福江島の進学事情を解説!移住を検討している人必見!福江島(五島市)にはどんな高校があるの?高校卒業後の進路は?この春、公立高校へ入学する子の親目線で徹底解説します

この春、娘が無事に高校に合格し、五島高校に入学します。合格発表は卒業式の翌日、ネットで閲覧します。もし…万が一落ちたら、翌日には私立の高校の後期試験の願書を提出しなければならないので、大変です。島内には公立高校しかなく、私立は長崎本島に行かないとありません。下宿か寮生活でお金がすごくかかるので親として避けて通りたい道です。

定員割れしているとはいえ、3月6、7日に後期試験を受けてから落ち着かない日々でした。合格して「ほっ」としたら、次は入学説明会に制服などの注文と親はバタバタしますね。

福江島にはどんな高校があるの?

五島高等学校

五島で大学進学を考えているなら進学校であるこの高校に行かないといけません。進学クラスの普通科とは別に、県内でも珍しいスポーツ科と衛生看護科があり、島外からの入学者もおり、寮もあります。普通科は長崎大学、熊本大学、九州大学など九州の大学に進学する人が多いです。2022年度の国公立大学の進学者は62名だそうです。受験者の66.7%が合格。五島の高校のなかで一番厳しい学校で、補習や学習合宿などスケジュールも過密で部活動との両立はきついとよく聞きます。説明会では、その分大学での勉強が楽だと話す卒業生が多いと豪語しておりました。衛生看護科は最近男子生徒も珍しくなくりました。五島中央病院で本格的な看護実習を受けます。卒業後は看護専門学校にすすみ正看の資格をとります。比較的新しい校舎で、近代的な造りです。場所は福江港に近く、全国でも珍しい城跡のお堀内に校舎がある高校です。五島で唯一定時制高校もあります。不登校の子たちが行くケースが増えています。

長崎県五島市池田町1-1
TEL:0959-72-3505

海陽高等学校

島の中心部にある坂の上にある高校です。高校からは福江の町を一望できます。総合学科と呼ばれる普通科があり、昔は就職が中心の商業科のみでしたが、今は途中で進学への希望に変更したい生徒も増えてきている現状もあり、進学の対策もやってくれています。2022年は進学6割、就職4割と、進学率のほうが多いのが意外です。ただ長崎県内の大学が多いとのこと。進学のうち歯科衛生士や看護専門学校への進学が73%、大学への進学が13%。そのほかは県内または県外への就職だそうです。

長崎県五島市坂の上1丁目6-1
TEL:0959-72-1447

五島南高等学校

岐宿町川原地区の田園風景の中にある南高等学校はその年によって、入学数がバラバラではありますが、1クラスしかない小さなアットホームな高校です。主に就職が多く、島内55%(五島市役所やスーパーなど)県内18%、県外27%(自動車関連の会社)。分母が低いので、人数こそ少ないですが、学校が地元への就職に積極的に取り組んでいることがわかります。アグリ・コーポレーションに2名卒業者が入社してます。普通科なので、専門学校、4年制大学への進学ももちろん可能です。離島留学生の受け入れもしており、専用寮もありますので、もし興味のある方はお問い合わせください。

長崎県五島市岐宿町川原3487
TEL:0959-82-0038

高校受験までのスケジュール

進学率は、中学校で配布された各学校のパンフレットを参照しております。どの高校も6月に学校説明会が開かれます。夏休み期間の7月末から8月第1週目にかけてオープンスクールも実施します。事前申込が必要です。文化祭、体育祭も見学できます。また、私立高校からのPRも多く、今年度は鹿児島の高校からわさわざ五島まで足を運び、学校説明会を開きました。県内の海星高校、鎮西学院高校、長崎南山高校は、五島市内の施設の会議室などで、島内受験も実施してくれるので本当に助かります。ちなみに大学入試のセンター試験も以前は海を渡って長崎大学まで試験を受けに行っていましたが、今は、五島高校で受験が可能です。私立高校や大学受験で島外に出る時は「学生進学受験者割引」が適用されます。割引申請の書類は学校でも配布しています。話を高校受験に戻すと、長崎県内では前期試験が2月初旬、ほとんどの人が受ける後期試験は3月初旬にあります。そのほか学校の推薦を受ける推薦入試、高校の監督からオファーを受けてほぼ面接や作文だけで受かるスポーツ推薦があります。生徒数が一番多い福江中学校では、親の転勤も含め毎年15~20人ほど、島外の高校へ進学します。就職進学などで200人くらいの若者が島外に出ていることになります。五島では若者の流出問題を打破すべく、高校生や新卒者向けの企業説明会も年に数回行い、アグリ・コーポレーションも参加しています。また、どの高校でも地元五島の企業や環境のことなどを知り、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、郷土愛を育てるカリキュラムを積極的に授業に組み入れています。将来の夢は、まだ見つからないけど大学に進学したいと思う子は五島高校に進み、その他の子は残りの2つの高校のいずれかに進むという固定概念は五島の人の方にはまだあります。

でも大切なのは入学してからのことで、何を多く学び、将来の何の仕事に就きたいか?だけでなく、いずれは大学卒業後など、島に残るか残らないかを考えないといけません。陸続きではない離島だからこそ皆、悩むのです。