五島に移住して13年目を迎える私にとって、この玉之浦町荒川を語らずには始まらない場所である。アグリ・コーポレーションは三井楽町にSweetPotatoLabo（さつまいも工場兼事務所）があるが、設立当初は玉之浦町荒川であった。養殖場の一角に机を置かせてもらいスタートしたのだ。
食堂さんさん
今回、紹介したいお店は「食堂さんさん」である。数年前に地元の女性が掘っ立て小屋づくりの地域のためにオープンさせたようなお店で、私も2度ほどいかせてもらったが夜におつまみと缶ビールを飲むような店から始まった記憶がある。13年前は荒川に飲食店はなかった。荒川とは港があり、島原や佐世保、佐賀県の漁師たちの中継基地のような場所であるため船の出入りが多い。
そんな場所にある「さんさん」は、今年の４月12日にリニューアルオープンし、凄くキレイに改装され、また店主も創業者から引き継がれた加藤さゆりさんが運営している。加藤さんは4年前に佐賀県から移住された人柄のやわらかい、話をしていてほっこりとした気持ちにさせてくる女性で、さらに付け加えるとみじょか（かわいい）です。
港の駐車場から徒歩0分。外観はふらっと入りやすい雰囲気。こういった外観や内装は加藤さんの人柄があらわれているように思う。カランカランっと鈴音がなり入ると、優しい顔つきでいらっしゃいませと。
カウンター、４人テーブルが４つあり、４人できたので入口左の一番明るい４人席に通してもらう。
ゆったりとした音楽が流れて、壁にはステンドグラスが落ち着いた雰囲気をつくっている。
ズケ丼が凄い
お薦めメニューは、季節のお魚定食や丼、定番ランチにカレーや五島うどんもある。当然、季節のお魚系でどれにしようかと悩んでいると
「おさしみ食べるよりヅケ丼ですよ。全て旬の五島近海の魚で、特にのどぐろが入ってこの値段なのでお薦めです」
と店主から。今日のズケ丼はブリ・ヒラス・のどぐろが入って1,500円。そもそものどぐろを食べる機会も少なく、この値段ならばと思いズケ丼を注文。（アジフライ定食も捨てがたいが・・・）。友人は、塩焼き定食とアジフライ定食を注文。どちらも五島近海産なのは言うまでもないか。
お水はセルフ形式。可愛い容器で提供している。一日2リットルを水分補給する私にはセルフは大変ありがたい。お水の容器のかわいらしさも店主の人柄が表れているように思う。椅子の座り心地が最高。理由を聞くと、昼は観光客が多いが、夜は地元の方が多く、長居することもあると思い長時間座れる椅子にしたそうである。
少し厨房をのぞかせてもらい、店主とおしゃべり。五島に移住した理由は、漁業をしている弟さんが五島で結婚し、前オーナーが高齢で後継者をさがしていると聞き移住を決断。のどぐろが安い理由は、弟さんが漁師をやっているからで、新鮮ぷりぷりの魚を提供できる秘密がそこにある。
ついに、ヅケ丼がやってくる。ブリ・ヒラス・のどぐろが５切れずつはいり、ぎっしりと重量感たっぷり。半熟卵とネギがパラパラっとのせてあり、お味噌汁とお新香。のどぐろの少しあぶった香りがつよく食欲をそそる。毎日、晩酌をしながらお刺身をたべる私だが、「さしみよりヅケ丼」と言われた理由がわかる。
コスパ最強というより、美味しさ最高。のどぐろの香り、味の強さは、五島市（福江島）でも「さんさん」でしか味わえないのではないか。味わって食べようと決めるが、食欲に負けて…手がすぐに口に運ぼうとする。まだ早い、味わえ佐藤、すぐに食べるな、かみしめろと頭の中で格闘しながら一切れずつ味わうことができた。おそらく、欲求のままに食べたら１分で完食できるクオリティなのである。
アジフライ定食も…
友人の塩焼き定食（さんま）、アジフライ定食も見事。旬の「ど真ん中」のさんまは脂がたっぷりとのっておりジューシー。
そして悩んだ結果断念したアジフライの分厚さ。でかい。ぎっしりしながらもふんわり揚げられたアジフライ。
訪れたのは10月28日（土）。お昼時で、次々にお客様が入り、あっという間に満席。店主が言われたように観光客が多い。何とカウンターには弟夫婦がいる奇跡も。隣の方がビールを注文しているが、グラスがキンキンにひえている。近くに荒川温泉もあるので、次は夜に訪れたいものだ。
最後に、ヅケ丼のネタは季節により変わるので、季節ごとに訪れるのは楽しみの一つになる。
食堂さんさん
長崎県五島市玉之浦町荒川279-23
TEL：080-1521-4460
駐車場：店舗前の港の駐車場（無料）
営業時間：11：00～14：00（13：30ラストオーダー）、18：00～21：00
定休日：毎週火曜日、第二、四水曜日
公式Instagramはこちら
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地元の人、旅行で福江島へ訪れる人、出張で福江島へ訪れる人、夕食と同じくらい昼食、ランチを食べるのに…福江島のランチ情報まとめがない。「五島商店 佐藤の芋屋」の「福江島のこと」の記事の中にも多数のランチ、ディナー情報の記事があります。この「福江島のこと」の「ランチ情報」だけ抜き出してスピンアウトしたのが、「福江島ランチーズ」なのです。
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