福江港近くのカンパーナホテル裏の細い路地に、ひっそりと営業しているお好み焼き屋「ゆうちゃん」があります。赤い提灯に青いのれんが目印です。こじんまりとしたお店で、初めて訪れた私は、頑固な親父さんが店長だったらどうしようとビクビクしていましたが、お店に入ると優しそうで上品なおばちゃんが出迎えてくれました。カウンターには7つのイスがあり、座敷には鉄板を備えたテーブルが2台、漫画本の棚が1つ、奥にはトイレもあります。
ミックス焼きのおいしさ
カウンターに座り、先客の女性におすすめしてもらったミックス焼きを注文しました。カウンターの中にある大きな家庭用冷蔵庫から材料を取り出し、慣れた手つきでお好み焼きの粉を混ぜています。
自分で焼くこともできますが、今回は目の前で焼いてもらいました。豚肉を敷いてその上に生地を流します。鉄板は熱々かと思いきや意外と熱くなく、低温でじっくりと焼くのがこのお店のスタイルです。計2回ひっくり返す以外は全く触りません。ひたすら我慢です。おばちゃんはその間にも他のお客さんのお好み焼きの準備でてきぱきと動きます。
そして、お待ちかねのソース、青のり、魚粉、マヨネーズをたっぷりかけて完成です。とてもシンプルで薄めのお好み焼きです。
本場の食べ方とこだわりの具材
お好み焼きは皿は出されず、テコで一口サイズに切って、鉄板の上ですくってそのまま豪快に直接口に入れます。これが本来の食べ方かもしれません。皿のワンクッションがない分、熱々のまま美味しくいただけます。キャベツは千切りではなく角切りで、カットしやすく食感も良いです。イカとエビもたっぷり入っていて、イカは息子さんが趣味で釣ってきたものだそうです。イカスミを冷凍して常連さんにおすそ分けもしていました。久しぶりにお店でお好み焼きを食べましたが、本当にふわふわして美味しかったです。
五島の思い出の味とは?
後から来た3人組の女性たちは、20年ぶりに五島で再会したそうで、久しぶりのこのお店のお好み焼きに、何度も「美味しい」「懐かしい」と連呼していました。昔話にも花が咲き、帰りにおでんもたくさん持ち帰っていました。
おでんもレギュラーメニューで、全て100円とリーズナブルです。おでんも人気で、テイクアウトしていくお客さんが多いそうです。
昭和から続く老舗の魅力
このお店は昭和53年にオープンし、ずっとおばちゃんが一人で切り盛りしています。11時30分から21時まで休まず営業しており、自宅兼店舗なのでそれが出来たみたいで、おやつの時間にお好み焼きを食べに来る人のためにも、常にお店を開けておきたいそうです。お元気で若く見えますが、後期高齢者の仲間入りをしたそうです。お店を辞めたら呆けそうで怖いから、辞めたくないそうです。昔、カンパーナホテルが建つ前はボーリング場とバスターミナルがあり、バスを利用する五島高校の生徒が学校帰りにこのお店に来てお好み焼きを食べ、毎日賑わっていたそうです。お好み焼き以外にもお肉や焼そば、うどんなども提供しています。ご主人も五島高校の出身で、よく部活の友達と食べに行っていたそうです。焼そばも美味しかったと話していました。
地元に愛されるお好み焼き屋
カウンターには漁師さんが二人座り、明るい時間からビールを飲んでいます。おばちゃんが「これをつまみにして。いつも魚もらっているからサービス」とアラカブの唐揚げを出していました。常連のお客さんはお腹が空いたらこのお店に来るような感覚で、お客さんみんなのお母さんのように温かく迎えるおばちゃんの人柄に、心がほっこりしました。
お好み焼きゆうちゃん
長崎県五島市東浜町1-5-5
TEL:0959-72-5753
営業時間:11:30~21:00
定休日:無休
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