
五島・福江島では、毎年4月中旬と6月中旬に田植えが行われます。私の主人の家では、食用米ではなく「WCS用稲」と呼ばれる牛の飼料用の稲を栽培しており、農薬を使わずに自然のまま育てています。
「田植え」と聞くと手作業を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は今の田植えはハイテク化が進んでいるんです。私自身、漁業が盛んな地域で育ったため、田植えの経験はほとんどありませんでした。嫁いで初めて見た田植え機の技術には驚かされました。そんなハイテクな田植えの工程や、五島ならではの農業風景を今回は詳しくご紹介します。田んぼで食べるおにぎりの味や、家族で力を合わせる田植えの時間を通じて、自然と人が共に生きる五島の魅力を感じていただければ幸いです。
五島の田植え時期と品種
五島・福江島では、4月中旬と6月中旬に田植えが行われます。4月は「早期」、6月は「普通期」と呼ばれ、それぞれ異なる品種が育てられています。早期は「コシヒカリ」、普通期は「ヒノヒカリ」や「ニコマル」が主流です。
我が家の田植えは少し遅めですが、それには理由があります。私たちが育てているのは、食用米ではなく「WCS用稲」。これは牛の餌として利用される稲で、青々とした草の状態で刈り取り、発酵させて牛に与えます。農薬も一切使わず、自然な形で育てています。
もともとは食用米も多く生産していましたが、国の減反政策により牧草や大豆、麦などへの転換が進んでいます。我が家でもその流れを受けて、現在はWCS用稲の生産が中心です。
ハイテク化された田植え作業
田植えと聞くと手作業を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、現代の田植えはハイテクです。苗は農協から購入し、約1ヶ月かけて育てたものを軽トラで田んぼへ運びます。そして、田植え機をトレーラーに乗せて移動します。移動の際はタイヤが滑りそうでヒヤヒヤしますが、主人は慣れたものでスムーズに操作しています。
最新の田植え機の仕組み
我が家で使用しているのは8条の田植え機です。横に8列の苗を同時に植えることができ、1度に48枚の苗を積むことができます。以前は6条だったため、何度も補充が必要でしたが、今ではその手間が大幅に軽減されました。田植え機には除草剤散布機能も備わっています。
田植えと同時に水草の成長を防ぐため、まんべんなく除草剤を散布。機械の作動状況は除草剤の減り具合で確認し、均等に散布されているかしっかりチェックします。
子どもたちの初挑戦!田植え機の運転
今年は子どもたちも田植え機の運転に挑戦しました。まっすぐ植えるのは思った以上に難しいですが、娘は初めての運転にもかかわらず上手に植え付け、息子は少し苦戦したようです(笑)。田植え機には「マーカー」というライン引き機能が付いており、次のターンの目印を自動でつけてくれます。このラインに沿ってハンドルを操作するだけで、正確に田植えが進むのです。最初は難しく感じますが、慣れると楽しくなります。
ターンと「えぶっ」の役割
田んぼの端でのターンは慣れが必要です。特に小さい田んぼや形がいびつな田んぼだと難易度が上がります。一度植えた場所をタイヤで踏んでしまうと、土が盛り上がり雑草が生えやすくなるため、「えぶっ」と呼ばれる道具で土を平らにならします。五島弁では「えぶっでつけ」と言います。
亡き義父が私の「えぶっ」の技術を褒めてくれたことを思い出しながら、今は息子がその役割を引き継いでいます。親子で受け継がれる農作業の知恵を大切にしたいですね。
田んぼで食べるおにぎりの美味しさ
無事に5か所の田植えを終え、田んぼで食べるおにぎりは格別の味でした。子どもたちも学校で手植え体験をしているため、機械作業と手作業の両方を知っています。その経験から、機械の便利さを実感できているようです。もし、田植え体験に興味のある方がいれば、ぜひご連絡ください。機械化された田植えのスムーズさを体感しながら、農業の魅力を感じられるはずです。
五島の田植え体験
今年も順調に進んでいますが、次は6月の田植えです。気温が上がるので熱中症対策をしながら、無事に終えたいと思います。五島の美しい風景と共に、成長する稲の姿を見守っていきます。
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地元の人、旅行で福江島へ訪れる人、出張で福江島へ訪れる人、夕食と同じくらい昼食、ランチを食べるのに…福江島のランチ情報まとめがない。「五島商店 佐藤の芋屋」の「福江島のこと」の記事の中にも多数のランチ、ディナー情報の記事があります。この「福江島のこと」の「ランチ情報」だけ抜き出してスピンアウトしたのが、「福江島ランチーズ」なのです。
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