岐宿町岐宿地区にある「呑」と書いて「ドン」読む、小さなお店があります。昔からある小倉酒店の先を右に緩やかに下る坂があり、目の前に赤いのぼりが見えます。見た目は、民家で、のぼりが立っていなかったらお店があるとは思わないのではないでしょうか?目の前は大雄寺という大きなお寺があり、少し下ると漁港がある、静かな場所です。近くにあった保育園も閉園し寂しくなった矢先、このお店がオープンし、地元の人にとっては憩いの場として親しまれています。
久しぶりに行ってみた
このお店に最初に訪れたのは以前の職場から近かったこともあり、ランチを食べに一人でふらっと立ち寄ったのが3年前でした。もともと飲食店で働いていた二人が大阪で知り合い結婚し、ご主人の親の介護のため、大阪から岐宿にUターンしてきたとのこと。親戚の住んでいた家をリフォームし、お店をオープンしたという話をカウンター席で聞いたのを思い出しました。とても気さくなご夫婦でした。その後、職場が変わり、なかなか行く機会が減り…久しぶりに行ってみようかな?と思いまして行くことができました。
お店へ入ると奥さんが顔を出し、私のことを覚えてくださっていたことにまず感動しました。注文する前にお互いの近況報告をしました。ご主人が見当たらないので聞くと、病気がちで自宅療養中で、このお店は奥さん一人で頑張って続けていると教えてくれました。奥さん自身も足の手術をしたり、コロナ禍でお客さんが一気に遠のき、1年ほどお店を休業していたことさえも知らなかった私は、なんとなく申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました。
お好み焼き「豚玉」と「ちゃんぽん」の味は?
お好み焼きの豚玉とちゃんぽんを注文しました。お店には入った時からふんわりと良い匂いがするな~と思っていましたら「おでん」もあるとのことでした。「おでん」はテイクアウトもできるそうです。美味しそうだけどさすがに食べれないなぁ~と思い、写真だけ撮らせていただきました。
おしゃべり中も手は止まることもなく、いつの間にか豚玉が出来てきました。鰹節は乗っていないですが、ソースの濃い色とマヨネーズの美しい模様が食欲をそそります。コテで切りやすいのは、キャベツが荒いみじん切りだから。本当の美味しいお好み焼きの作り方は、キャベツは千切りではなく細かく四角に切って生地と混ぜて焼くことだと聞いたことがあります。大阪本場の味は本当に美味しいです。キャベツの甘味やしゃきしゃきとした触感が感じられます。生地は空気がほどよく入ってふわふわです。家でもよくお好み焼きを作るのですが、さすがお店で食べる大阪本場の味は違います。
続いてちゃんぽん。イカが入っていて出汁がでてて美味しいです。具沢山です。これからの季節…寒い冬には最高です。
店内はこんな感じ
お店は3、4人座れるカウンター席とテーブル席が二つで狭いですが、その狭いから分かる距離感がよく、別のお客さん同士が仲良くなることもあれば、喧嘩もあったりと大変だそうですが(笑)大阪からきた奥さんは「五島は世間が狭い!良いこともあれば悪いこともあるよ。人の悪口や余計なことは言わないほうが良い」とぼやいていました。それは当たっているかも(笑)
夜は居酒屋でカラオケも歌えるようです。
1曲200円という面白いシステムです。ランチは水、木、金曜日、11時半から14時半くらいまで(お客様が帰るまで)。奥さん一人でやっているので、お急ぎの方やテイクアウトは電話で予約をおすすめします。
物価高で商売がきびしいと話す奥さん。それでもお店を続けてくれていることに感謝です。お酒のキープも期限が過ぎようといつか来るかもとキープ延長で待っています。ご主人とお店を支え、こちらの方が元気づけないといけないのに、逆に大阪のおばちゃんに元気をもらった気がします。有難うございました。
居酒屋 呑(どん)
長崎県五島市岐宿町岐宿15-1
TEL:0959-82-0278
ランチ営業日:水曜日、木曜日、金曜日
営業時間:11:30~14:30(お客様が帰るまで)
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