
今や料理のレシピは料理本よりもSNSから探す時代です。そんなSNS上で最近「さつまいも レシピ」と検索すると高確率でヒットするレシピがあります。それは定番の大学芋でもなければ、スイートポテトでもなく「粉雪さつま」というさつまいも料理のニューフェイスです。多くの人に支持されている粉雪さつまとは一体何者なのか?料理研究家が実際に作り方をレクチャーしながら、その美味しさの秘密に迫ります。
粉雪さつまいもは温かい料理
粉雪と聞くと、冷たい料理を想像するのではないでしょうか?確かによく氷菓などでは粉雪と名付けられた商品が見られます。しかし、粉雪さつまいもはアイスでもカキ氷でも、冷やして食べる料理でもなく温かい料理なのです。では、一体どこが粉雪なのかといいますと、それは見た目にあります。さつまいもの回りに付いた砂糖がまるで粉雪のように見えるところからついた名前です。とはいえ、たださつまいもに砂糖をまぶしただけではありません。しっかりと粉雪になるためのテクニックがあります。でも、とても簡単な作業です。この粉雪テクニックを加えるだけで、さつまいもの美味しさが爆上がり!SNSのコメントにも「絶対美味しいヤツ」「早速作ります」といったコメントが溢れています。そう聞けばさつまいも好きとしては試さない理由はありません。早速、その作り方とポイントをお伝えしていきます。
粉雪さつまいもの材料(2人分)
- さつまいも・・・100g
- バター・・・10g
- 砂糖・・・大さじ1
- 水・・・小さじ1
さつまいもの種類は何でも大丈夫です!今回は茨城県産の紅あずまを使用しました。バターも有塩、無塩どちらでも可能です。塩気が気になる方は無塩バターを選びましょう。砂糖は粉雪にするのには上白糖やグラニュー糖が向いています。
粉雪さつまいもの作り方
さつまいもは皮付きのまま厚さ1cmの食べやすい大きさに切る
形は何でもOKですが、食べやすさはいちょう切りがベスト。少し大胆に輪切りや半月切りにしても見栄えがしそうです。皮付きのまま料理するので、しっかり洗ってから使ってくださいね。たまに、皮に黒い物が付いているので腐っているのではと質問をいただくことがありますが、これは腐っているのではなく、蜜があふれたもの。むしろ美味しい証拠なので、破棄しないようにしましょう。
5分ほど水にさらし、キッチンペーパーで水気を除く
水にさらすのはアクを除くためです。たまに切り口が紫色っぽくなっているものがありますが、このような場合はお酢を少し入れると綺麗に仕上がります。普段は水にさらした後はしっかり水気を除くことが必要ですが、今回はなしで大丈夫です。ちなみに他の料理では水気を除かないと加熱時に跳ねたり、仕上がりが水っぽくなる原因になります。
耐熱容器にさつまいもを入れて、ふんわりとラップをかける。500Wの電子レンジで3分加熱する
先ほど水気を除かなくても大丈夫だったのはこのためです。電子レンジ加熱の際に水気が全くないと、パサパサしたり固くなる原因になります。ラップはぴったりとフタをしてしまうと、レンジ加熱中に爆発することがあるので、あえて緩めにかけて、空気の逃げ道を残してあげましょう。
フライパンにバターを入れて中火で溶かし、さつまいもの表面がキツネ色になるまで焼く
火加減は中火から少し弱めをキープしましょう。早く焼き上げたい一心で強火にしてしまうと、バターが焦げる原因になります。火加減は意外と正しく理解されていないことが多いのですが、中火とはガスの火の先がちょうどフライパンに当たっている位のことです。それ以上は強すぎるので注意してください。電子レンジで中まで火が通っているので、ここでは表面の焼き色が付けばOKです。
砂糖と水を加えて溶かす。火を止めて、砂糖が結晶化するまで混ぜる
いよいよ粉雪が降る作業がやってきました!砂糖が溶けたら、火を止めて混ぜ続けましょう。火をつけっぱなしにしていると、粉雪ではなくキャラメルのような仕上がりになってしまうことがあります。直ぐには結晶化しないので、本当に粉雪になるのか不安になるかもしれませんが、信じて混ぜ続けてみてください。そのうち粉雪が舞ってきますよ!どうしても結晶化しない!というときは、一瞬だけ強火にかけてみてください。混ぜる時はあまり強い力を加えると、さつまいもが潰れてしまうことがあるので、ふんわりと、それこそ粉雪のように混ぜましょう。
新しいさつまいも料理「粉雪さつまいも」まとめ
ありそうでなかったさつまいも料理。でも材料を見れば美味しいこと間違いなしの組み合わせです。一回しか使わないようなお洒落なスパイスなども不要で、家に常備しているような材料だけで作れるところも高ポイントなところです。ただ、焼いたさつまいもに砂糖をまぶすのではなく、結晶化させるひと手間を加えることで、見た目も口の中に入れたときの感動も見違えるほど変わっています。これはどんどんお箸が進んでしまうこと間違いなし!SNSで大人気なのも納得です。
定番のさつまいも料理に飽きてしまったとき、珍しい料理でおもてなししたいときにぜひとも作ってみてはいかがでしょうか?