焼き鳥を焼き続けて45年。継ぎ足しの秘伝ダレが自慢の老舗「鳥羽」をご紹介します。商店街の店が次々と姿を消していく中、変わらず炭火を絶やさずに暖簾を守り続けているのが、このお店です。福江で「焼き鳥といえば鳥羽」と言われるほど、地元で愛され続けています。
赤提灯に誘われる、福江郵便局そばの老舗

場所は福江郵便局のすぐ近く。赤い提灯に誘われて扉を開けると、思ったよりも奥行きのある店内が広がります。カウンター10席、座敷は12畳ほど、テーブルが4台。どこか懐かしい、昭和の面影が残る空間です。

まずはカウンターに腰をおろし、飲み物を注文。食べ物は紙にメモして渡すスタイルで、手書きのメニューからも温かみが伝わります。中でも気になったのは「豚あばら軟骨焼き」と「美人串」。どちらもこの店ならではの名物です。
名物① 豚あばら軟骨焼き–香ばしさとコリッ、とろっ

豚あばら軟骨は、冷凍から出したばかりとは思えないほどしなやかで、骨の周りの肉が絶品。脂がのっており、炭火に落ちるたびに炎が立ち上ります。香ばしい匂いに包まれながら焼き上がるその瞬間はまさに職人技。コリコリとした食感ながら柔らかく噛み切れる絶妙な歯ごたえで、塩コショウだけのシンプルな味付けなのに、旨みがじゅわっと広がります。若い男性客が2本、3本と追加注文するのも納得の味。豚あばらを焼き鳥として食べられるのは、五島ではここだけです。
名物② 「美人串」–カリッと、トロッと。新感覚の豚足串

「美人串」は名前の通り、女性にも人気の一品。豚足の骨を丁寧に取り除き、コラーゲンたっぷりの部分だけを贅沢に串打ち。表面はカリッと香ばしく、中はとろりととろける新感覚の豚足串です。特製のタレとの相性も抜群で、まさに“美人”の名にふさわしい一本。
タレ文化が活きる、継ぎ足しの深み
他の串も素材の新鮮さとタレの香ばしさで、次々と箸が進みます。鳥羽の流儀は、塩ではなくタレ。45年かけて継ぎ足されたタレが炭火で香り立ち、串の一本一本に奥行きを与えます。炭は宮崎県産の備長炭。香ばしさ、キレ、後味のよさまで計算された火入れが光ります。
通好みの一皿から、思わず笑顔のサイドメニューまで

砂ズリは、なんと表面に練りわさびが塗られていて、一風変わった味わい。お通しのきゅうりのビール漬けやキャベツで口直しをしながら、飽きずに楽しめます。

さらに意外な人気メニューが「チーズコロッケ」。揚げたての衣の中から、とろけるチーズが顔を出します。焼き鳥屋でコロッケ?と思うかもしれませんが、女性や子どもにも大人気のサイドメニューです。
〆は奥さん特製 鶏出汁そうめん&焼きおにぎり

焼き鳥で出た鶏皮を丁寧に煮出したスープにショウガを加え、身体の芯から温まる味わい。小ぶりの器に盛られ、飲み干したくなる美味しさです。

焼きおにぎりは注文を受けてから握り、弱火でじっくり焼き上げ。タレを塗ってさらに炙り、香ばしさが広がります。中にチーズを入れたバージョンもおすすめ。
受け継がれる鳥羽の火–木・金・土の夜に
創業45年を迎えた鳥羽。昨年ご主人が他界され、現在は奥さんがその想いを引き継いで店を守っています。営業は木・金・土曜日のみですが、常連客でカウンターはいつも賑やか。76歳になる奥さんは上品で朗らかなお人柄。ご主人が愛用していたススだらけのうちわと、笑顔の写真が今も店を見守っています。炭は宮崎県産の備長炭、焼き鳥は塩ではなくタレで仕上げるのがこの店の流儀。45年継ぎ足し続けた深みのあるタレの香りが、今夜も五島の夜に漂っています。
鳥羽
住所:長崎県五島市中央町4-17
TEL:0959-72-7957
営業時間:18:00~22:00
定休日:日曜日、月曜日、火曜日、水曜日
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