五島の心暖まるイルミネーションとクリスマス・マーケット

冷たい風が吹き抜ける福江島の冬。しかし、そんな季節だからこそ、一層輝きを増すのが島全体を包み込むような美しいイルミネーションです。各地域や教会に灯る手作りの光は、訪れる人の心をほっとさせ、「また来たい」と思わせる温かさに溢れています。中でも、岐宿・白石地区のイルミネーションは圧巻。ツリーや光の回廊だけでなく、子どもたちに人気のキャラクターも登場し、地域の愛情と工夫が感じられます。更に、このイルミネーションのそばでは今年、五島としては、初のクリスマスマーケットが開催され、大盛況となりました。ハンドメイド作品の販売や温かい飲み物、地域名物のフードが並び、家族連れで賑わうこの催し。寒さを忘れるような楽しさが広がり、イルミネーションの感動を引き立てます。記事を読み進めることで、五島は夏の魅力が多いと思われていますが、冬ならではの魅力と、五島へ訪れる価値のある特別な体験を知ることができます。あなたも冬の五島を訪れる計画を立ててみませんか?

福江島の冬を彩るイルミネーション

これが掲載されるのは既にクリスマスを過ぎてしまっていることと思いますが、とても紹介したいことなので、皆さんに来年、この時期が来るのを楽しみにしていただけるよう、書いてみたいと思います。

ここのところ毎日のようにどんよりとしたグレーの雲が立ち込め、時折冷たい雨の降る福江島ですが、この気候は本当に「日本海側のものだなあ」と、、、連日晴れ続き、からっからに乾燥した太平洋側の冬の気候に慣れている私には、移住して何年も経つのにちょっとこたえるものがあります。

でも、そんな福江島の冬を彩る楽しみ、それはクリスマス時期のイルミネーション!島の主だった教会はもちろんのこと、各地域で灯されるキラキラとした光にときめき、そして何とも穏やかな気持ちになるのです。もちろん、都会のビルの谷間や並木通りに明るく輝く、華やかなイルミネーションも好きなのですが、手作り感に満ちた島のイルミネーションには、「楽しんでくださいね」という気持ちが間近に伝わる良さがあるんです。

地域ごとの魅力的なイルミネーション

かつて島中のイルミネーションを見て回ろう!と、仕事帰りに3日ほどかけて各地域を周りましたが、もうそれだけでツアーが組めそうな楽しさです。福江の街中にある福江教会のイルミネーションを見るだけでも感動しますが、、、

奥浦の浦頭教会

浦頭教会

道端にあるこんなかわいらしいイルカのイルミネーション、もうラブリー♡としか言いようがありません。

奥浦県道沿い

さらに丘の上の教会には、階段にこんな光のアーチがあったり、、、

奥浦の浦頭教会へ続くアーチ

地域の若者たちが張り切って作った、思わず「いいね!」と言いたくなるイルミネーションなど、、

三井楽町万葉公園

三井楽万葉公園のイルミネーション

一押し!「岐宿・白石地区」のイルミネーション

しかしここ数年の私の一押しは、「岐宿・白石(地区)」のイルミネーション。毎年、ツリー型や不思議な光を放つお家型、光の回廊など、何かしらの工夫がされていて、個性溢れる光の造形が輝いています。今年は、子どもたちが大好きなキャラクターを生かしたイルミネーションの数々。普段は当然ながら真っ暗、とても静かな白石漁港の一角の小さな公園にこの時期、毎晩のように若い人や家族連れが訪れています。

聞くところによると、ものづくりが大変得意な方がこの白石の集落にいらして、毎年新しいアイディアを出し、地域で活動する住民男性の集団“白石海鼠会(しらいしなまこかい)”の仲間たちとこの催しを行なっているのだとか、、。

白石公園

白石公園2

白石公園3

白石公園4

初めてのクリスマスマーケット開催

そして今年は、このイルミネーションの公園の前に建つ小さな公民館で、おそらく福江島では初めてのクリスマスマーケットが登場しました。どんな雰囲気なのかな?興味津々、会場を訪ねてみると、靴が玄関には収まりきれないほどの大盛況!

白石公民館

お菓子の詰め放題や、「雪だるま作り」「スクラッチアート」などの工作を楽しみに近所はもちろんのこと、島の他の地域からも子ども連れの家族がたくさん来ていました。イルミネーションを見て、さらにクリスマスマーケットを楽しむ、、、ワクワクすることが盛りだくさんの夜になりますね!

白石公民館内

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ワークショップ

クリスマスワークショップ

島を盛り上げる麻緒さんと「うきうきマルシェ」

このマーケットを発案したのは、今年、島のコミュニティ・カフェやショッピングモールのオープンスペース、コンセプチュアルな海辺のホテルなど、数々の場所で島のハンドメイド作家の作品の販売をメインにアートパフォーマンス、癒しの場などを次々と展開し、島を盛り上げてきた“うきうきマルシェ”を主宰する麻緒さん。やはり岐宿町のご出身、デザイナーとしても活躍されています。

このクリスマスマーケットを開こうと思ったきっかけについて聞いてみると、「かねてからクリスマスマーケットをやりたいと考えていましたが、白石の素敵なイルミネーションの近くでクリスマスマーケットをさせて貰えたら嬉しいと思い、イルミネーションを実施している白石海鼠会の方に話を持ちかけたことから始まりました。」とのこと。「このイルミネーションを地域の人はもちろん、もっと多くの人たちに見てもらいたいですし、この時期、白石を訪れる人が楽しく過ごせる場を作れれば、、と思っています」と、明るさ弾ける笑顔で話してくれました。

白石海鼠会も、高齢者の多いこの地域で定期的に買い物支援を行ったり、子どもたちのスクールバスのバス停を作ったり、公園を整備したりなど、誰もが住みやすい地域のために活動を続けています。“うきうきマルシェ”とのコラボレーションが最高の形となり、訪れる人、子どもから高齢の方々まで、みんなが楽しそうな表情を見せていました。麻緒さんの望む通り、とても和やかであたたかいイベントです。

かわいいハンドメイドのアクセサリーやキャンドル、五島の砂や貝殻・シーグラスなどを使った美しいレジンアートが販売されていたり、身体も心もほこほこ暖まるオニオンコンソメスープやマシュマロ入りのホットチョコレート、白石海鼠会のメンバーたちが作ったおでんや唐揚げ、フライドポテトなどを、皆さんそれぞれに楽しんでいました。

地域への愛に満ちた、素晴らしい取り組みのもとに行われたクリスマスマーケット。北西の吹き付けるような強い風だけではなく、こんなにあたたかくほこほことしてしまう、そんな季節の催しがある福江島って、やっぱり素敵、ですよね。来年のこの時期、ぜひ訪ねてみてくださいね!

ネコバス横に設置しているスクールバス用のバス停

まとめ

福江島の冬を彩るイルミネーションは、寒さを忘れさせるほど温かい気持ちにさせてくれる特別な風景かもしれません。地域ごとに異なる個性豊かな光の装飾は、手作り感が溢れ、訪れる人々の心に優しさを届けてくれます。中でも岐宿・白石地区のイルミネーションは、毎年趣向を凝らしたデザインが魅力で、地域住民の努力と思いやりが感じられるスポットになっています。また、五島で初めて開催されたクリスマスマーケットでは、地元のハンドメイド作品や温かい飲み物、子どもたちが楽しめる催しが用意され、島全体が笑顔で包まれました。地域の方々の協力と情熱が、このイベントを更に魅力的なものにしています。今回の記事では福江島の冬の楽しみ方のひとつを紹介しました。次のクリスマスシーズンが待ち遠しくなるはずです。福江島(五島市)は、訪れるたびに新たな発見があり、心に残る思い出が作れる場所です。来年の冬には、是非!その魅力を次回はあなたが体感してみてください。楽しみにお待ちしています。