「飲むだけで痩せる」と話題の機能性表示食品ですが、その効果に半信半疑な方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、消費者庁に届け出られた科学的根拠に基づき、「本当に痩せるのか?」という疑問を専門家が徹底検証します。機能性表示食品は、成分の働きを正しく理解し、ご自身の目的に合わせて選ぶことで、ダイエットの心強い味方となり得ます。なぜお腹の脂肪を減らす効果が期待できるのか、その仕組みから、市販で人気の商品、安全に利用するための注意点まで分かりやすく解説。この記事を読めば、あなたに合った一品を見つけるための確かな知識が身につきます。
痩せる効果が報告されている機能性表示食品の注目成分3選

数ある機能性表示食品の中から、一体どれを選べば自分の悩みに合うのか、迷ってしまうことも少なくありませんよね。そこでこの記事ではまず結論から、科学的な根拠に基づき「痩せる」効果が報告されている注目の機能性関与成分を3つ、厳選してご紹介します。ご自身のライフスタイルや体のお悩みに合わせて、最適な成分を見つけるための参考にしてみてください。
お腹の脂肪を減らすのを助ける 葛の花由来イソフラボン、HMPA
ぽっこりと出てきたお腹周りが気になっている方や、健康診断などで内臓脂肪や皮下脂肪の数値を指摘された方には、「葛の花由来イソフラボン」がおすすめです。この成分は、肥満気味な方の体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)を減らすのを助ける機能があると報告されています。 そのメカニズムは、主に3つの働きによるものです。まず肝臓でエネルギーが脂肪に変わるのを抑制し、次にすでに蓄積されている脂肪の分解を促し、そして最後に脂肪の消費を促進すると考えられています。 これら一連の働きによって、気になるお腹周りの脂肪にアプローチしてくれるのです。また、最近、目にする機会が多くなった「HMPA(3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸)」。この成分は、米ぬかから生成されたもので、BMIが高めの方の腹部の脂肪(内臓脂肪)とウエスト周囲径を減らす機能と食後血糖値が高めの方の食後に上昇した血糖値を下げる機能が報告されています。こちらも同様に、おなか周りが最近、大きくなった、ウエスト周囲径をなんとかしたいという方、血糖値が高めで気になる方にぴったりの成分と言えるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な働き | お腹の脂肪(内臓脂肪・皮下脂肪)や体重、ウエスト周囲径を減らすのを助ける。 |
| こんなお悩みの方におすすめ |
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な働き | 肥満気味の方の体重、体脂肪、血中中性脂肪、内臓脂肪、ウエスト周囲径の減少をサポートし、 高めのBMI値の改善に役立つ。 BMIが高めの方の腹部脂肪(内臓脂肪)やウエスト周囲径を減らすサポートを行い、 食後血糖値が高めの方の血糖上昇を抑える働きもあります。 |
| こんなお悩みの方におすすめ |
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日常活動のエネルギー消費を高める ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
厳しい食事制限や激しい運動はなかなか続けられない、という方は多いのではないでしょうか。そんな方には、「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」が心強い味方となってくれるかもしれません。この成分は、日常活動時のエネルギー代謝において脂肪を消費しやすくする働きがあることが報告されています。 つまり、通勤や家事、買い物といった普段の何気ない活動の中で、効率よく脂肪を燃焼させる手助けをしてくれるのです。 また、BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能も確認されています。 運動と組み合わせることで、さらなる効果も期待できますが、まずは日々の生活の中で少しでも効率的にダイエットを進めたいと考える方に適した成分です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な働き | 日常活動時のエネルギー代謝において脂肪を消費しやすくする。 BMIが高めの方の腹部の脂肪(内臓脂肪および皮下脂肪)を減らす。 |
| こんなお悩みの方におすすめ |
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肥満気味の方の体重や体脂肪を減らす エラグ酸、HMPA
体重だけでなく、体脂肪や血中中性脂肪など、全体的な数値が気になり始めた方には「エラグ酸」が注目されています。この成分はポリフェノールの一種で、肥満気味の方の体重、体脂肪、血中中性脂肪、内臓脂肪、ウエスト周囲径の減少を助け、高めのBMI値の改善に役立つと報告されています。 エラグ酸は、脂肪細胞が大きくなったり、新しく作られたりするのを抑制する働きが期待されています。 幅広い指標に働きかけるため、健康診断の結果を見ながら、総合的に体をケアしていきたいと考えている方にぴったりの成分と言えるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な働き | 肥満気味の方の体重、体脂肪、血中中性脂肪、内臓脂肪、ウエスト周囲径の減少をサポートし、 高めのBMI値の改善に役立つ。 |
| こんなお悩みの方におすすめ |
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そもそも機能性表示食品で本当に痩せるの?その仕組みを解説
「飲むだけで本当に痩せるの?」と半信半疑に感じている方も少なくないかもしれません。機能性表示食品は、医薬品のように病気の治療を目的とするものではありませんが、体の調子を整える働き(機能性)が科学的に証明され、消費者庁に届け出られた食品です。 「体脂肪を減らすのを助ける」「脂肪の吸収を穏やかにする」といった表示は、その科学的な根拠に基づいています。
もちろん、機能性表示食品を摂取するだけで劇的に体重が落ちるわけではありません。日々の食生活や運動習慣を見直すことが大前提です。その上で、ご自身の目的に合った機能性表示食品を補助的に活用することで、より効率的に理想の体型を目指す手助けとなってくれるでしょう。
消費者庁が認めた科学的根拠とは

機能性表示食品が表示できる効果は、事業者の責任において、科学的な裏付けがなされている必要があります。 その根拠として認められているのは、主に次の二つの方法です。
- 最終製品を用いた臨床試験
販売する製品そのものを人に摂取してもらい、その効果を科学的に検証する試験のことです。 - 研究レビュー(システマティックレビュー)
製品に含まれる機能性関与成分について、世界中の関連する研究論文を網羅的に収集し、総合的に評価する方法です。
これらのいずれかの方法によって、「機能性がある」と判断できる肯定的な結果が得られた場合にのみ、その機能性を表示することが許されています。特定保健用食品(トクホ)のように国が個別に審査を行うわけではありませんが、届け出られた安全性や機能性の根拠に関する情報は消費者庁のウェブサイトで公開されており、誰でもその詳細を確認することができます。
痩せるメカニズムは成分によって異なる

「痩せる」と一言でいっても、その効果を支える機能性関与成分の働きは実にさまざまです。体脂肪の蓄積を防いだり、エネルギー消費を促したりと、それぞれ異なるアプローチで私たちの体をサポートしてくれます。ここでは、代表的な成分がどのようなメカニズムで効果を発揮するのかを解説します。
ご自身のライフスタイルや悩みに合わせて、どの成分が合っているのかを見極めることが、機能性表示食品を上手に活用する第一歩です。
| 機能性関与成分 | 期待される効果のメカニズム | このような方におすすめ |
|---|---|---|
| 葛の花由来イソフラボン | 肝臓での脂肪合成を抑制し、体脂肪の分解と燃焼を促進する働きが報告されています。 お腹の脂肪(内臓脂肪・皮下脂肪)を減らすのを助ける効果が期待できます。 |
ぽっこりお腹が気になる方 肥満気味でウエスト周りをスッキリさせたい方 |
| ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン | 日常活動時のエネルギー代謝で脂肪を消費しやすくする働きが報告されています。 運動や日常動作による脂肪燃焼を効率的にサポートします。 |
通勤や家事などの活動で効率よく脂肪を燃焼させたい方 軽い運動を取り入れている方 |
| エラグ酸 | 肥満気味の方の体重・体脂肪・血中中性脂肪・内臓脂肪・ウエスト周囲径の減少をサポートし、 高めのBMI値の改善に役立つことが報告されています。 脂肪細胞の分化や脂肪蓄積を抑制する働きも確認されています。 |
BMIが高めの方 体重や体脂肪を総合的に減らしたい方 |
| HMPA(3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸) | BMIが高めの方の腹部脂肪(内臓脂肪)とウエスト周囲径を減らす機能、 食後血糖値が高めの方の血糖上昇を抑える機能が報告されています。 |
BMIが高めで腹部脂肪を減らしたい方 食後血糖値が高めで上昇を抑えたい方 |
【お悩み別】市販で人気の痩せる機能性表示食品を紹介
ドラッグストアやコンビニエンスストアに足を運ぶと、実に多くの機能性表示食品が棚に並んでいますよね。それぞれに特徴があり、一体どれが自分の悩みに合っているのか、見極めるのはなかなか難しいものです。ここでは、多くの人が抱えるお悩みに合わせて、市販されている人気の機能性表示食品を厳選してご紹介します。ご自身のライフスタイルや体の状態と照らし合わせながら、最適な一品を見つける手助けになれば幸いです。
ぽっこりお腹が気になる方向け商品

年齢と共に気になり始めるのが、ぽっこりと出てきたお腹。この主な原因は、内臓脂肪と皮下脂肪です。特に内臓脂肪は、生活習慣の乱れによって蓄積しやすいと言われています。そんなお腹周りの脂肪が気になる方には、「葛の花由来イソフラボン」や「3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)」、「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」を関与成分とする商品がおすすめです。これらの成分は、BMIが高めの方のお腹の脂肪を減らす機能が報告されています。
シボヘール
「シボヘール」は、機能性関与成分として葛の花由来イソフラボンを配合したサプリメントです。体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)を減らすのを助ける機能が報告されており、ウエスト周囲径が気になる方に適しています。
| 商品名 | 機能性関与成分 | 届出表示 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| シボヘール | 葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として) | 本品には、葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)が含まれます。 葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として)には、 肥満気味な方の体重やお腹の脂肪(内臓脂肪・皮下脂肪)、ウエスト周囲径を減らすのを助ける機能があることが報告されています。 |
1日4粒を目安に摂取するタブレットタイプ。 肥満気味な方・BMIが高めの方・お腹の脂肪が気になる方に適しています。 |
.hel(ドットヘル)

「.hel(ドットヘル)」は、機能性関与成分としてHMPA(3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸)と有胞子乳酸菌を配合したサプリメントです。3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)には、BMIが高めの方の腹部の脂肪(内臓脂肪)とウエスト周囲径を減らす機能と食後血糖値が高めの方の食後に上昇した血糖値を下げる機能が報告されています。また、有胞子性乳酸菌には、生きたまま腸まで届き、腸内環境を整えることで便通を改善する機能が報告されていますので、おなかの脂肪が気になる方や便秘気味の方には適したサプリかもしれません。
| 商品名 | 機能性関与成分 | 届出表示 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| .hel(ドットヘル) | 3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA) 有胞子性乳酸菌 |
本品には、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)および有胞子性乳酸菌が含まれています。
HMPAには、BMIが高めの方の腹部脂肪(内臓脂肪)とウエスト周囲径を減らす機能および、食後血糖値が高めの方の血糖上昇を抑える機能が報告されています。 有胞子性乳酸菌には、生きたまま腸まで届き、腸内環境を整えることで便通を改善する機能が報告されています。 |
1日2粒を目安に摂取するカプセルタイプ。 ダイエットが続かない方、腸活を始めたい方、便秘に悩む方、 お腹周りの脂肪やウエスト周囲径が気になる方、血糖値が気になる方におすすめです。 |
機能性表示食品「畑のサプリ.hel(ドットヘル)」を取り入れて始めたダイエット
腸活が当たり前になった3ヶ月目のレビュー
ナイシヘルプ
小林製薬から販売されている「ナイシヘルプ」は、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを関与成分としています。BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能が報告されており、日々の運動習慣がない方や内臓脂肪が気になり始めた方に向けて開発されました。
| 商品名 | 機能性関与成分 | 届出表示 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ナイシヘルプ | ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン | 本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、BMIが高め(BMI24以上30未満)の方の腹部の脂肪(内臓脂肪および皮下脂肪)を減らす機能があることが報告されています。 |
1日2粒を目安に摂取するタブレットタイプ。 ドラッグストアなどで手軽に購入できるのも魅力です。 |
食事のカロリーが気になる方向け商品

揚げ物や甘いもの、炭水化物など、美味しいものは糖や脂肪が多く含まれがちです。ついつい食べ過ぎてしまうけれど、カロリーは気になる、という方は多いのではないでしょうか。そんな方には、食事に含まれる糖や脂肪の吸収を抑える機能を持つ成分が配合された機能性表示食品が頼りになります。「ターミナリアベリリカ由来没食子酸」などがその代表的な成分です。
大人のカロリミット
ファンケルから発売されている「大人のカロリミット」は、食事の糖や脂肪の吸収を抑える機能に加え、脂肪の代謝を助け消費しやすくする機能が報告されている人気のサプリメントです。
| 商品名 | 機能性関与成分 | 届出表示 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 大人のカロリミット | 桑の葉由来イミノシュガー 茶花由来サポニン キトサン ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン |
本品には桑の葉由来イミノシュガー・キトサン・茶花サポニン・ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。
本品は、食事の糖や脂肪の吸収を抑えて、食後の血糖値や血中中性脂肪値の上昇を抑える機能があります。 また、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、脂肪の代謝を助け、消費しやすくする機能や、BMIが高めの方の腹部脂肪を減らす機能が報告されています。 |
1日3粒を目安に、最もカロリーの気になる食事の前に摂取することが推奨されています。 複数の成分が糖・脂肪・代謝の3方向から多角的にアプローチするのが魅力です。 |
メタバリアプレミアムEX
富士フイルムが長年の研究開発を経て販売している「メタバリアプレミアムEX」。糖の吸収を抑える機能性が報告されているサラシノールに加え、脂肪の吸収を抑える機能も報告されています。
| 商品名 | 機能性関与成分 | 届出表示 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| メタバリアプレミアムEX | サラシノール 難消化性デキストリン(食物繊維) エピガロカテキンガレート モノグルコシルルチン |
本品には、サラシノール、難消化性デキストリン(食物繊維)、エピガロカテキンガレート、モノグルコシルルチンが含まれます。
サラシノールは、食事から摂取した糖の吸収を抑える機能が報告されています。 さらに、継続摂取により腸内環境を整え、おなかの中のビフィズス菌を増やす機能も報告されています。 |
食前に摂取することで、食事中の糖や脂肪にアプローチします。 継続することで腸内環境を整える効果も期待できるのが特徴です。 |
運動と併用して効果を高めたい方向け商品

日常的にウォーキングやトレーニングを取り入れているけれど、もっと効率よく結果を出したい。そう考える方は少なくないはずです。そんな方には、日常活動や運動時のエネルギー消費を高めたり、脂肪の燃焼を助けたりする機能が報告されている成分を含む商品がぴったりです。「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」は、まさにそうした機能を持つ成分として注目されています。
内脂サポート
ファンケルの「内脂サポート」は、腸内環境を整え、BMIが高めの方の腹部の脂肪を減らす機能が報告されているサプリメントです。運動習慣のある方の脂肪燃焼をサポートします。
| 商品名 | 機能性関与成分 | 届出表示 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 内脂サポート | ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン 生きたビフィズス菌BB536(B.longum)・B-3(B.breve) N-アセチルグルコサミン |
本品には、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン、生きたビフィズス菌BB536(B.longum)・B-3(B.breve)、N-アセチルグルコサミンが含まれます。
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、脂肪を消費しやすくすることで腹部の脂肪を減らす機能が報告されています。 また、生きたビフィズス菌BB536・B-3およびN-アセチルグルコサミンは、腸内環境を良好にし、BMIが高めの方の腹部脂肪を減らす機能が報告されています。 |
1日3粒を目安に摂取。 脂肪の燃焼を助けるブラックジンジャーと、腸内環境を整えるビフィズス菌を同時に摂れる点が大きな特徴です。 |
トップバリュ ブラックジンジャーポリメトキシフラボン
イオングループのプライベートブランドであるトップバリュからも、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを配合した機能性表示食品が販売されています。 手頃な価格で始めやすいのが魅力です。
| 商品名 | 機能性関与成分 | 届出表示 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| トップバリュ ブラックジンジャーポリメトキシフラボン | ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン | 本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンが含まれます。
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、BMIが高め(BMI24以上30未満)の方の腹部脂肪(内臓脂肪および皮下脂肪)を減らす機能があることが報告されています。 |
全国のイオングループ店舗で購入可能。 続けやすい価格設定で、初めて機能性表示食品を試したい方にもおすすめです。 |
失敗しないために知っておきたい機能性表示食品の基礎知識
数多くの商品が並ぶ中で、自分に合ったものを見つけ出すのはなかなか骨が折れる作業です。しかし、いくつかの基本的な知識を持っておくだけで、その選択はぐっと確かなものになります。ここでは、機能性表示食品を選ぶ上で失敗しないために、ぜひ知っておいていただきたい基礎知識を分かりやすく解説します。
トクホや健康食品との明確な違い

機能性表示食品を選ぶにあたって、まず理解しておきたいのが、「特定保健用食品(トクホ)」や「いわゆる健康食品」との違いです。これらは混同されがちですが、国の関与の度合いや表示できる内容に大きな隔たりがあります。それぞれの特徴を下の表にまとめました。
| 種類 | 国の関与 | 科学的根拠 | 表示の例 |
|---|---|---|---|
| 機能性表示食品 | 届出制(審査なし) | 事業者の責任で科学的根拠を評価し、消費者庁へ届け出る | 「本品には〇〇が含まれ、お腹の脂肪を減らす機能があることが報告されています」 |
| 特定保健用食品(トクホ) | 許可制(個別審査あり) | 国が有効性や安全性を審査し、表示を許可する | 「コレステロールの吸収を抑える」など、国が許可した効果を表示 |
| いわゆる健康食品 | 特になし(法的な定義なし) | 特に定められていない | 機能性の表示はできない |
最も大きな違いは、国が個別に審査・許可しているかどうかという点です。トクホは国の厳しい審査をクリアした製品だけがその表示を許可されるのに対し、機能性表示食品は事業者の責任において科学的根拠を届け出る制度です。 そして、サプリメントなどを含む「いわゆる健康食品」は、法的な定義がなく、機能性を表示すること自体が認められていません。 この違いを理解することが、製品選びの第一歩となります。
パッケージ表示の見方とポイント

商品のパッケージには、消費者が製品を正しく理解するための重要な情報が詰まっています。どこに注目すれば良いのか、具体的なポイントを見ていきましょう。
「機能性表示食品」の表示と届出番号
まず確認したいのは、パッケージの表面など目立つ場所に「機能性表示食品」と明記されているかどうかです。 これが、国に届け出られた製品であることの証です。あわせて、「届出番号」と呼ばれるアルファベットと数字が組み合わせられた番号も記載されています。 この番号を手がかりに、消費者庁のウェブサイトで、製品の安全性や機能性の根拠となった科学的なデータなどを誰でも確認することができます。
機能性関与成分と届出表示
次に大切なのが、「機能性関与成分」と「届出表示」です。 機能性関与成分とは、その製品の機能性の根拠となっている具体的な成分名のことで、「葛の花由来イソフラボン」などがこれにあたります。 そして届出表示には、「本品には〇〇(機能性関与成分名)が含まれます。〇〇には、肥満気味な方の体重やお腹の脂肪を減らすのを助ける機能があることが報告されています。」といった形で、どのような働きが報告されているのかが具体的に書かれています。 自分の目的に合った機能性を持つ成分なのかを、この届出表示でしっかりと見極めることが重要です。
摂取目安量と注意喚起
パッケージの裏面などには、1日の摂取目安量や摂取方法、そして摂取する上での注意事項が必ず記載されています。 機能性表示食品は、たくさん摂れば効果が高まるというものではありません。 また、「本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。」といった定型文も記されています。 これは、機能性表示食品があくまで健康の維持及び増進に役立つ食品であり、医薬品とは異なることを示しています。 安全に利用するためにも、これらの記載には必ず目を通すようにしましょう。
安全に利用するために 機能性表示食品の注意点と副作用

私たちの暮らしに身近な存在となった機能性表示食品ですが、その効果を正しく、そして安全に得るためには、いくつかの大切な注意点があります。体に取り入れるものだからこそ、しっかりとした知識を持って向き合うことが、何よりも重要になるのです。
摂取目安量を必ず守ること
商品パッケージには、必ず「一日摂取目安量」が記載されています。 ときおり、「たくさん飲めば、それだけ早く効果が出るのではないか」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな誤解です。機能性表示食品は、たくさん摂取すれば効果が高まるというものではありません。 むしろ、特定の成分を過剰に摂取することで、かえって健康を害してしまう可能性も考えられます。 それぞれの製品は、科学的根拠に基づいて適切な摂取量が定められています。私たちの体にとって、何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」です。パッケージの表示をよく読み、記載されている量を必ず守るように心がけましょう。
薬との飲み合わせに注意が必要なケース
普段から病院で処方された薬を服用している方は、特に注意が必要です。機能性表示食品に含まれる成分と、医薬品の成分が互いに影響を及ぼし合う「相互作用」が起こる可能性があるからです。 この相互作用によって、薬の効果が弱まったり、逆に強まりすぎて副作用のリスクが高まったりすることがあります。 例えば、以下のようなケースが報告されています。
| 食品・成分の例 | 医薬品の例 | 起こりうる影響の例 |
|---|---|---|
| 糖の吸収を穏やかにする食品 | 糖尿病治療薬 | 血糖値が下がりすぎて低血糖を起こす可能性がある |
| コレステロール値を下げるのを助ける食品 | 高脂血症治療薬 | 薬の吸収が妨げられ、効果が十分に得られない可能性がある |
| ビタミンKを多く含む食品(青汁など) | ワルファリン(血液を固まりにくくする薬) | 薬の作用を弱めてしまう可能性がある |
もちろん、これはあくまで一例です。機能性表示食品は医薬品ではないため、自己判断で摂取を開始するのではなく、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談することが大切です。 お薬手帳を持参して、「この機能性表示食品を試してみたいのですが、今飲んでいる薬との飲み合わせは大丈夫でしょうか」と一言尋ねるだけで、未然にリスクを防ぐことができます。
痩せる効果には個人差があることを理解する
機能性表示食品は、あくまでも「食品」であり、病気の治療や予防を目的とした医薬品ではありません。 パッケージに表示されている機能性は、科学的根拠に基づいていますが、その効果の現れ方には、どうしても個人差が生じます。 私たちの体が一人ひとり違うように、年齢や性別、体質、そして日々の生活習慣によって、効果を実感しやすい人もいれば、そうでない人もいるのです。
大切なのは、機能性表示食品に過度な期待を寄せすぎないことです。「これを飲んでいるから大丈夫」と安心してしまうのではなく、基本となるバランスの取れた食事や適度な運動を心がけることが、健康的なダイエットへの一番の近道と言えるでしょう。 機能性表示食品は、あくまで日々の努力をサポートしてくれる、心強いお守りのような存在として捉えるのが良いかもしれません。万が一、摂取中に体調の異変を感じた場合は、すぐに摂取を中止し、医師に相談してください。
まとめ

痩せる効果が報告されている機能性表示食品は、消費者庁に届け出られた科学的根拠に基づき、ダイエットの心強い味方となり得ます。葛の花由来イソフラボンのようにお腹の脂肪に働きかけるものなど、成分によってそのメカニズムは様々です。大切なのは、ご自身の目的に合った成分を選び、パッケージの表示をよく確認して摂取目安量を守ること。医薬品とは異なり、あくまでも健康的な食生活と運動を基本とした上での補助的な役割と捉えることが、賢い付き合い方と言えるでしょう。ご自身のライフスタイルに合わせて上手に取り入れ、理想の体づくりを目指してみてはいかがでしょうか。








