五島列島・福江島でおすすめの教会5選!教会巡りの参考に(教会マップも)

江戸時代より、隠れキリシタンが密かに信仰を守り抜いてきた五島列島。福江島でも、明治時代に宗教の自由が認められるようになって以降は、多くの住民がカトリックを信仰するようになり、その当時からの教会が現在でも残っています。福江島には、日本のキリスト教史に深く関わる美しい教会が点在していますが、これらを巡ることにどんな意味があるのでしょうか?五島列島で最初に建てられた堂崎教会から始まり、各教会が持つ独自の歴史や建築美は、単なる観光スポット以上の価値を提供します。例えば、堂崎教会では隠れキリシタンの歴史を伝える資料も展示され、訪れる人々は迫害の時代に思いを馳せながら、キリスト教の深い歴史を学べます。また、水ノ浦教会や楠原教会は、それぞれ独特の建築様式と歴史を持ち、福江島の文化と信仰の融合を体感することができる貴重な場です。これらの教会を巡ることで、福江島が持つ豊かな歴史的背景と、キリスト教徒たちの強い信仰心に触れられるという深い旅が待っています。本記事では、有名でおすすめの教会を5つ紹介致します。

堂崎教会

福江島-堂崎教会

最初にお伝えするのは、福江島の代表的な教会として紹介されることも多い、堂崎教会です。特徴は、なんと言っても赤色のレンガ造りの鮮やかな赤色の聖堂。建物としての価値も高く、1974年には長崎県指定有形文化財に指定されています。堂崎教会は、明治時代にキリスト教の信仰が自由になった後、五島列島で最初に建てられた教会ですが、保護の聖人は豊臣秀吉の命令で1597年に処刑された「日本二十六聖人」であるなど、古くからキリスト教徒が隠れ住んでいた福浦地区の歴史がよく反映された教会でもあります。

福江島-堂崎教会2

実際、堂崎教会の中に入ると、随所にキリシタンの遺物の展示物が存在し、江戸時代の隠れキリシタンや、潜伏キリシタンの歴史を伝える資料館としての役割もあります。福江島や五島列島のみならず、日本におけるキリスト教の歴史を知りたい方には、是非とも訪れることをおすすめする施設です。福江港からは車で20分、バスの場合は天守堂入口停留所から歩いて3分で到着します。

堂崎教会
長崎県五島市奥浦町堂崎2019
TEL:0959-73-0705
内覧時間:9:00~16:00(11月11日~3月20日)、9:00~17:00(3月21日~11月10日)
休日:12月30日~1月3日

水ノ浦教会

福江島-水ノ浦教会

続いてご紹介するのは、水ノ浦教会です。海を見下ろす丘の上に建てられた、白亜の聖堂が映える美しい景色で知られています。この聖堂は1938年に改築されたもので、ロマネスコ・ゴシックといった西欧の伝統的な建築様式に和風のテイストが加わったもので、建築物としても特徴的なものです。高台には、「日本二十六聖人」で五島列島出身者の「ヨハネ五島」の像や、弾圧時代の牢屋の跡もあり、解禁前のキリスト教信仰の苦しさをよく伝えている教会でもあります。堂崎教会同様、日本におけるキリスト教の歴史をよく知りたい人には欠かせない教会と言えるでしょう。福江港からは車で20分、バスを利用される場合は、水の浦バス停から徒歩2分でアクセス可能です。

水ノ浦教会
長崎県五島市岐宿町岐宿1643-1
TEL:0959-82-0103
営業時間:9:00~16:00(ミサや教会行事等の場合は不可)

楠原教会

福江島-楠原教会

3つ目にご紹介するのは楠原教会。福江島に現存する教会の中では、堂崎教会に次ぐ2番目に古い教会です。1912年に建てられた赤いレンガ造りのゴシック様式からは、いかにも信仰の場としての荘厳な雰囲気が伝わってきます。この教会が建てられた楠原地区は、大村湾から渡ってきた潜伏キリシタンが最初に開拓した地です。教会の隣には、捕らえられたキリシタンを収容した牢屋も残っています。キリスト教弾圧の象徴とも言える牢屋と、禁教が解かれた後に建てられた異国情緒あふれる赤煉瓦の教会。山あいにあるため、福江港から車で30分かかるなど、交通の便には恵まれない場所ではありますが、五島列島のキリスト教の歴史に思いを寄せる際には是非とも立ち寄ってみたい場所です。

楠原教会
長崎県五島市岐宿町楠原
TEL:0958-46-4248

貝津教会

福江島-貝津教会

続いてご紹介するのは貝津教会です。1924年に建てられ、1962年に増改築された、古い歴史を持つ教会です。素朴な木造の教会はうまく住宅街に溶け込んでおり、地元に根付いているということが伺えます。中に入ると鮮やかなステンドグラスがあります。地元の人々が手作りで作ったグラスは、時間ごとの光の差し込み方で色合いが変わり、訪れる時間ごとに違った光景を楽しめます。西日が差し込む夕暮れ時には壮大な光景を見ることができるので、時間をうまく合わせて訪れてみるといいでしょう。福江港からは、車で40分ほどでアクセス可能です。

貝津教会
長崎県五島市三井楽町貝津郷458
TEL:0959-84-2585

井持浦教会

福江島-井持浦教会

最後にお伝えするのは井持浦教会。大村藩から移住した隠れキリシタンが塩造りを行っていた地域にある教会で、かつては1897年に建てられた五島列島でも最古の歴史を持つレンガ造りの聖堂が存在し、地域の人々に親しまれていました。その建物は残念ながら台風で倒壊してしまい、現在の教会は1988年にコンクリート造で建てられたものではありますが、荘厳な雰囲気は今でも残っています。また、井持浦教会は、日本最大かつ最古となるルルド(多くの奇跡が起きたとされる、南フランスの町ルルドにある泉を模した洞窟)があることで知られています。このルルドには、福江島中の奇岩、珍石が集められ、また奇跡の泉水と聖母像は本場のフランスから運ばれて、1899年に作られました。人工の洞窟ではあるものの、神聖な雰囲気が強く伝わる場所であり、キリスト教の聖地として日本全国から人々がやってきます。福江港からは車で50分(バスの場合、ルルド前停留所から徒歩1分)と、アクセスは他の教会に比べてあまり良くないものの、島における他の教会にはない全国的な聖地としての特色を持つ教会であるため、キリスト教信仰の現場を見てみたいという人は訪れてみてはいかがでしょうか。

井持浦教会
長崎県五島市玉之浦町玉之浦1243
TEL:0959-87-2023
営業時間:9:00~17:00(ミサや教会行事等の場合は不可)

まとめ

福江島教会まとめ

いかがでしたでしょうか。数百年に及ぶ弾圧の歴史と、キリスト教信仰解禁後に建てられた多くの信仰の場を持つ福江島。地区ごとに建築的にも特徴的な教会があり、見せる姿は多様です。堂崎教会は、明治時代に五島列島で最初に建てられた教会で、隠れキリシタンの歴史を今に伝える資料館としても重要な役割を果たしています。水ノ浦教会では、西欧建築と和風の融合が見られ、キリスト教弾圧の苦難を象徴する場所となっています。楠原教会や貝津教会も、それぞれ独特の建築様式や地域に根ざした歴史を持ち、訪問者に深い感動を与えます。特に井持浦教会は、日本最大のルルドを持つ聖地として全国的に知られ、他の教会とは異なる神聖な雰囲気が漂います。

それぞれの地区は離れているものの、五島列島の歴史を振り返る上でも欠かせない場所なので、是非とも何箇所かは訪れてみることをおすすめします。ただ、多くの教会は今でも信仰の場として地元の人々が利用しています。ミサなどが行われている場合は、拝観を控えるようにしましょう。また拝観にあたってはルールも多数ございます。長崎県観光連盟のホームページなども参考に、十分に注意して見学するようにしてください。