今年の3月ごろ、小学生時代からのイギリスの友人Stevenから、久しぶりに一通のメールが届きました。 内容は「今年の夏、家族みんなで日本を訪れたいんだけど相談に乗ってくれないか?」というものでした。
最初は軽いアドバイスをする程度の簡単なやり取りのつもりでしたが、日程や行きたい場所、移動手段、宿泊先などを話し合っていくうちに、計画は少しずつ、しかし確実に本格的なものになっていきました。 何度もメールを重ねる中で、今の時代らしくZoomをつないで顔を見ながら細かい打ち合わせを行い、さらに情報共有のためのLINEグループも作成しました。
思い返せば45年前、私たちが子どもだった頃は、海を越えたやり取りといえば何週間もかかる手紙しかありませんでした。それが今では、メールやZoom、LINEを駆使してリアルタイムで旅の準備を進めている。そんなコミュニケーションの進化に、時代の大きな変化を強く感じずにはいられませんでした。
45年の時を超えて。親子二世代でつながる絆
実は私は、父親の仕事の都合により、6歳の頃に1年間だけイギリスで過ごした経験があります。 その時、たまたま自宅の目の前に住んでいたのがStevenの家族でした。親同士がすぐに仲良くなったこともあり、子どもだった私たちも自然と一緒に遊ぶようになりました。
そこからずっと続いている付き合いですから、振り返ってみればもう45年近くになります。 住んでいる国も違い、日常的に話す言葉も異なるにもかかわらず、これほど長く友人関係が続いていることは本当に珍しく、私にとって何物にも代えがたい宝物のようなご縁です。
相談を進めていくうちに、Steven家族が「行きたい場所」や「会いたい人」が次々と増えていきました。 当初は4人で始めたLINEグループも、お互いの家族や友人、そして今回の日本の各滞在地でお世話になる人たちが次々と加わり、最終的には20人近くの大所帯にまで広がりました。それだけSteven家族が日本の多くの人から歓迎されていたのだと思います。
旅行のスケジュールは、7月中旬から月末までの約20日間に及ぶ壮大な日本滞在プランになりました。 東京から始まり、北海道、関西へと飛び、そこから長崎の五島列島へ。さらに広島を巡り、最後は関西国際空港から韓国を経由してイギリスへ帰国するという、まさに日本を縦横無尽に移動する大旅行です。 限られた日数の中で、できるだけ多くの場所を訪れ、日本のさまざまな魅力や文化を肌で体験したいという彼らの熱い思いを聞くたびに、私自身の気持ちも自然と高まっていきました。
私自身は仕事の都合があり、残念ながら全行程に帯同することはできませんでしたが、私の息子が快くアテンドを引き受けてくれたことも、とても嬉しく頼もしい出来事でした。
いざ長崎・五島列島へ!透き通る海と絶品グルメに感動の1日目

今回の日本旅行の中で、私が特に楽しみにしていたのが、Steven家族と一緒に過ごす「五島列島での3泊4日の旅」でした。 五島は私にとって大切な仕事の場でもあります。どこまでも透き通る海の美しさ、豊かな自然が育む食べ物のおいしさ、そして島の人たちの温かさを、彼らにもぜひ全身で感じてもらいたいと強く願っていました。
宿泊先は、まもなくグランドオープンを迎える真新しいホテル「Hotel Imo(ホテルイモ)」に3泊していただくことになりました。到着前からホテルのスタッフの皆さんが温かく迎える準備を整えてくださり、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。
神戸空港で彼らと待ち合わせをする当日は、正直なところ少し緊張していました。 電車の時間や移動に対する考え方は、国によって大きく異なります。それでも無事に笑顔で合流することができ、そのまま飛行機で長崎空港へ。乗り継ぎの待ち時間を利用して、空港近くの「サンスパ大村」で名物の長崎ちゃんぽんをすすり、まずは長崎らしい食文化に触れてもらいました。
快晴の空の下、小さなプロペラ機に乗り換えて長崎空港から五島・福江島へ向かいます。 わずか20分ほどの短い空の旅でしたが、Stevenの娘である小さなドルシーは大興奮。窓から見える島々の景色に目を輝かせていましたが、しばらくすると安心したのか、機内の心地よい揺れに身を任せてスヤスヤと眠りにつきました。
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一瞬で心奪われた高崎海岸の青

五島つばき空港に到着後、まずはHotel Imoへ向かって荷物を置きました。 一息ついた後、ドルシーとホテルのマネージャーである田中さんと一緒に、すぐ近くにある「高崎海岸」へ足を運びました。
防波堤を越えて海が見えた瞬間、目の前に広がる信じられないほど透明度の高い青い海に、Steven家族は一瞬で引き込まれていきました。 ドルシーは大喜びで波打ち際を走り回り、大人たちも靴を脱いで海辺の散策を楽しみました。長時間の移動による旅の疲れも一気に吹き飛ぶほど、充実した素晴らしい時間になりました。
五島牛と五島豚を味わい尽くす夜

その日の夜は、地元でも大人気のお店「和風レストラン 望月」へ。 ここで彼らに味わってもらったのは、幻の和牛とも呼ばれる「五島牛」や、豊かな自然の中で育った「五島豚」のお肉料理です。 口の中でとろけるような脂の甘みと、肉本来の強い旨みに、Stevenたちも大絶賛。島ならではの食の豊かさを、初日からしっかりと堪能してもらうことができました。
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南国のリゾート空間と、日本の夏を遊び尽くす2日目

翌日の日曜日は、朝から五島屈指の美しさを誇る「頓泊(とんとまり)海水浴場」へ向かいました。 遠浅で真っ白な砂浜が続くこのビーチは、まるで南国のリゾート地のような絶景です。海の中をのぞき込みながら小さな魚の群れを探したり、ホテルのスタッフの皆さんと一緒に浮き輪で泳いだりと、朝から時間を忘れて大いに盛り上がりました。
イギリスでも夏になれば海水浴は人気のレジャーだそうですが、海の水温が低いため、ウェットスーツを着て遊ぶことも多いのだとか。 水着のまま気持ちよく泳げる五島の海の温かさと、底まで透けて見える抜群の透明度は、彼らにとって非常に新鮮で感動的だったようです。
笑顔が弾けたサプライズ!流しそうめん体験

お昼には、ホテルのご厚意でなんと「流しそうめん」を体験させていただきました。本物の竹を半分に割り、そこを冷たい水と一緒に流れてくるそうめんを、お箸で器用につかんで食べる。この日本ならではのユニークな夏の風物詩に、Steven家族は最初は驚きながらも、コツを掴むとすぐに夢中になっていました。
「逃した!」「次は絶対取るぞ!」と笑い声が絶えず、五島での忘れられないハイライトの一つになりました。竹の切り出しから企画・準備をしてくださったホテルの皆様には、心から感謝しています。
日本の「居酒屋文化」をシェアする夜
思い切り遊んだ2日目の夜は、私が会社でもよく利用させていただく御用達のお店「鉄平」でディナーです。 日本の居酒屋ならではの活気ある雰囲気の中で、刺身や揚げ物、焼き鳥など、少しずついろいろな種類の料理を注文しました。大皿から皆で分け合いながら食べる居酒屋スタイルも、「色々な味が少しずつ楽しめて最高だね」と大好評でした。 美しい海、美味しい食事、そして地元の人たちとの温かい交流。五島らしさがギュッと詰まった大満足の一日は、こうして賑やかに締めくくられました。
うどん、ジン、そしてアート。文化に触れる3日目&最終日
月曜日は、朝から再び海沿いを散歩し、名残惜しむように五島の豊かな自然の空気を胸いっぱいに吸い込みました。

その後は、「中本製麺」の工場へ向かい、五島名物の「五島うどん」を体験させていただきました。 椿油を塗って細く引き延ばされる五島うどんは、ツルッとした喉越しと強いコシが特徴です。アツアツの地獄炊きや、冷たいざるうどんで味わいながら、数百年の歴史を持つ島に根付いた深い食文化に触れてもらうことができました。
ランチで美味しい五島うどんってどこで食べれるの?中本製麺 おっどん亭(五島市・福江島)は中本製麺所直営の本格的な五島うどんの店なのだ。五島うどんの食べ方も色々レクチャーも

続いて向かったのは、五島のボタニカル(植物)を使用したクラフトジンを製造している蒸溜所「GOTOGIN(ゴトジン)」です。 美しいボトルデザインと、椿や柚子など島の香りを凝縮したジンの魅力についてスタッフの方から丁寧な説明を受け、イギリスの友人たちへのお土産としてたくさんのボトルを購入していました。
石畳の海岸線「半泊」での大冒険
午後からは、潜伏キリシタンの歴史を持つ小さな集落「半泊(はんとまり)」の海へ。 ここには白い砂浜ではなく、丸みを帯びた石畳の海岸線が広がっています。子どもたちは石の上をぴょんぴょんと飛び跳ねてカニを探したりと、ちょっとした探検家気分。砂浜とは全く違う歩きやすさや、荒々しくも美しい景色に触れ、五島の海の「また違った表情」を感じ取ってくれたようです。
五島の海を永遠に。レジンアート体験

あっという間に迎えた最終日。飛行機の時間まで、五島椿物産館の敷地内にある「アトリエ風色」さんで、3時間のレジンアート作りを体験しました。
特に女性陣の3人にはこの体験が大ヒット。特殊な樹脂(レジン)を使って、木製のボードの上に波の模様を描いていきます。それぞれがこの数日間で見た五島の青い海や、楽しかった思い出をひとつの作品に閉じ込めるように、とても真剣に、そして楽しそうに制作していました。 完成した美しいアート作品は、後ほど空港まで丁寧に届けていただき、無事にイギリスの自宅へと持ち帰ることができました。見るたびに五島の海を思い出せる、最高のお土産になったはずです。
最後の夜は、日本の夏の象徴「手持ち花火」

五島での最後の夜は、ホテルでゆっくりとディナーをいただきました。 そして締めくくりには、彼らにとって人生で初めての経験だという「手持ち花火」をみんなで体験しました。 チカチカと色を変えながら燃える繊細な花火の光を静かに見つめながら、子どもも大人も一緒になって盛り上がり、日本の夏らしいノスタルジックな思い出がまた一つ増えました。
外国人がドハマりした!意外な日本の魅力とは?

今回の滞在中、美しい景色や美味しい食事と同じくらい彼らの心を掴んで離さなかった「意外なもの」があります。 それは、日本のコンビニエンスストア(LAWSON)と、アイスの「クーリッシュ」、そして「ハイチュウ」でした。
特にLAWSONはお気に入りで、毎日のように何度も立ち寄ってはスイーツやスナックを買い込んでいました。豊富な品揃えとクオリティの高さにすっかり魅了され、「LAWSONごとイギリスに持って帰りたいよ!」と冗談交じりに話していたほどです。 こうした日常の何気ない風景や商品が、海外からの旅行者にとっては新鮮なエンターテインメントになるのだと、改めて気づかされた出来事でした。
世代を超えて受け継がれる絆。五島の旅を終えて

最後まで、五島の島民の皆さん、ホテルの関係者の方々、そしてアグリ・コーポレーションの皆様の温かいサポートに支えられた3泊4日でした。 こうして大満足の五島滞在を終えたSteven家族は、福岡(博多)を経由して、次の目的地である広島へと旅立っていきました。
短い時間でしたが、五島の海、食、文化、そして何より「人の温かさ」を彼らの心にしっかりと刻むことができたのではないかと思います。 45年という長い時間を越えて、お互いが親になり、今度は自分たちの家族を連れて五島で一緒に過ごせたことは、私自身の人生においても一生忘れられない素晴らしい出来事になりました。 遠いイギリスからわざわざ来てくれた大切な友人家族に、日本、そして五島列島の魅力を少しでも伝えることができたなら、これほど嬉しいことはありません。
「五島で一緒に見たあの美しい夕日は、絶対に忘れないよ」 別れ際に何度もそう話してくれた彼らの笑顔が、今も強く印象に残っています。
そしてこのご縁は、まだ終わりません。 なんと9月には、今度は私の息子が友人と一緒にイギリスを訪問し、Steven家族の自宅でお世話になることが決まりました。親世代から子ども世代へと確実に受け継がれていくつながりを感じるとともに、今回の訪日に関わってくださったすべての皆様への深い感謝の気持ちでいっぱいです。
いつの日か、Stevenの娘さんであるエバとドルシーが再び成長して日本を訪れ、我が家で迎えられる日を心から楽しみにしています。
【今回訪れた五島のおすすめスポット・施設情報】
■ Hotel Imo(ホテルイモ) 2026年11月にオープン予定の五島の自然と調和するリゾートホテル。温かいホスピタリティが魅力です。
- 住所:長崎県五島市三井楽町濱ノ畔493
- TEL:0959-84-2989
■ 中本製麺 福江工場 日本三大うどんの一つ「五島うどん」の製造工場。ツルツルとした独特のコシがたまりません。
- 住所:長崎県五島市吉久木町831-1
- TEL:0959-72-4846(※工場見学は基本団体のみ)
■ 有限会社 七岳ファーム 五島の特産品である美味しいお茶や、郷土菓子の「かんころ餅」などを製造しています。
- 住所:長崎県五島市吉田町2927-5
- TEL:0959-74-2286
■ アトリエ風色(レジンアート体験) 五島の海を自宅に持ち帰れる、大人気のレジンアート体験施設。旅の思い出作りに最適です。
- 住所:長崎県五島市浜町1255-1(五島椿物産館敷地内)
- TEL:070-9059-7373(※要予約)
- 体験時間:10:00~15:00(季節によって定休日あり)








