さつまいも博2023へ行ってみた!さつまいも博会場の様子と行列していた店舗の人気!焼き芋を実食レビュー&さいたまスーパーアリーナ混雑の攻略法も紹介!

2023年2月23日、私はとある行列に並んでいた。焼き芋を買うための行列にである。場所はさいたまスーパーアリーナ。そう「さつまいも博2023」に行ってきたのである。さつまいも博とは、日本各地から本当に美味しいさつまいもと焼き芋が大集合するイベントで日本最大級のさつまいもの祭典、なのだ。この記事では、さつまいも博の会場の様子や筆者が実際に参加して感じた、さつまいも博の攻略法をご紹介しよう。

入場から混雑を覚悟せよ

さいたまスーパーアリーナの最寄り駅は、「さいたま新都心」。JR京浜東北線か、JR上野東京ライン(宇都宮線、高崎線)を利用し、駅から徒歩3分ほどである。改札を出てアーチ形の屋根を抜け、進んでいくと…、会場発見!少し皮を剥かれたさつまいものオブジェが出迎えてくれている。会場の入り口を探すと、どうやら前売り券を購入していてもリストバンドをもらわねばならないようだ。前売り券引換所なる青いテントを発見したが、何だこの行列は…。スマホの画面を見せてサクサク進んでいく入場を、勝手にイメージしていた私がいけないのだが、早くも洗礼を浴びた気分だ。

思い起こせば、約2か月前の2022年12月31日も、私はさいたまスーパーアリーナにいた。大晦日恒例の格闘技観戦のためである。その日は、大晦日にふさわしく、日本の総合格闘技団体「RIZIN(ライジン)」と、アメリカの総合格闘技団体「Bellator MMA(ベラトール・エムエムエー)」との、団体の威信をかけた対抗戦が行われたのだ。日本の格闘技が世界最高峰と呼ばれていた、約20年前を彷彿させる演出と、世界の強豪達が日本に集結した大晦日のさいたまスーパーアリーナに、大観衆は熱狂していた。そして、今、さいたまスーパーアリーナには、全国から焼き芋の強豪達が集結しているのである。

そんなことを考えているうちに、順番が来て、入場するためのリストバンドを入手した。

さらに、さつまいも博のオフィシャルガイドブックと、協賛の株式会社ヤクルト本社から「肝ファイン」なるドリンクが1本、焼きいもグランプリの投票用コインが2枚、来場者に配布された。列に並んだ時間は約20分。偶然かも知れないが、私と同時に並んだ人が、私よりも早々に行列から居なくなっていたので、一番端の列の方が、流れが速いように思えた。次回、また前売りで並ぶ機会があれば、端を狙うべきか。なにわともあれ、入場口に向かおう。午前中に筋トレを終えた私の体が、さつまいもの糖質を欲しがっているのだ。

会場内に多数並ぶ焼き芋店と、さらなる人の群れ!

入場前の行列は予想外だったが、会場内の混雑は、ある程度の予想と覚悟をしていた。そのため今回は、約30程ある焼き芋店の中から、行きたいお店の狙いはある程度つけていた。なぜなら、現地で決めようと思っても、これだけの店舗数があると迷うに決まっているからである。

時折、牛歩のような進み具合になりながら、人混みをすり抜けながら、やっぱりあのお店も気になると思いながら、最初の目的地に向かう。なお、今回選んだいくつかのお店は、私自身の好みや直感などから、独断で決めたものであることを、あらかじめ記しておく。

熟成焼き芋Land &potato

まず最初の目的店舗は、「熟成焼き芋Land &potato」。なんでも、筋トレ芋野郎が情熱で芋を焼くお店らしい。筋トレ芋野郎と聞いて、この店に行かないさつまいも好きトレーニーはいないだろう。周りにトレーニーらしき人たちはいないように思えるが、それでも、なかなかの行列ができている。最後尾に並ぶと、メニュー表とペンを渡された。並んでいる間に、購入したい商品を記入しておくスタイルだ。考える時間は十分にありそうだし、自分の番が近くなって焦るのは避けたいので、このスタイルは嬉しい。焼き芋だけでなく、干し芋や、スコーンなど、幅広いラインナップだ。

この冬のさつまいも博では、焼き芋を中心に攻めようと考えていた私は、熟成焼き芋安納黄金、熟成冷やし焼き芋なると金時、この2点を選んだ。まるでスイーツショップのような、オシャレな紙袋に入れてくれた。

まずは、熟成焼き芋安納黄金からご紹介しよう。安納黄金は、安納芋の品種の一つである。安納芋と言えば、さつまいもの中でもトップクラスの知名度を誇る人気品種だ。中を割ってみると、期待を裏切らない、ザ・安納芋と言ったビジュアルだ。他のさつまいもよりも丸みを帯びた安納芋のフォルムだからこそ、おいもを割ったときのこの迫力が出るのだと思う。申し分のない甘さ、ねっとりとした濃厚食感に、沢山の人が魅了され続けているのだろう。

続いては、熟成冷やし焼き芋なると金時だ。なると金時は、安納芋とは対照的に、ホクホク系に分類されるだろう。このように、様々な種類の焼き芋を一度に楽しむことができるのがたまらなく嬉しい。ホクホク系とは言え、パサパサ感はなく、ほどよい滑らかさがある。そして、栗のような甘さを堪能できる。美味しいなると金時に出会ったことがない、そんな人は、ぜひ食べてみてほしい。

選んだ2品は、どちらも大当たりだった。ありがとう、筋トレ芋野郎。なお、こちらの店舗での購入に要した時間は約20分だった。

超蜜やきいもpukupuku

次に目指したのは、事前にさつまいも博のサイトで出店ラインナップを見ていた際に、その見た目に惹かれてしまった、超蜜やきいもpukupukuである。溢れんばかりというよりは溢れ出てしまっている蜜は、果たして本当なのか、確かめたかったのだ。幸い、行列は少なく、5分ほどで購入できた。こちらで販売しているのは、焼きたて、または、冷凍の2種類だ。使用している品種は紅はるか。

しかしながら、焼きたてのさつまいもは一人一本まで、という制限があった。

今回は、焼きたてのみを購入した。昔ながらの茶袋に入った焼き芋というのも、なかなか味わい深い。なんてことを考えていたら、袋にこんな染みができているではないか!

まさか、これは蜜。恐るべし超蜜、である。お店では、茶袋に入れて、さらにビニル袋に入れてくれるので、おそらく大丈夫だとは思うが、茶袋だけの状態で、何かカバンなどに入れるのは避けた方が良いだろう。

アルミホイルから出してみると、蜜びたし、である。ドット柄に皮を剥かれているが、おそらく、これが超蜜の秘密ではないだろうか。

見た目に負けず劣らず、脳がとろけるぐらいの甘さで、まるでキャラメルのようだ。

そして、蜜びたしになり、これ以上ないぐらいの柔らかな極上の食感、まさにエクストリームの焼き芋を、ぜひ試してみていただきたい。

神戸芋屋 志のもと

3店舗目は、混雑具合の最激戦区であろうと事前予想していた、神戸芋屋 志のもと。2020年に行われた、全国やきいもグランプリ、初代チャンピオンのお店である。行ってみると、思いのほか行列が少ない。と思いきや、最後尾のスタッフが持つ看板に、「次の案内は●●時~」と書いてある。時間ごとに並べる組数を制限しているようだ。こうでもしないと、行列が大変なことになってしまうのかもしれない。タイミングよく、次回の呼び込みが始まったので、急いで並んだ。と思いきや、「あと何組まで」と案内が始まった。これはタイミングが合わないと、列に並ぶことさえできなかったかもしれない。

このお店での狙いは、全国やきいもグランプリ受賞商品のシルクスイートと、蜜はるかだ。しかし、ここで思わぬ事態が…。私の数人前で、シルクスイートの単品販売分が無くなってしまったのだ。残るはセット販売のみ。私が狙っていた、シルクスイートと蜜はるかを網羅するのは、5本セットなのだが、それでは明らかに予算オーバー。すると、スタッフさんが、3本セットの内容を変えてくれるとのこと。スタッフさん、ありがとう。約25分を要して、初代チャンピオンの焼き芋を入手した。

さて、全国やきいもグランプリ初代チャンピオンの実力とはいかなるものか。まずは、やはりシルクスイートから食べてみよう。袋に品名の記載がないのがシルクスイートとのこと。

割ってみると、こんなに瑞々しいシルクスイートは、これまでに見たことがない。この時点でただものではないことがわかる。さらに、その甘さは、紅はるかに匹敵するかのようだ。繊維質の少ない、まさに絹のような、なめらかな舌触り。最強のシルクスイートと言っても過言ではない。チャンピオンにふさわしい、圧倒的なシルクスイートだ。

お次は、蜜はるか。抜群の甘さ、しっとりなめらかな食感から、おそらく紅はるかと思われる。シルクスイートだけでなく、こちらの蜜はるかも、そのポテンシャルをいかんなく発揮している焼き芋に仕上がっている。

蜜はるかは、仮に、どのお店に行ったとしても、エースになれる存在だろう。それぐらい十分に美味しいのだが、志のもとのエースがシルクスイートであるということに、このお店の層の厚さを感じさせられた。

3本セットの最後は、里浦ゴールド。鳴門金時を熟成させたものが、この里浦ゴールドらしい。これまで食べた焼き芋とは対照的に、まさにホクホク系の焼き芋だ。昔ながらの焼き芋で、このホクホク感はなんだかほっとする。実家のような安心感だ。

派手さはないが、バランスの取れた美味しさで、なかなか味わい深い。焼き芋の原点をアップデートしたような、焼き芋の素晴らしさを再確認できる存在かも知れない。

さつまいも博はこう攻略せよ

私がさつまいも博に初参戦して感じた、攻略法をご案内しよう。時間とお金に糸目をつけず、ノープランで臨むのも楽しいと思うが、そうでない場合は少しでも次回の参考になれば幸いである。

  • チケットは前売りで購入すべし(当日券の列の方が凄いし、前売りの方が安い)
  • 行列の覚悟をしておくべし(人気店では20分以上の行列は必至)
  • 行きたいお店を決めておくべし(ここは絶対に行きたい、ここは余裕があれば、とランク分けまでしておくと尚良し。絶対に行きたいお店は、何分並んでも買うぞ、という意気込みも必要だ)
  • 予算を決めておくべし(会場に行くと、あれもこれも食べたくなってしまうので、気が付けば驚くほどお金を使っていた、となりかねない)
  • 荷物は少なめで行くべし(両手が空いた状態でないと、食べたり飲んだりが困難だ)
  • 天気予報はチェックすべし(会場は外なので防寒、防暑対策が必要)

出典:さつまいも博公式ホームページ
https://imohaku.com/

チケットは概ね2時間ごとに滞在時間が区切られている。当日に限り再入場は自由だし、時間ごとに退出を促される様子もなかったが、効率よくさつまいも博を楽しみたいのなら、ある程度準備が必要だ。今回、私は2時間で目的を達成することができた。初参戦にしては上出来だと思う。数あるお店の中から、この3店舗を選んだ自分を褒めてあげたい。

食べるだけじゃない!さつまいも博の楽しみ方

さつまいも博のもう一つの目玉、それは公式グッズだ。焼き芋は食べれば無くなってしまうが、グッズは形として残る。参加した記念にぜひ販売所を覗いてみてほしい。

正直なところ、おいもに予算を使い込んでしまったので、購入したのはこちらのクリアファイル(300円)。さつまいもの代表的な品種がずらりと並んだ、さつまいも好きならば是非入手したいグッズだ。

おそらく女子に一番人気だったのが、さつまいものアクリルスタンドが出てくるガチャガチャだと思う(1回500円)。シークレットを含めた全6種類の品種から、何が出てくるのかはお楽しみだ。シークレットは一体何だろうか。

配布されたドリンクを飲んでみた!

最後に、オフィシャルガイドブックと一緒に配布された、株式会社ヤクルト本社の「肝ファイン」をご紹介しよう。紫さつまいも由来のアントシアニンを含んでおり、肝機能に関連する酵素(AST、γ-GTP)値の低下に役立つとされている、機能性表示食品だ。見た目は紫色で、味は、さつまいもというよりは、酸味のあるフルーツドリンクのようで、飲みやすい。数値が気になる人が、習慣的に飲み続けやすいのではないだろうか。肝機能云々とは関係なく、さつまいもを食べながら飲んでも、全く問題ない。むしろ、この酸味はさつまいもと合うかもしれない。

さつまいも好きならば一度は行くべし

さつまいも博に行ってみて、世の中には、こんなにもさつまいも好きがいるのだな、と驚いた。家族連れから、カップルまで、まさに老若男女が、さいたまスーパーアリーナに集まっていた。もしかしたら10代かも、というようなギャルが、「やっぱ紅はるかって美味しい」と言っていた。ギャルの口から、紅はるかという品種名を聞いて、なぜか嬉しくなってしまった。多くの人に愛されるさつまいも、そして、さつまいも博。

さつまいも好きならば、一度は参加したいイベントなのである。帰る前に、受付でもらったコインで、お店に投票するのをお忘れなく(投票所・投票ボックスは入場してすぐ)。