福江島で素敵な本と店主の笑顔に出会える唯一の古本屋とは?本好きが集まる街の憩いの場「本処てるてる」を徹底解説!五島・福江島でゆっくり本を読め、美味しいカフェを楽しむならココ

今回は、本が好きな人にとってオアシスのような五島の古本屋さん「本処(ほんどこ)てるてる」の紹介をしたいと思います。古本屋と聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか?東京の神保町の本屋街を思い浮かべる方もいるでしょうし、立ち読みにハマってしまって、店主からハタキで追い払われた・・経験者もいるのではないでしょうか。マニアックな本との出会いがあったりもしますよね。古本屋は普通の本屋とは違うし、図書館ともまた違って店主のカラーがすごく反映される品揃えが個性として表れるので、そこが面白いところです。

街の憩いの場となっている古本屋「本処てるてる」

「本処てるてる」は五島市出身の若き店主の橋本美幸さんが、「五島で本屋をやろう!」と決心してから、全国の古本屋巡りをし、本をコツコツと買い集め、最初は店舗を持たずに島内各所で出張本屋の形を経た後、空き店舗を自力で改修し2018年12月に福江町に店舗をオープンされました。店主の橋本さんの個性というか、人柄が垣間みえるところは、色んなイベントや他のお店とのコラボレーションにも積極的なところです。例えば五島在住の占い師、碧朽葉緑(あおくちばみどり)さんのタロット占いの会場になっていたり、数人でオススメ本の紹介をし合うビブリオトークを開催したり、消しゴム判子の教室があったり。まだまだ、他にも面白そうな活動をされてますが、極めつけは何と!あの五島市立図書館と「ビブリオサークル」という形でのコラボまで果たしています。これは本好き人間にとってはご褒美企画といって良いくらい画期的な催しで、チラシで知った時には「おお~!」と内心興奮し、しっかり観覧者として参加してきましたよ。

6月24日の10時半スタートで会場は五島市立図書館の多目的室。本好きな6名の猛者たちが(そう紹介されてました!)推しの本について熱く語る空気、何とも良かったですねえ。図書館職員さんの司会も勢いがあって、盛り上げ上手でした。観覧者側にも、するどい質問をされる方がいらっしゃって、さらに本と推薦者の深掘りができて興味深く聞き入ってしまいました。愉しい。本って、1人で読んで完結しますが、こうしてビブリオサークルという形をもって、見知らぬ人との間にも発見や共感など、共有できるんだなぁと実感しました。推薦者自身の言葉で語られる本は、本棚にあるだけでは手に取らなかっただろうに、がぜん興味が沸いてくるのです。今回は投票でチャンプ本が決定しましたが、それも含め5名分、すべて読みたくなりました。他1名はすでに同じ本を持っていたので、これまたなんか嬉しい仲間意識みたいなものを、勝手に感じてしまいました。

次回は8月に第2回が開催されるそうなので、少しでも興味がある方は是非チェックしてみてください。この体験、癖になるかも知れませんよ。

本への愛が溢れている、本処てるてる。お店の中はどんな本があるの?

五島市立図書館から本処てるてるまで、徒歩5分とかかりません。店主の橋本さんは可愛らしく「ブックロード」と名付けてらっしゃいました。五島図書館に車でお越しになった際は、ぜひ「ブックロード」を通って本処てるてるにも足を伸ばしてみてくださいね。きっとあなたにも、一味違った本との出会いがあるはずです。

本処てるてるでは、並べられている本が短いスパンで変わっていきます。季節ならではのコーナーが出来ていたりして、古本なんだけど、どこか新鮮。店内には畳の小上がりスペースがあるのも、懐かしい気持ちになります。常連さんが腰をかけて店主の橋本さんと世間話をしていたり、親子づれで来てお母さんが子供さんの絵本を選んでいたり、仕事帰りの人がさっと立ち寄っていたり(私はこのパターン)みんながちょっとひと休みできる、丁度いい空間が持ち味の、居心地のいいお店だと思います。すぐ近くに福江教会があるので、ミサの後どっと団体さんがお店に入っていくところも見かけたことがあります。

窓際に可愛いカウンター席やテーブル席があるので、お買い物かえりにホッと一息ついてお茶するのも楽しみ。コーヒー等のドリンク類も充実しています。なかでも、季節限定のジュース類は本当に美味しくて今季は自家製梅ジュースやシソジュースが加わりました!春頃には、甘夏ジュースも凄く美味しかったですね~。フレッシュで生き返った気持ちになりましたよ。メニューにはかんころ餅もあります♪

店主橋本さんのもう一つの顔とは!?

店主の橋本さんは、お店以外にも五島ラジオのパーソナリティという顔もあります。その名も「島の本屋てるラジ」。番組内でも様々なジャンルのお薦め本の紹介は勿論のこと、五島の色んなエピソードなどもお話されています。五島福江には、かつて3軒もの本屋さんがあったのに今では無くなってしまいました。

てるラジの紹介で「本が好きだった少女が島を出て大人になって今度は本を渡す側に」というのを、こうして実践している姿に、本と人に対する愛情と、並みではない芯の強さを感じます。また、てるラジの中で印象に残っている回は、第16巻三井楽教会の五島出身シスターとその後輩シスターの方々との心温まるエピソードです。じんわりと感動がこみ上げてくるお話でした。ちょっと脇にそれますが、そのエピソードにより、橋本さんのもう1つのお仕事も垣間見えたんですが、公表はされていないようなので気になる方は、お店でご本人に会ったときに聞いてみては如何でしょう。幾つもの顔を持っていて、お忙しいでしょうに全然そんな風には感じさせないところもスマートです。

「島の本屋てるラジ」のこれ迄のバックナンバーはYouTubeで聴けますので、五島以外にお住まいの方も是非チェックしてみてくださいね。筆者も聞き逃した回を少しずつ追いかけて聴いています。ラジオはドライブや家事など作業しながら聴けるのでお薦めですよ♪五島ラジオは開局してまだ一年ですが、凄腕のラジオ職人も複数名いらっしゃるので聞き応えありです。筆者もいつもニヤニヤしながら聴いています。今なら採用率100%とお聞きしました。そのうち、参戦してみようかしら。

そうそう、五島を舞台にしたNHKの朝ドラ「舞あがれ」の作中で、主人公舞ちゃんとたかし君の大切な居場所として描かれていた古本屋「デラシネ」はみんな行ってみたい!と思わせる魅力がありました。「本処てるてる」はまさにリアルデラシネですよね。夏休みになったら、舞ちゃん達のような子供さんらが多く訪れるのではないでしょうか。「本処てるてる」は土日除いて、夕方から開いている事が多いので訪れる際にはぜひTwitterやInstagramなどのSNSで確認してみてくださいね。

福江の商店街は閉まるのが早いんですが、本処てるてるはかなり遅い時間まで開いている時もあり、近くを歩いてる時に暗闇のなかにほわっとお店の灯りがあることに何度、ホッとした気持ちになったことでしょう。五島を訪れる予定の観光客や帰省の皆さん、ぜひこの素敵な「本処てるてる」に立ち寄ってみてくださいね。あなたの五島での大切な場所の一つになるかもしれません。

本処てるてる
〒853-0007長崎県五島市福江町2-13
営業時間:SNSで毎週、営業時間を公開
定休日:不定休
公式サイトはこちら