五島・福江島の田植えとは?五島の田植えの時期は?田植えはハイテクなの?田んぼで食べるおにぎりの味は格別!田植えはきつい、大変というイメージが大きく変わります!

私の主人の家は農業を営んでいます。漁業が盛んなところで生まれ育った私は、田んぼもあまり見たこともなかったので、嫁にきて初めて田植えを見た時は、ハイテクでかなり驚きました。それは…田植えイコール手植えのイメージが強かったからです。先週、初めて田植えを見たという手伝いに来てくれた移住者の方の目にも、かなり新鮮に映ったそうです。そんな感じなので、田植えを全く知らない方にもわかるように、解説したいと思います!

五島の田植えの時期

五島・福江島では、4月中旬と6月中旬に田植えをします。それぞれ早期と普通期で、早期はコシヒカリ、普通期は、ヒノヒカリ、ニコマルという品種を主に五島では作っています。我が家の田植えが遅いのは、食用米ではなくWCS用稲といって牛が食べる餌として作っているため、時期は少々遅れても大丈夫だからです。稲穂が出ないうちに青い草の状態で刈り取りし、梱包して発酵させ、牛の口に入ります。農薬は使いません。もともとお米をたくさん作っていましたが、国の減反政策で、牧草、大豆、麦などお米以外のものを生産することを推奨しているからです。

苗は、農協から買います。以前は我が家のハウスで育苗していましたのですが、面積が増えた為、難しくなりました。約1ヵ月種から育った苗を軽トラで田んぼまでせっせと運びます。田植え機はけん引のトレーラーに載せて移動します。田植え機を載せたり降ろしたりする作業は主人しかできないのですが、いつ見てもタイヤがすべったりして落ちないかヒヤヒヤします。本人は慣れているので平気だそうです。

田植えはハイテク!?

田植え機をおろすと苗を補充します。プラスチックの板で箱に入った苗をすくい、田植え機の上にセットし、補充用も前の棚に置きます。我が家は8条の田植え機で、横に8列も苗を入れられます。1度に48枚の苗を積むことができるのでとても楽です。何年か前は6条だったのですが、2往復するたびに苗を積まないいけず、女の人は大変です。苗は結構重いです。今は本当に楽になりました。

田植えと同時に散布する、除草剤も容器に補充します。田植えした後にすぐに生えてくる水草をシャットアウトします。もし、機械がうまく作動していなかったら、除草剤の減りが悪いので、ちゃんと減りが進んでいるかチェックします。スライドになっていて、田植えの動きに合わせ、まんべんなく散布してくれる優れものです。これもよくできている仕組みです。

いよいよ田植え!子どもたちも田植え機の運転に挑戦しました!まっすぐ植えるのは難しく、性格が出るのか、センスなのか、意外と娘のほうがとても上手に植えることができ、息子は強制退去させられました(笑)田植え機の凄いところは、進みながら、横ではマーカーで田んぼにラインをひき、次にターンする時はそのラインを中心にして田植えをすれば良いということです。田植え機の先端中心部には棒がついており、その棒とラインを重ねて見るようにして、ハンドルを握ります。結構、集中力がいるかもしれませんが、慣れたら楽しいのです。

ターンは難しい?

ターンで時間をとられるので、面積の小さい、いびつな形の田んぼより、面積の広いまっすぐな長方形の田んぼの方がスムーズにできます。真ん中を直線に田植えした後に、最後ぐるっと一周周りを田植えして最後に田んぼの出口にちょうど来るように計算しないといけません。一度田植えしたところの上にタイヤを走らせると2度手間になります。タイヤの後は土がもりあがってしまいます。水より上に土が出ると、雑草が生える原因になります。なのでT字の道具で土を平たんにならします。正式名称はわからないのですが、五島弁で「えぶっ」って言っています(笑)「整地して」って頼む時、「えぶっでつけ」とよく言います。亡き義父が私のことを「えぶっでつくのがじょしか(上手)ね~」とほめてくれたのを思い出します。その血を息子が受け継いでおります。運転の未熟さをここで挽回していました(笑)

田んぼで食べるおにぎりの味

子どもたちが手伝ってくれたおかげで今日のノルマ5か所の田植えが終わりました。最後に田んぼで食べるおにぎりの味は格別です。子供たちは、学校でもお米作りをしていて、田植えも稲刈りも全部手作業なので、機械と手作業どちらも知っており、他の子たちよりもいい経験をしています。手作業を知っているからこそ、機械の便利さに頭が下がります。もし、田植え体験したい方はご連絡お待ちしています。田植えが大変、きついというイメージが変わりますよ。今年は、まだ涼しいのではかどりますが、6月の田植えは暑いので熱中症対策をしながら頑張って田植えしたいと思います。