岐宿支所前を通り過ぎ、岐宿郵便局の手前、旧岐宿小学校前の信号の近くに、「手作りおべんとう」と書かれたのぼりが目に入ります。
広々とした駐車場の奥に弁当屋いでぐちがあります。昨年の6月にオープンし、まだ新しい洋風の作りのお店です。鮮魚店もすぐ横にあります。
弁当屋いでぐち
中に入るとカウンターにズラリと並ぶお弁当。そしてすぐガラス越しにスタッフが厨房で作業をしているのが見えます。スタッフはお揃いのユニフォームでお出迎えしてくれます。お弁当は人気なのが3種類、唐揚げ弁当、エビフライ弁当、メンチカツ弁当、どれも食べたい方にはそれらが1個ずつ入ったミックス弁当です。この3種類は12時のお昼どきになるとどんどん売れていきます。おかずが何種類か入った惣菜は一人暮らしのお年寄りが買っていきます。
ご近所の人がよく来店し、一人一人との会話を大切にしながら、笑顔でお弁当を渡す店長さんの姿が見られました。まるでこの店長さんの顔を見にお弁当を買いに来ているようでした。このお店を建てる前は、スーパーを2店舗営んでいました。しかし、近くの小学校が閉校し、車で若い人が福江の中心部の大きなスーパーに買い物に行くご時世、老朽化もありやむなくスーパーを閉店し取り壊しました。そして、しばらくはご主人がシティーモールのテナントに、出口鮮魚店を営んでいました。ご主人はお魚一筋で市場の仕入れから捌き、地方発送まで自分でしていました。コロナのだいぶ前から魚を捌く動画をYouTubeでアップしたりとなかなかのやり手です。しかし、シティーモールは年中無休のため、鮮魚店も毎日開けないといけないので手伝う奥さんもとても忙しい日々が続いていました。子育ても一段落したのをきっかけに、岐宿に帰ってお店をまたやろうと決心しました。今度は仕入も少量でコストのかからないお弁当屋を奥さんが中心になってやることにしたのです。
ずっと前からこんなお店にしたかったという奥さんのセレクトの雑貨や洋服、わざわざ取り寄せている可愛い布小物、アクセサリー、そして洋菓子がずらりと並んでいます。女子にはとても嬉しいです。岐宿には雑貨屋さんがないから、お弁当屋と合体させちゃったそうです。見ていると時間がたつのを忘れてしまいます。母の日の贈り物も見つかるかもしれませんよ。
地元の心をつかむ美味しさ
さて、本業は鮮魚店とお弁当屋さんというのをちゃんと忘れてはいません!冷蔵ショーケースには、その日にとれた五島のお魚のお刺身の盛り合わせ、寿司、かまぼこ、切り身などがたくさんあります。そして、いろんな種類のお刺身がのった海鮮丼も美味しそうです。お米はもちろん岐宿のお米です。そして、店長の今日のイチオシはアジ100%にこだわって作ったかまぼこだそうです。他のお店では2種類のお魚を使ったり、小麦粉を混ぜたり、いろいろなものを練り合わせて作るそうで、アジ100%でしかも全て手作りなのは珍しいそうです。
味見させていただきましたが、塩気もほどよく本当に美味しくてご飯が欲しくなりました。そのまま食べたり、うどんにのせたり、吸い物に入れたりして食べます。五島のアジは本当に美味しいです。お魚の加工品は全部手作りです。近所の人はできたてが食べられると喜んでくれるそうです。
お弁当はなくなり次第終了ですが、お魚を目当てに買いにくる人が多いので16時までお店を開けています。スーパーを利用してくれていたお客さんも戻ってきて、また岐宿も元気になったような気がしますね。この日は地元の学校の遠足で、学校の先生方が食べるお弁当を配達してきたそうです。オードブルやお刺身の盛り合わせの予約も受け付けています。定休日は毎週水曜日ですが、早めに予約してくれれば対応するとのことで、店長の心遣いが感じられるお店です。
弁当屋 いでぐち
長崎県五島市岐宿町岐宿2293-2
TEL:080-8368-0551
営業時間:10:00~16:00
定休日:水曜日
公式instagramはこちら
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