
五島で串カツが味わえる唯一のお店「かつ忠」とは?
五島市の商店街のはずれに、白く光る電光看板が目印のお店があります。その名は「かつ忠」。料亭のような和風の玄関構えから、少し高級なとんかつ専門店を想像する方も多いかもしれません。実はここ、五島で唯一、本格的な串カツが楽しめる居酒屋なのです。
大阪で本場の串カツに感動した私にとって、まさか地元・五島でこの味に出会えるとは思ってもおらず、思わず心が弾みました。
関西仕込みの本格串カツが絶品!
種類豊富な串カツと店主おすすめの盛り合わせ
お店に入ると、にこやかなご夫婦が迎えてくれました。カウンター5席、座敷2つ、テーブル席1つという奥行きのある空間。おしぼりを丁寧に手渡され、メニューを見ると、肉・魚・野菜と多彩な串カツが並んでおり、その豊富さに驚きます。
おすすめを聞くと、「初めてなら店主のおまかせ串盛り合わせがいいですよ」とのこと。さっそくお願いし、飲み物と一緒に登場したお通しにも驚かされました。家庭的で温かい味わい、しかもボリュームたっぷり。これはもう、最初から心をつかまれました。
タレは自家ブレンド、揚げたてを堪能
揚げたてで提供される串カツは、どれも絶妙な火加減。外はカリッと、中はふんわりジューシー。おまかせなので中身はひとつずつ食べながら当てていくのも楽しみのひとつです。
タレは市販のソースをベースに店主が独自にブレンド。甘すぎず、辛すぎず、どの具材にもよく合うマイルドな味わいです。以前は1卓にひとつの容器で二度漬け禁止スタイルでしたが、現在は感染症対策として一人ひとりに小皿で提供されています。
串の具材も食べやすいサイズで、豚バラ、うずら、ウインナー、えびなどどれも丁寧に仕上げられており、10本あっという間に完食してしまいました。
串カツだけじゃない!居酒屋メニューも充実
お通しもボリューム満点、家庭的な一品料理
串カツが看板メニューとはいえ、その他の一品料理も魅力的。串焼きや揚げ物はもちろん、豚骨ラーメンや信州そばといった麺類まで揃っています。なかでも特に気になったのがピザ。
思わず「串カツのお店でピザも出すんですか?」と聞いてしまいましたが、ご主人は笑顔でこう答えてくれました。
「昔は生地から全部手作りしてたけど、今は市販の生地に具材をのせて焼いてるだけ。でも30分くらいかかるから、早めに注文するか、予約してくれた方がいいかな。」
その人柄に、つい会話もはずんでしまいます。
ご夫婦で営む温かい接客と30年の歴史
関西での修業と、奥様との出会い
ご主人は若い頃に五島を離れ、関西で飲食店の経験を積んだのち、奥様と出会い結婚。しばらくは関西で暮らしていたそうですが、阪神淡路大震災を機に五島へ戻ることを決意し、以降、ご夫婦で店を切り盛りしてきました。現在の店舗は移転後のものですが、創業から約30年にわたり変わらず温かなおもてなしを続けています。
おひとりさまも子連れも、誰もが居心地よく過ごせる空間
この日も、カウンターで常連のお客さんと談笑する時間が流れていました。大阪からUターンしてきたという男性もいて、「関西弁を聞くと落ち着くんですよ」と話していたのが印象的です。
一人でふらっと立ち寄れる気軽さがありながら、座敷もあるため子ども連れの家族でも安心。OL時代に経理を担当していたというしっかり者の奥様と、穏やかで優しいご主人のお人柄が、店全体の居心地の良さにつながっているように感じました。
変わらぬ看板に宿る「思い」
お客さんからは「こんなにいいお店なら、もっと看板を目立たせたらいいのに」と言われることもあるそうですが、ご主人は「この店に来たい人が来てくれたら、それで十分」と語ります。お店の入り口には、店名だけが書かれたシンプルな暖簾と看板。それがかえって、料理とおもてなしへの自信の表れに感じられました。
かつ忠(かつちゅう)
長崎県五島市三尾野町2-1-22
TEL:0959-72-5833
営業時間:18:00~23:00
定休日:火曜日
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