五島で唯一のオーガニックカフェ「ねこたまShop&Cafe」。手作りピザの出来立てホヤホヤの味がたまらない。薪ストーブの音や香りで癒されます

福江から車で15分程度走らせた奥浦には日曜日にオープンしている自然派カフェがあります。その名も「ねこたまカフェ」。食への意識が高い女性には有名で、また手作りのお菓子を求めてやってくるお客さんも多数いる人気のカフェです。

ねこたまShop&Cafe

寒い外からお店の中へ入ると、今どき珍しい薪ストーブが店内を温めてくれています。パチパチと聞こえる音も香りも落ち着くんですよね。炎のゆらめきを見ているだけでポッと心が温かくなります。

「ねこたまカフェ」のオーナー坂本泰子さんの手作りのクッキーやスコーン、期間限定のお芋のパイなどは天然酵母を元に作られているのですよ。昨年、伺った時には椿の酵母も育ててらっしゃいました。天気や気温、また場所などによって膨らみ方に差がでる酵母は普通の人には扱うにはハードルが高いです。それを気負いなく、農業やゲストハウス「タイニーハウスねこたま」の仕事の合間に作られているのですから、それも日常の生活の一部となってるのでしょうか。

出来立てのピザ

ランチには酵母タネからのこれまた手作りピザの出来立てホヤホヤを食べることができます。坂本さんによると「がっつりランチというよりも、お昼を食べそこねた人に向けて開けているとこもあります」との事でした。たしかに、お昼も2時を過ぎるとランチ難民になることが私もあります。飲み物も種類がたくさんから選べますし、(取材日にはお任せハーブティをオーダーしました)お菓子も今日は何があるかしら?とお友達と一緒にカフェに訪れるのも良いですね。

オーガニックな食材や調味料が置いてあるところも嬉しいですね。他では見たことない商品をここで知ったこともあります。近所のおじいちゃんやおばあちゃんが常連さんなところもホッコリしますし、坂本さんの農業を中心としたライフスタイルやピアノのレッスンのこと、ゲストハウスの事など聞きたいことが沢山ありすぎます。お店のオープン時には「五島のスタバ」を目指していた、と笑いながらお話しされていました。確かに、スターバックスにもサンドイッチやスコーンやケーキなど軽食をランチ代わりにしている人もよくいますよね。しかしながらこの手間や時間のかけ方、美味しいだけではなく身体への優しさはもはやスタバ超えしていると思います。

皆さんもぜひ、ねこたまカフェでランチ又はティータイムを過ごしに行ってみませんか?

2024年9月再訪

群馬から移住してきたご夫婦が二人三脚で営む「ねこたまカフェ&ショップ」。自給自足と農薬に頼らない、自分たちのスタイルを大切にしている素敵なお店です。奥浦町に行くと必ず立ち寄りたくなる、そんな魅力が詰まっています。

地元食材を活かしたカフェメニュー

お店では、ご夫婦が育てた無農薬野菜を使ったサラダやピザ、サンドイッチなどの軽食をランチで提供しています。また、カフェは夕方17時半まで営業しているので、カフェ難民にとってもありがたい存在です。場所は、福江港から車で約15分、奥浦の堂崎天主堂へ向かう途中にある郵便局の近くに位置しています。

焼きたてスコーンとマフィンの魅力

オープンしている日は毎日焼き上げるという日替わりのスコーンとマフィンは、焼きたても美味しいですが、時間が経ってもその美味しさが続きます。この日はプレーンスコーンとブルーベリーマフィンをいただきました。特にブルーベリーの粒が大きくて食べ応え抜群。飲み物にはチャイを注文。

特別に作る様子を見せていただきました。長年愛用しているミルクパンに、お取り寄せした無農薬の紅茶の茶葉を細かくちぎり、自家製のショウガを皮ごとスライスして少し入れるのがポイントだそうです。沸騰したらミルクパンを持ち上げ、火から遠ざける動作を3回繰り返すことで茶葉の味をしっかり引き出すそうです。ショウガの風味がミルクの甘さを引き立て、砂糖なしでも美味しい一杯でした。目の前に広がる奥浦の穏やかな入り江を眺めながら、ゆったりと時間が流れるのを感じられます。

こだわりのオーガニック商品

カフェだけでなく、店内には採れたての無農薬野菜が手作りの竹かごに並べられています。さらに、五島ではなかなか手に入らないオーガニックの調味料や食品も販売されています。

オーガニックにこだわるようになったのは、奥さんの泰子さんがアトピーを発症したのがきっかけだそうです。「自然のままの状態で体に良いものを取り入れたい」という強い想いは、お客さんにも確実に伝わっています。

移住して築いたカフェへの想い

坂本さんご夫婦は、2013年に五島市奥浦町に移住しました。きっかけは、東日本大震災でした。もともと牛小屋だった建物を2年かけて改装し、2016年夏に「ねこたまカフェ&ショップ」としてオープン。お二人の子どもたちにとっても、小学校や中学校が近く、素晴らしい環境だったそうです。奥さんの泰子さんは、以前から顔を覚えてくださり、訪れるたびに温かく歓迎してくれます。笑顔がとてもチャーミングな方で、カフェの運営だけでなく音楽教室も開いています。一方、ご主人の勝さんは農園を担当。無農薬で野菜を育てるには大変な苦労がありますが、それを楽しんでいる様子を見ると、専業農家の私としては本当にうらやましく感じます。坂本さんご夫婦とは、子どもが同じスポーツをしていたこともあり、話がとても盛り上がりました。

一日一組限定の宿泊施設も運営

「ねこたま農園」では、一日一組限定の宿泊施設「タイニーハウス」も運営しています。泰子さんは「お店はオープン以来、何も変わっていない」と言いますが、その変わらない姿勢こそ、お店が長く愛され続ける理由でしょう。移住者や地元の方、移住を考えている方たちのコミュニティの場として、これからも愛されるお店であり続けることでしょう。

再訪加筆:のだめ

ねこたま Shop&Cafe
長崎県五島市奥浦町1560
TEL:0959-73-0730
営業時間:10:30~17:30
定休日:不定休
公式Instagramはこちら