の素晴らしさは、真っ白な砂浜と波の美しさだけにとどまりません。ビーチのすぐ近くには、火山の溶岩が海に流れ込んで固まってできた、ゴツゴツとした黒い岩場(磯)が広がっています。この独特な地形があるからこそ、多郎島は「泳ぐ」だけでなく、海の生き物たちと直接触れ合える「磯遊び」のパラダイスとなっているのです。
タイドプールに潜む海の生き物たちを観察
潮が引いていく干潮の時間帯になると、溶岩の複雑な岩肌のくぼみに、たくさんの「タイドプール(潮だまり)」が出現します。
この潮だまりの中を覗き込んでみると、取り残された小さな魚たちや、素早く動くカニ、ヤドカリ、イソギンチャクなど、多種多様な海の生物たちの姿を観察することができます。波が穏やかな磯場なので、小さな子どもたちが水中メガネを覗き込みながら、安全に自然の生態系を学ぶ場としても最適です。多郎島を訪れる際は、ぜひ水着だけでなく、濡れてもいい運動靴やマリンシューズ、そしてバケツや小さな網を持参することをおすすめします。
地元に伝わる伝統の漁法と「天然アオサ」

この多郎島の岩場は、地元・富江の人々にとって、古くから豊かな海の恵みを与えてくれる生活の場でもありました。
干潮時に岩の隙間に隠れた魚を網や手で巧みに捕まえる伝統的な「すけ漁」や、タコ穴にカニなどのエサを仕掛けて獲る「灰だこ漁」など、島ならではのユニークな伝統漁法の舞台となってきた歴史があります。
さらに、季節が冬を迎えると、このゴツゴツとした溶岩の表面には、鮮やかな緑色をした最高品質の「天然アオサ(ヒトエグサ)」がびっしりと生息します。冬の冷たい荒波に揉まれて育つ五島のアオサは、香りが非常に強く、お味噌汁やうどんの具にすると磯の風味が口いっぱいに広がる絶品です。
四季を通じて海とともに生きる、五島列島のリアルな自然の息吹を実感できることこそが、この多郎島海水浴場の最大の魅力と言えるでしょう。
目の前がすぐビーチ!「富江さんさんキャンプ村」で過ごす贅沢な時間

多郎島海水浴場のすぐ目の前に広がる「富江さんさんキャンプ村」は、島内外のアウトドア好きから絶大な人気を集める高規格なキャンプ場です。
敷地内には、広々としたテントサイトはもちろんのこと、冷暖房やキッチン、シャワーが完備された快適なバンガロー(ケビン)も複数建てられているため、「本格的なキャンプは少しハードルが高い」という初心者やファミリー層でも、気軽にアウトドア体験を楽しむことができます。
子どもたち歓喜!海とキャンプが直結した最高のロケーション

何と言っても最大の魅力は、「テントやバンガローの目の前、歩いてすぐの場所が海水浴場である」という圧倒的なロケーションです。
朝起きたらすぐに海へ走り、お腹が空いたらキャンプサイトに戻ってご飯を食べ、また海へ戻る……。子どもたちにとっては、これ以上ない夢のようなパラダイスです。
そのため、夏休み期間中はファミリー層の利用はもちろんのこと、本土からやってくる学生たちの「スポーツ合宿」の宿泊地としても非常に重宝されています。お昼は海やグラウンドで思い切り汗を流し、夜は波の音を聞きながら、みんなで大型コンロを囲んで五島牛や新鮮な海の幸を焼くバーベキュー(BBQ)を楽しむ。合宿の思い出作りにはこれ以上ない最高の環境です。
島の夜を彩る「手持ち花火」と、帰省客の憩いの場
さらに、こちらのキャンプ村では、ルールを守れば夜に「手持ち花火」を楽しむことができるのも嬉しいポイントです。最近では、都会の公園やビーチでは全面花火禁止の場所がほとんどですが、五島の大自然の中、満天の星空を見上げながら、家族みんなでお墓参りの後に花火をパチパチと楽しむ時間は、かけがえのない夏の思い出になります。
また、近年では富江町出身で島外(本土)で暮らしている人々が、夏休みのお盆休みに実家へ帰省してきた際、地元の同級生や親戚たちと集まってワイワイとBBQをしながら親睦を深める場所としても、このキャンプ村が広く利用されているそうです。
白いテラスがお洒落!海の家で味わう定番グルメと冷たいスイーツ

海水浴や磯遊びでたっぷり身体を動かし、お腹がペコペコになったところで、多郎島海水浴場のすぐ脇に建つ「海の家」へと向かいました。
ここの海の家は、青い海と空に映える、すっきりとしたお洒落な「白いテラス風」の佇まいが特徴です。テラス席にゆったりと腰掛け、目の前に広がる穏やかな海と無人島を眺めながら、心地よい海風に吹かれておしゃべりを楽しむだけでも、日常の喧騒を忘れて贅沢なリゾート気分に浸ることができます。
どこか懐かしく、確実においしい軽食メニュー

こちらの海の家で提供されているフードメニューは、厳選された定番のラインナップとなっています。
- カレーライス(甘口・中辛・辛口の3種類から好みに合わせて選べます)
- たこ焼き
- フランクフルト
今回は、海で泳いだ後の定番であるカレーと、かつお節がこれでもかというほどたっぷりと躍る「たこ焼き」を注文しました。
出来立てのたこ焼きは、外は香ばしく中はトロッとしており、かつお節の旨味と濃厚なソースが絡み合って本当に美味しかったです!パラソルの下で食べるたこ焼きは、なぜこれほどまでに美味しく感じられるのでしょうか。
丸い氷が可愛いドリンクと、火照った身体を癒やすスイーツ

ドリンクやデザートのメニューも充実しています。
定番のコーラやカルピス、大人に嬉しいアイスコーヒーに加え、若者に人気の「タピオカミルクティー」まで用意されていました。
注文したドリンクを受け取って嬉しかったのが、グラスの中に「コロンとした可愛い丸い氷」が入っていたことです。こうした海の家ならではのちょっとした遊び心や可愛らしい演出は、旅の気分をさらに盛り上げてくれますよね。
そして、真夏の強烈な太陽光を浴びて火照った身体を、一気にクールダウンさせてくれるのが、デザートの王道である「かき氷」と「ミニアイスクリーム」です。
今回は濃厚なチョコレートアイスとかき氷をいただき、冷たさと甘みが口いっぱいに広がる瞬間は、まさに至福のひととき。頭がキーンとなる心地よさを感じながら、極上の涼をとることができました。他の大規模なビーチに比べると若干メニュー数は少なめかもしれませんが、どれも外れがなく、目の前の絶景を見ながらゆっくりと味わうには十分すぎるほど満足度の高いクリエイションです。
多郎島海水浴場だけの最大のメリット:島内で唯一「8月31日まで」泳げる!

ここで、福江島への旅行を計画している観光客の方や、キャンプ村への宿泊を検討している方に、絶対に知っておいてほしい「多郎島海水浴場だけの最大の強み(メリット)」をお話しします。
実は、福江島内にある他の多くの主要な海水浴場(高浜海水浴場など)は、お盆が明けた8月25日前後をもって、そのシーズンの営業(監視員の配置や施設の開放)を終了してしまうところがほとんどです。
しかし、この多郎島海水浴場だけは、夏休み最終日の「8月31日」まで、きっちりと海水浴場を開放してくれているのです!
近年の「9月まで続く残暑」に嬉しい奇跡の設定

現在の地球温暖化の影響もあり、近年は8月下旬を過ぎても秋の気配はどこへやら、9月に入っても30度を超える猛烈に暑い日が続くことが珍しくありません。「せっかく夏休みの最後の最後まで五島の海を楽しみたいのに、どこのビーチも営業が終わってしまっている……」という事態に陥ったとき、この多郎島海水浴場は、まさに救世主のような存在となります。
8月26日〜31日という、夏の最後の最後の瞬間に至るまで、安全に管理された環境の中で、海の家を利用しながら心ゆくまで海水浴を満喫できる。これは、遅めの夏休みを取って五島を訪れる観光客の方や、宿題を終えて最後に思い出を作りたい子どもたち、そしてキャンプ村に滞在しているゲストにとって、これ以上ない最高のメリットではないでしょうか。
暦の上では秋が近づく時期であっても、五島の眩しい太陽の下、8月31日まで営業し続けてくれる。そんな素晴らしい多郎島海水浴場で、夏の最後の1秒まで最高の思い出を作ってみてください。
多郎島海水浴場・海の家の詳細情報(利用ガイド)
お出かけの前に、利用料金や営業時間などの詳細なスペックを確認しておきましょう。海の家と海水浴場で営業時間が少し異なるので注意が必要です。
- 住所: 長崎県五島市富江町土取1333(富江さんさんキャンプ村内)
- TEL: 0959-84-2920
- 海水浴場 開放期間: 毎年7月中旬〜8月31日まで
- 営業時間:
- 海水浴場: 9:00 〜 17:00
- 海の家: 10:00 〜 16:00 (※海の家の方が1時間早く閉まるため、お買い物や軽食の注文は早めが安心です)
- 各種利用料金(リーズナブルで安心):
- 桟敷(さじき)料: 1枚 200円
- 温水シャワー: 1回 100円 (海から上がった後に真水でサッパリ流せます)
- コインロッカー: 1回 200円 (貴重品の保管も安全です)
- 浮き輪(浮袋)レンタル: 1点 500円 (手ぶらで行っても楽しめます)
おわりに:五島列島の夏の締めくくりは、多郎島の海で
『ばらかもん』の聖地巡礼地として、今なお多くのファンを惹きつけ続ける五島列島・福江島の富江町。
その美しい自然と、島民たちの温かい暮らしの文化が今も息づく多郎島海水浴場は、単なる「泳ぐための場所」を超えた、たくさんの感動と体験が詰まった特別なビーチです。
目の前に浮かぶ無人島を眺めながら、溶岩の岩場で生き物たちと戯れる磯遊び。
お洒落な白いテラスの海の家で、かつお節たっぷりのたこ焼きを突きながら、可愛い丸い氷のドリンクで喉を潤すひととき。
そして、隣接する「富江さんさんキャンプ村」に宿泊し、夜は満天の星空の下でBBQや手持ち花火を囲んで語り合う最高の夜。
これらすべての体験が、8月31日の夏の最後の最後まで、途切れることなくあなたを待っています。
都会の喧騒から遠く離れ、五島ならではのゆったりとした島時間に身を委ねながら、大切な人と最高の夏のフィナーレを飾りたい。そう願う方は、ぜひ水着と運動靴を持って、富江町の多郎島海水浴場へ足を運んでみてください。
五島列島の大自然と温かい風が、あなたの訪れを心よりお待ちしております!
編集部が実際に見て、食べて、飲んで!美味しかったものを厳選!ばらかもん、舞いあがれ!の聖地として有名になった五島市のふるさと納税返礼品のオススメはズバリこれ!
地元の人、旅行で福江島へ訪れる人、出張で福江島へ訪れる人、夕食と同じくらい昼食、ランチを食べるのに…福江島のランチ情報まとめがない。「五島商店 佐藤の芋屋」の「福江島のこと」の記事の中にも多数のランチ、ディナー情報の記事があります。この「福江島のこと」の「ランチ情報」だけ抜き出してスピンアウトしたのが、「福江島ランチーズ」なのです。
アグリ・コーポレーションでは、現在、事業拡大につき新しい仲間を探しています。地元(長崎県五島市)の方をはじめ、地元以外の移住者、移住を検討されてる方、未経験者、大歓迎です。募集職種、ご応募時の問い合わせFAQ等、詳しくは専用ページにて掲載しています。お問い合わせや質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。











